発展科学の異端者

ユウ

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4章

60.魔物との戦争 城ケ崎澪編

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 城ケ崎澪は、最前線を走り抜いていた。

「前方。モンスター姿確認。カマ中佐部隊が引き付ける。この先に居るモンスターは任せるぞ」
「カマ中佐。ここは任せる」
「ああ。任されたぞ。お前ら、命を張れ」

 カマ中佐が、モンスターと激突する。それを澪は横目で見ながら、走り抜けだす。

「ゲートが見えるぞ。あれを破壊できれば、こちらの勝ちだ。行くぞおおお」

 ゲートに向かうだけで、モンスターの群れが多くなってくる。澪はロングソードを2本抜刀し、モンスターとの間合いを一気に潰す。

「消えろ。この世界の異物が…」

 ロングソード2本でモンスターの体が切り裂かれ消滅する。それから澪は次のモンスターに目掛けて一刀できる間合いに入り込む。

「ここのモンスターは、全部討伐する。これ以上、後方にモンスターを向かわせるな」
「了解」
「行くぞおおお」

 それから数分。モンスターを撃破をし続ける。その結果、モンスターが居なくなる。

「ゲートに向かう。怪我したもの治療が必要なものは、後方に撤退すること。ルーン。撤退メンバーの護衛を任せてもいいか」
「ああ。僕も限界だったからね。怪我したものは、私に続け。撤退をするぞ」
「ルーン。撤退の時に、想定外のことがあれば、この笛を使え」
「笛ですか」
「ああ。一度きりの笛だが、効果は絶大だ。使うと壊れるので、使用の際には注意しな」
「分かりました」

 澪は、ゲートに向かう。そして、ルーンは、来た道を戻り始める。

「やっぱ。ボス系は居るんだねぇぇぇ」
「そのようだな。しかも、かなり厄介な奴だな」
「みたいだね」

 ゲート前に居るモンスターは、人型に悪魔の翼をもつ。デーモン。しかも、人間に近い姿をする。最上位デーモンだったからだ。

「これは、手ごたえがありすぎだよねえ」

 澪は、ロングソードを両手で持ちモンスターとの間合いを制する。その間合いは降れば確実に当たるという間合いだった。

 だが、それは空を切ることになる。

「くそっ。はえーな」
「ワレガ、ニンゲンゴトキニ、オクレハ…トラン」
「嘘だろ。喋るモンスターかよ」

 澪は、バックステップで距離を取る。だが、モンスターが一気に間合いを詰めてくる。

「くそが……。百合絵」
「はーい」

 目で追うことのできないレイピアが、モンスターの腹部を捉える。

「グオオ」
「捉えた」

 百合絵はそのまま、レイピアで連撃を繰り出す。それをモンスターが、左手で弾き始める。

「ウソ。まじかよ」
「コノテイドカ。ワレニイドムナラ、コレイジョウノチカラヲミセロ」
「百合絵。チェンジ」

 百合絵に向かって、澪が声を出す。そして、二人が入れ替わる。

「マタキサマカ」
「お待たせ」

 澪は左手に握った、ロングソードを前に突き出す。それをモンスターは体を傾けるだけで、避ける。

「コノテイド……ナッ」
「油断は、君の命を奪うよ」

 澪が突き出した、ロングソードの軌道が変わる。それがモンスターの胸を捉える。

「グオオオ」
「押し切る」
「トメル」

 澪の軌道が変わったロングソードを、モンスターは両手で受け止めた。

「トメタゾォ……」
「死んで。私たちの世界のために…」

 澪の右手に握ったロングソードが、モンスターの首を捉えた。そして、澪は、モンスターの首を斬り飛ばす。

「終わりよ」
「ニンゲンゴトキニ……ワレガ…」

 澪は左手に持つロングソードを手放し、空中で回転しながら地面に着地をする。

 そして、右手を振り上げる。それと同時に、歓喜の声が聞こえる。

「ワーーー」
「澪様アアア」
「終わったアアア」

 叫び声が聞こえる。それは、この戦いに終止符が打たれたと感じることだった。

 これにより、ゲートが閉じることになる……はずだった。

「なんで……」

 澪の瞳の奥には、閉じるはずのゲートが、閉じずに存在していた。

「……。クリス様には申し訳ありませんが、ここまでのようですね。さて、最後の置き土産でもして、撤退するとしましょうか」

 遠くから覗いていたアイは、その場を去る。それと同時だった。ゲートから最悪のモンスターが、現れることとなる。
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