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2章
34.未来に向けて
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城ケ崎零は、パチンコを打っていた。
「くそー。財布が空になった。金下すか…」
そう言いながら零は、パチンコ店から外に出る。セミの鳴き声、工事現場のようなうるさい音。
「ったく、暑くて外には出たくはないな」
そう言いながら、喫煙所に向かう。その最中に、後ろから冷たい缶ジュースが首元に当てられる。
「ひゃっ」
「あはは。面白い声を出すね」
その声のした方に振り返ると、そこには、澪が缶ジュースを2本持って立っていた。
「姉さん」
「うん。元気になっているようで良かった」
「姉さんの方こそ、体大丈夫なのか」
「ははっ。心配してくれるの?でも私は、元気よ。まあ、明日グラジア大国に行くけどね」
そう言いながら、缶ジュースを1本渡してくる。それを零は受け取る。すると澪は微笑みながら、缶ジュースを開けて一口飲み始める。
「ねえ、私達って、勝つことって、できたのかな」
「……」
その言葉にすぐには、返答できなかった。正直この町の悲惨さを見た時、零達は負けたと思った。
「さあな。これだけの被害をみて、勝ったと喜べはできないな」
「そうよね。この戦いで、七星教会の2名はやられたしね」
「……」
澪は笑いながら話を続ける。一方零は、缶ジュースを開けて一口飲む。
「聞いた。七星教会の幹部について」
「……。何かあったのか」
「ええ。七星教会最高戦力、ロジャー・モーリーが現役を引退するって話」
「はっ?何があった」
「極秘だけど……」
その話を聞いた時、零は驚きを隠しきれなかった。
「嘘だろ…」
「マジみたい。どうしようもないよね」
「クリスが、グラジア大国に居るってことだろ。ってことは……」
「ええ。七星教会は、正式に真王教団教皇を殺そうと動くみたい」
それは、七星教会が全戦力を持って、本気につぶしに行くということだった。
「笑えないよね」
「笑えねーだろ。真王教団って、簡単に倒せるのか」
「簡単なわけないでしょ。教皇を初め、幹部候補が馬鹿強いんだから」
「だよな。リューも強かったし、ってか、枢機卿も集合しているのか」
「さあ?もしかしたら、教皇もいないかもしれないしね」
真王教団の本部がどこにあるのかが、いまだに分かっていなかった。だからこそ、不気味で恐ろしい組織とも言われるようになっていた。
「無駄足になることを、僕は祈るよ」
「勘弁してよね。無駄足になるほど、面倒なことはないからね」
「確かに……」
零は苦笑いを浮かべる。それは、少しだけ不安でもあった。
「まあ、こんな話はお終い。何か食べに行かない」
「あ~あ……」
「はぁ。無駄遣いをしたのね。なら、おごるから来なさい」
「ありがとうございます」
そう言いながら、近くのレストランに行くことになった。
ここは、ルーア国内の病院。
「今日で退院か…」
今日退院するのは、スカイウェーブ事務所の一ノ瀬未来だった。退院の準備をしていた時、ドアをノックする音が聞こえる。それに対して、一ノ瀬は返事をするだけだった。
ドアから入ってきたのは、メルティア・ワイルズだった。
「久しぶり、一ノ瀬さん」
「えっ。メルティア様⁉」
一ノ瀬は驚く。それは、七星教会のナンバー2メルティア・ワイルズだった。
「そんなに驚く?」
「それは…。驚きますよ。何でここに来たんですか」
「まあ、仕事で来ていたんだけど……。戦力補充をしないといけないからね」
「戦力補充ですか」
メルティアは、苦笑いをしていた。それを見て、一ノ瀬は察する。
「まさか……」
「今、君が考えていることかな。私について来てくれないかな」
それは、一ノ瀬にとっての分岐点だった。
「くそー。財布が空になった。金下すか…」
そう言いながら零は、パチンコ店から外に出る。セミの鳴き声、工事現場のようなうるさい音。
「ったく、暑くて外には出たくはないな」
そう言いながら、喫煙所に向かう。その最中に、後ろから冷たい缶ジュースが首元に当てられる。
「ひゃっ」
「あはは。面白い声を出すね」
その声のした方に振り返ると、そこには、澪が缶ジュースを2本持って立っていた。
「姉さん」
「うん。元気になっているようで良かった」
「姉さんの方こそ、体大丈夫なのか」
「ははっ。心配してくれるの?でも私は、元気よ。まあ、明日グラジア大国に行くけどね」
そう言いながら、缶ジュースを1本渡してくる。それを零は受け取る。すると澪は微笑みながら、缶ジュースを開けて一口飲み始める。
「ねえ、私達って、勝つことって、できたのかな」
「……」
その言葉にすぐには、返答できなかった。正直この町の悲惨さを見た時、零達は負けたと思った。
「さあな。これだけの被害をみて、勝ったと喜べはできないな」
「そうよね。この戦いで、七星教会の2名はやられたしね」
「……」
澪は笑いながら話を続ける。一方零は、缶ジュースを開けて一口飲む。
「聞いた。七星教会の幹部について」
「……。何かあったのか」
「ええ。七星教会最高戦力、ロジャー・モーリーが現役を引退するって話」
「はっ?何があった」
「極秘だけど……」
その話を聞いた時、零は驚きを隠しきれなかった。
「嘘だろ…」
「マジみたい。どうしようもないよね」
「クリスが、グラジア大国に居るってことだろ。ってことは……」
「ええ。七星教会は、正式に真王教団教皇を殺そうと動くみたい」
それは、七星教会が全戦力を持って、本気につぶしに行くということだった。
「笑えないよね」
「笑えねーだろ。真王教団って、簡単に倒せるのか」
「簡単なわけないでしょ。教皇を初め、幹部候補が馬鹿強いんだから」
「だよな。リューも強かったし、ってか、枢機卿も集合しているのか」
「さあ?もしかしたら、教皇もいないかもしれないしね」
真王教団の本部がどこにあるのかが、いまだに分かっていなかった。だからこそ、不気味で恐ろしい組織とも言われるようになっていた。
「無駄足になることを、僕は祈るよ」
「勘弁してよね。無駄足になるほど、面倒なことはないからね」
「確かに……」
零は苦笑いを浮かべる。それは、少しだけ不安でもあった。
「まあ、こんな話はお終い。何か食べに行かない」
「あ~あ……」
「はぁ。無駄遣いをしたのね。なら、おごるから来なさい」
「ありがとうございます」
そう言いながら、近くのレストランに行くことになった。
ここは、ルーア国内の病院。
「今日で退院か…」
今日退院するのは、スカイウェーブ事務所の一ノ瀬未来だった。退院の準備をしていた時、ドアをノックする音が聞こえる。それに対して、一ノ瀬は返事をするだけだった。
ドアから入ってきたのは、メルティア・ワイルズだった。
「久しぶり、一ノ瀬さん」
「えっ。メルティア様⁉」
一ノ瀬は驚く。それは、七星教会のナンバー2メルティア・ワイルズだった。
「そんなに驚く?」
「それは…。驚きますよ。何でここに来たんですか」
「まあ、仕事で来ていたんだけど……。戦力補充をしないといけないからね」
「戦力補充ですか」
メルティアは、苦笑いをしていた。それを見て、一ノ瀬は察する。
「まさか……」
「今、君が考えていることかな。私について来てくれないかな」
それは、一ノ瀬にとっての分岐点だった。
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