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4章
71.新たな夜明け
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魔物との戦争が終わり、神の一角であるオーディンを撃破した。
オーディンの体が塵へと変わり、この世から消えていく。それを城ケ崎零は見ていた。世界が、大きく変わる瞬間を零は見ていた。
「リリ」
「何」
「”夜”は、世界を救うためには、必要になる」
「そうかもね」
「これから世界は、大きく動き始める」
零の瞳が少しだけ、変わった。零達は、七星教会に負けた後、とある人物と出会った。
「もし、僕が、本当に理性を失ったら、その時はよろしくね。リリ」
「……。その問いには、答えかねますが、貴方の進む道であれば、私も共に歩いていきましょう」
「そうか……」
零は、終わった町を歩く。ここは、世界でもトップを争うほど発展していた国とは思えない現状だった。
「城ケ崎零」
「うん」
「ルーア国の人間が、なぜここに居る」
「これはこれは、七星教会のジン様。私がここに居るのは、世界を旅しようと思ったからです」
「ふざけた回答だな」
ジンは少しだけ、いやな顔をした。
「はあ。でも、助かった。君が居なければ、あの敵を倒すことはできなかった」
「うん」
零は頷くだけで、その場を歩いていく。そして、グラジア大国最前線の拠点を目指していた。
「零様どこを目指していますか?」
「うん。救護テントかな。さっきの戦いで、澪姉が居なかった。もしかしたらッて思って」
「澪様ですか…」
零は考えていた。この戦いに絶対澪は居るというのは知っていた。だが、澪は居なかった。最悪の場合を考えながら足を進める。
「どこか怪我をされましたか」
救護テントに着くと、医者らしき人物から声をかけられた。その医者に澪のことを聞く。
「そうですか。関係者の方でしたか。こちらエどうぞ」
その医者についていく。そしてとある救護テントに案内された。
「澪様の容体は、かなり危険な状況です」
「……」
零は、澪の姿を見た時今までに感じたことのない、怒りに襲われる。
「澪姉……」
零は、澪の手を握る。その時かすかに、指先が動くことに気が付く。
「澪姉」
零が声を出すが、澪は喋ることはなかった。
零が、その場を後にしようとした時、とある人と再会する。
「会えたみたいだね」
「……。何しに来た。クリス」
「嫌だな~。ここに来たのは、偶然だよ」
クリスが零に歩み寄ろうとした時、リリが間に入ってクリスの歩みを妨害する。
「それ以上は、近づかないでください」
「リリちゃん厳しーね。……でも、良いか。またね。零。リリ」
クリスは、その場を離れていく。それを零は見ながら少し過去を思い出していた。
「さて、夜が明けたな。リリ」
「そうですね」
「これから世界は、どう動いていくだろうな」
その疑問を残し、この戦いが本当に終わったと感じた。
オーディンの体が塵へと変わり、この世から消えていく。それを城ケ崎零は見ていた。世界が、大きく変わる瞬間を零は見ていた。
「リリ」
「何」
「”夜”は、世界を救うためには、必要になる」
「そうかもね」
「これから世界は、大きく動き始める」
零の瞳が少しだけ、変わった。零達は、七星教会に負けた後、とある人物と出会った。
「もし、僕が、本当に理性を失ったら、その時はよろしくね。リリ」
「……。その問いには、答えかねますが、貴方の進む道であれば、私も共に歩いていきましょう」
「そうか……」
零は、終わった町を歩く。ここは、世界でもトップを争うほど発展していた国とは思えない現状だった。
「城ケ崎零」
「うん」
「ルーア国の人間が、なぜここに居る」
「これはこれは、七星教会のジン様。私がここに居るのは、世界を旅しようと思ったからです」
「ふざけた回答だな」
ジンは少しだけ、いやな顔をした。
「はあ。でも、助かった。君が居なければ、あの敵を倒すことはできなかった」
「うん」
零は頷くだけで、その場を歩いていく。そして、グラジア大国最前線の拠点を目指していた。
「零様どこを目指していますか?」
「うん。救護テントかな。さっきの戦いで、澪姉が居なかった。もしかしたらッて思って」
「澪様ですか…」
零は考えていた。この戦いに絶対澪は居るというのは知っていた。だが、澪は居なかった。最悪の場合を考えながら足を進める。
「どこか怪我をされましたか」
救護テントに着くと、医者らしき人物から声をかけられた。その医者に澪のことを聞く。
「そうですか。関係者の方でしたか。こちらエどうぞ」
その医者についていく。そしてとある救護テントに案内された。
「澪様の容体は、かなり危険な状況です」
「……」
零は、澪の姿を見た時今までに感じたことのない、怒りに襲われる。
「澪姉……」
零は、澪の手を握る。その時かすかに、指先が動くことに気が付く。
「澪姉」
零が声を出すが、澪は喋ることはなかった。
零が、その場を後にしようとした時、とある人と再会する。
「会えたみたいだね」
「……。何しに来た。クリス」
「嫌だな~。ここに来たのは、偶然だよ」
クリスが零に歩み寄ろうとした時、リリが間に入ってクリスの歩みを妨害する。
「それ以上は、近づかないでください」
「リリちゃん厳しーね。……でも、良いか。またね。零。リリ」
クリスは、その場を離れていく。それを零は見ながら少し過去を思い出していた。
「さて、夜が明けたな。リリ」
「そうですね」
「これから世界は、どう動いていくだろうな」
その疑問を残し、この戦いが本当に終わったと感じた。
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