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店外デート♥️ 1
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ぐっすりと眠って翌朝起きてから携帯を見てみると純さんからのLINEが入っていました。
『昨日帰宅の連絡がなかったから心配してる。無事に帰れた? 起きたらすぐに返事もらえると嬉しいな』
あわわわ、そうでした。
いつもは帰宅後すぐに純さんにご連絡するのですが、昨日は幸子さんにお話を聞いていただいたりいろいろあって、すっかり忘れてそのまま寝てしまいました。
『ご連絡遅くなってすみません。無事におうちに帰れました。ご心配ありがとうございます』
朝まだ早い時間でしたし、すぐには返信はないだろうと思っていたのですが、送信後まもなく受信通知音が聞こえてちょっとビックリしてしまいました。
タイミング的には純さんからの返信が早いこともまれにありますが・・・。
これは、本当に心配してくださっていたとうぬぼれてもいいのでしょうか。
『無事に帰れたみたいでよかった! 何かあったんじゃないかって思ってた』
まぁ、何かあったことはあったんですが・・・。
幸子さんとの会話の内容をそのままお伝えするわけにはいきませんが、ここはひとつ、少しだけ勇気を出して見ることにします。
『何かあったわけではないんですが・・・やっぱり、昨日のことでちょっともやもやして考え込んでました』
『昨日のこと?』
んー、こういう時純さんは少し鈍感です。
ホストさんだからといって、必ずしも女心や女性心理に全て精通しているわけではないんですよね。
『昨日、同伴していただけなかったことです。お約束を反故にされて、ちょっとだけすねてるんですよ』
文末に口をとがらした絵文字を入れてみました。
・・・こういう言い方はウザがられるかなぁと心配だったのですが・・・。
『あー、そのことね! 本当に助かったよ。ありがとう!』
お礼も大事ですが、一言「ごめんね」と言ってくださった方が八方丸く収まる場合もあるんですけどね。
『仕方ないですけどね。ただ、できれば何か埋め合わせをしていただけると嬉しいです』
――言ってしまいました。
幸子さんに昨日背中を押していただいたものの、自分から何かを要求するなんておこがましいのではないかとドキドキしてしまいます。
そこでやりとりが途切れてしまう可能性もあったのですが、お返事が来るまで思わず携帯の前でかしこまってしまいました。
『埋め合わせって例えば?』
幸いにもお返事はすぐに来ました。
でも、私はそこではたと困ってしまいます。
勢いでお願いしてみたはよかったんですが、“埋め合わせ”の内容を何も考えていませんでした。
ん~、何がいいんでしょう。。
私が純さんにしていただきたいこと・・・。
『純さんさえよろしければ、今度一緒にお出掛けしてください』
とっさにそう返信しました。
ほとんど無意識だったのではないかと思います。
送信してしまってから、にわかに心臓がバクバクいい始めました。
ちょっと大胆すぎたでしょうか。
いえいえ、それよりも断られたら立ち直れませんよ、これ・・・。
もはや背水の陣という心境。
『昨日帰宅の連絡がなかったから心配してる。無事に帰れた? 起きたらすぐに返事もらえると嬉しいな』
あわわわ、そうでした。
いつもは帰宅後すぐに純さんにご連絡するのですが、昨日は幸子さんにお話を聞いていただいたりいろいろあって、すっかり忘れてそのまま寝てしまいました。
『ご連絡遅くなってすみません。無事におうちに帰れました。ご心配ありがとうございます』
朝まだ早い時間でしたし、すぐには返信はないだろうと思っていたのですが、送信後まもなく受信通知音が聞こえてちょっとビックリしてしまいました。
タイミング的には純さんからの返信が早いこともまれにありますが・・・。
これは、本当に心配してくださっていたとうぬぼれてもいいのでしょうか。
『無事に帰れたみたいでよかった! 何かあったんじゃないかって思ってた』
まぁ、何かあったことはあったんですが・・・。
幸子さんとの会話の内容をそのままお伝えするわけにはいきませんが、ここはひとつ、少しだけ勇気を出して見ることにします。
『何かあったわけではないんですが・・・やっぱり、昨日のことでちょっともやもやして考え込んでました』
『昨日のこと?』
んー、こういう時純さんは少し鈍感です。
ホストさんだからといって、必ずしも女心や女性心理に全て精通しているわけではないんですよね。
『昨日、同伴していただけなかったことです。お約束を反故にされて、ちょっとだけすねてるんですよ』
文末に口をとがらした絵文字を入れてみました。
・・・こういう言い方はウザがられるかなぁと心配だったのですが・・・。
『あー、そのことね! 本当に助かったよ。ありがとう!』
お礼も大事ですが、一言「ごめんね」と言ってくださった方が八方丸く収まる場合もあるんですけどね。
『仕方ないですけどね。ただ、できれば何か埋め合わせをしていただけると嬉しいです』
――言ってしまいました。
幸子さんに昨日背中を押していただいたものの、自分から何かを要求するなんておこがましいのではないかとドキドキしてしまいます。
そこでやりとりが途切れてしまう可能性もあったのですが、お返事が来るまで思わず携帯の前でかしこまってしまいました。
『埋め合わせって例えば?』
幸いにもお返事はすぐに来ました。
でも、私はそこではたと困ってしまいます。
勢いでお願いしてみたはよかったんですが、“埋め合わせ”の内容を何も考えていませんでした。
ん~、何がいいんでしょう。。
私が純さんにしていただきたいこと・・・。
『純さんさえよろしければ、今度一緒にお出掛けしてください』
とっさにそう返信しました。
ほとんど無意識だったのではないかと思います。
送信してしまってから、にわかに心臓がバクバクいい始めました。
ちょっと大胆すぎたでしょうか。
いえいえ、それよりも断られたら立ち直れませんよ、これ・・・。
もはや背水の陣という心境。
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