泣き虫狼と優しいウサギ 溺愛BL

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12話 愛玩奴隷。

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ご主人様が豪華で柔らかいソファに座る。こちらにおいで、とご主人様は自分の膝をポンポンと手で叩いていた。

そして俺は非常に困惑していた。
…膝の上に?乗る?俺が、ご主人様の上に?

そろりそろりと近ずいてご主人様の目の前に立つ。さて、ここからどうしていいか分からない。
いや、膝の上に乗ればいいのは分かるけどどんな風に乗ればいいかさっぱりだ。
まず奴隷がご主人様の膝の上に乗ってもいいのだろうか…?

もんもんと考えている俺を見兼ねたご主人様は、俺の脇の下に手を入れて いとも簡単に持ち上げると、自分の膝の上に向き合うように乗せて座らせた。
ご主人様の顔がとても近くなり少しだけ顔に熱が集まるのが分かる。ご主人様もそれに気づいたのかクスクスとからかう様に笑いをこぼしている。
からかわれている気がしてちょっとムッとしてしまう。


「話ってなんでしょうか?」

少し急かすように本題を問うとご主人様は「せっかちだな」と笑いながら俺の後ろ髪を指で梳いた。

「これからの事だよ。まずノアール、君はこれから俺の愛玩奴隷として生きてもらう。要するにペットだ」

愛玩奴隷…?
ペット…?
殴ったり蹴ったりしてストレスを発散する用の奴隷じゃなくて?

思わずキョトンとしてしまう。


奴隷商売や人身売買はここ最近、法律で禁止されたばかりである。表向きの取引は無くなったが裏ではまだ盛んに行われている。
労働用奴隷、使用人用奴隷、拷問用奴隷…様々な種類の奴隷が居るがその中で1番人気なのが愛玩奴隷だ。
見た目麗しい者達を売買し首輪を付け、躾たり、愛でたり、着飾って仲間に自慢したりする。愛玩奴隷は奴隷の中で最も主人に愛され幸せな生活を送れる奴隷だ。

その愛玩奴隷に俺はなったらしい。
俺が愛玩動物だなんて信じられない、特段美しい訳でもないし、可愛い訳でも無いのに…

「俺の事はレイドと呼ぶように。首輪は明日届く予定だ、俺の手で付けてやるのが楽しみだよ」

ご主人様は笑みを零しながら楽しそうにそう続けた。

「あ、の…ご主人様」

「こら、違うだろ?」

声を遮ってご主人様は俺を咎める。ワントーン声が低くなっているが威圧感は感じられない。きっと本気では咎めてないんだろう。


違う…?違うって何が…、

そこまで考えるとハッと気づいて慌てて訂正する。

「レイド…様?」

「様は無しだ。敬語もやめなさい、3度目は無いぞ?」

誰かを呼び捨てで呼ぶなんて久しぶりで何だか少し怖い気がしてきた…敬語だってそうだ。

「わ、かった…頑張ります、じゃなくて…頑張る」

たどたどしい言葉になってしまったがご主人様…レイドは満足した様で

「そうだ。いい子だな」

と褒めてくれた。頬を指でスリスリと撫でられ、心も体も心地良い
気づけば尻尾が大きく左右に揺れてしまっていた

生理現象だから仕方がない…、

「素直な子だな」

クスクスと笑われ、また頬が熱くなっていくのが分かった。






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感想 2

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みんなの感想(2件)

あると
2023.06.11 あると

よくある攻め狼、受けうさぎではなく逆のパターンで気になって読み始めましたがすごい好みでした!
でも話の途中で終わってしまっていてしばらく更新もされてないみたいなので少し残念です😢
またお話しあげてくれるのを楽しみにしています!!!

解除
りる
2021.09.22 りる

このお話ってもう続かないですか?
すごく可愛くて萌えたので続き書いて頂けると嬉しいです!

解除

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