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出会い
『ん〜?待った。キミは誰だい?』
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その男が俺の顔を覗いた。髪が白髪でパーマが掛かり、丸メガネをしている男だった。
"こいつじゃない"
心の中で落胆しつつその言葉に安堵した。男が探しているのは俺じゃないと言うことは、このスタンガンは俺に向けられた物じゃない。すぐに俺は答えた
「えーっと、俺この辺に指名手配犯が出ると聞いて!!」
男はスタンガンとハンカチを下ろし、目の前に現れた。今はジメジメとした季節なのに何故かロングコートを着ている。
『あ~、あの通り魔連続殺人事件の?いやぁ、キミよくもまぁそんな若いのに!ずいぶんと根性がある子だなぁ!もしかしてお金目当て?それとも復習とか??』
ヘラヘラとバカにした言い方だ。何かちょっと腹が立ったがこの人はこんな喋り方なのか?
『キミそんなんで殺されたらどうするんだい?相手は何人も殺しているんだ、捕まえようとしたらキミのことも躊躇なく殺してくるはずだよ。』
その通りだ。ここに来るまでも死ぬ覚悟はあったし、スタンガンを突き付けられた時もすぐ人生を諦められた。自分に価値がないと思っているからだ。
『キミ、死んでもいいとか思ってるのかい?』
一方的によく喋る奴だなと思う反面、こいつは人の心でも読めるのか?と少し驚いた。
『いやぁ!ボク実は警察なんだ!よかったねぇ先にキミを見つけたのがボクで!警察って言っても見つかるかわからない指名手配犯を淡々と探すことしかしてないのさ、探偵みたいな仕事だよねぇ。』
そう言ってロングコートの内ポケットから警察手帳を取り出した。
「たなべ、、、まこと?」
『そう!田鍋 真!よく読めたね!まぁこれは偽名だけどね、この仕事をやってると結構命を狙われるのさ。』
相変わらずニヤニヤ言っている。偽名って言っていいのか?こいつふざけてる男だな、、、
「命を狙われるって、、田鍋さんは、死ぬのが怖くないんですか?」
『死ぬこと?そりゃ~怖いさ!痛いもん!』
それだけの理由なのか。
『まぁこんな遅くに立ち話もなんだ!ボクのうちにおいでよ、すぐ近くなんだ。』
静かに俺は頷いた。何だろう。田鍋さんはよく喋るし、これから長くなりそうな気がするな、、、
"こいつじゃない"
心の中で落胆しつつその言葉に安堵した。男が探しているのは俺じゃないと言うことは、このスタンガンは俺に向けられた物じゃない。すぐに俺は答えた
「えーっと、俺この辺に指名手配犯が出ると聞いて!!」
男はスタンガンとハンカチを下ろし、目の前に現れた。今はジメジメとした季節なのに何故かロングコートを着ている。
『あ~、あの通り魔連続殺人事件の?いやぁ、キミよくもまぁそんな若いのに!ずいぶんと根性がある子だなぁ!もしかしてお金目当て?それとも復習とか??』
ヘラヘラとバカにした言い方だ。何かちょっと腹が立ったがこの人はこんな喋り方なのか?
『キミそんなんで殺されたらどうするんだい?相手は何人も殺しているんだ、捕まえようとしたらキミのことも躊躇なく殺してくるはずだよ。』
その通りだ。ここに来るまでも死ぬ覚悟はあったし、スタンガンを突き付けられた時もすぐ人生を諦められた。自分に価値がないと思っているからだ。
『キミ、死んでもいいとか思ってるのかい?』
一方的によく喋る奴だなと思う反面、こいつは人の心でも読めるのか?と少し驚いた。
『いやぁ!ボク実は警察なんだ!よかったねぇ先にキミを見つけたのがボクで!警察って言っても見つかるかわからない指名手配犯を淡々と探すことしかしてないのさ、探偵みたいな仕事だよねぇ。』
そう言ってロングコートの内ポケットから警察手帳を取り出した。
「たなべ、、、まこと?」
『そう!田鍋 真!よく読めたね!まぁこれは偽名だけどね、この仕事をやってると結構命を狙われるのさ。』
相変わらずニヤニヤ言っている。偽名って言っていいのか?こいつふざけてる男だな、、、
「命を狙われるって、、田鍋さんは、死ぬのが怖くないんですか?」
『死ぬこと?そりゃ~怖いさ!痛いもん!』
それだけの理由なのか。
『まぁこんな遅くに立ち話もなんだ!ボクのうちにおいでよ、すぐ近くなんだ。』
静かに俺は頷いた。何だろう。田鍋さんはよく喋るし、これから長くなりそうな気がするな、、、
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