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星の書庫

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クロムウェル

アインVS

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「いいか……?」
「えぇ……。いつでも大丈夫よ」
 物陰に隠れて言葉を交わし合うロクとシーフ。視線の先には油断しきっているアインがいた。
「よし、今だ!」
「甘いよ!」
シーフの声と共に一斉にアインに飛びかかり捕まえようとするが、気付かれていたらしく躱されてしまった。
「くっ……。キリがないな……」
「えぇ……。どうしたら捕まえられるのかしら……」
「さすがに……好きな物で釣るとかはないよなぁ……」
「……あるかもしれないわね」
シーフの何気ない一言にロクは目の色を変えた。
「本当か!?あいつの好きな物はなんだ!?」
「確か……林檎ね」
「林檎ならマーケットに売ってあるな……。二つくらい買うか?」
「そうしましょう。罠を作らないと……」
シーフ達四人は集まって、アインを捕まえるための罠を作り始めた。

 二時間して、穴を掘ってそこを隠すだけの簡易的な罠が出来上がった。
「これ……本当に捕まるのか……?」
「……多分、捕まえられるわ」
「大丈夫……です」
「僕は捕まらないと思いますけどね……」
エモの言葉に一同は項垂れるも、物は試しとアインを待ってみた。

 10分すると、アインが現れた。
「……なんでだよ」
「単純すぎるわね……」
「馬鹿……です」
「アインは馬鹿ですからね……」
アインが林檎へと近付き、手を伸ばしたその時だった。
地面が抜け、林檎と共にアインがその中に落下した。
「……なんでだよ!!罠だって分かるだろ!!」
シーフがアインの所へと歩きながら突っ込む。
「林檎があるなーと思ったら体が勝手に……」
「馬鹿ね……」
「馬鹿……です」
「アインはやっぱり馬鹿だったんですね……」
「馬鹿とは何だー!!……あっ」
呆れて馬鹿としか言えない四人にアインはムキになるが、自分の今の状況を見て、赤面する。

 アインを落とし穴から出してやった後、四人で滅茶苦茶説教した。

「それで?なんで逃げたんだ?」
「……」
アインは答えない。
「黙ってても分からないぞ?怒らないから言ってみろ」
「怒られると思ったから……」
「……」
「ひっ……」
もはや何も言えなくなって黙るシーフに、アインが怯える。
「……ごめんなさい」
これ以上は身に危険が及ぶと思ったのか、アインが謝る。
「謝るべきは俺じゃないだろ。あのおじいさんに謝らないといけなかったのに……」
「はぁい……」
「まぁ、もう過ぎた事だ。仕方ない。今度から気を付けるんだぞ?」
「分かったぞ!」 
説教が終わった途端に、シーフが持っていた林檎を奪い取り食べ始めた。

追いかけっこではシーン達が勝ったが、色々な意味でアインに負けた気がする四人であった……。
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