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真の悪役令嬢になります!⑮
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キャンベル家は、普段と変わらない朝を迎えたように見えた。使用人たちは平然といつも通りの仕事をこなしつつも、やはりどこか浮き足だっていた。
ルルは与えられたアビゲイルの部屋で朝の身支度を手伝ってもらいながら、せつなげにため息をついた。物思いにふけって、窓の外を眺め、そしてまたため息をひとつ。
「どうされましたか?」
どこか元気のないルルを心配したルイに、ルルは「何でもないわ」と笑う。だがへにゃりと下がる眉毛が弱々しくルイたちに映ったらしい。「ウソですよね?」という言葉に若干ではあるが、怒気が含まれていた。
「本当に何でもないんだけど……。んー、強いて言えば、昨夜のことをちょっと思い出しちゃって……」
おもむろに視線を落とせば、ルイたちはルルの都合のいいように察してくれる。
「わたしたちも衝撃を受けました。まさか、そんなと思う者が大多数で……」
「うん。私もまさかそんなことをしているとは思ってなくて……。いなくなった私を探してくれたのがアンジェラだったから。だから……」
じわっと涙を浮かべると、ルイたちは慌てだした。必死に励まそうとしてくれる。
「わたしたちに何か出来ることがありましたら……」
ルルは、待ってました! と歓喜をあげるのを我慢して、視線を左右に動かした。
「少しだけひとりにさせて欲しいの。一晩じゃ、頭の整理がつかなくて……」
ルイたちはそれぞれ視線を交わした。彼女たちの今、一番重要視すべきことは、アビゲイルとアンジェラが接触させないということだ。アビゲイルが屋敷に戻ってきた当初から、ふたりを近づけさせないと決められていたのだが、すでに二度も接触させてしまっている。完全なる落ち度である。汚名返上とばかりに、常にアビゲイルの側につき、目を光らせておくのが一番なのだが、頼まれてしまうとどうにかしてあげたいと思ってしまうのが彼女たちの性なのであろう。自然と妥協案を提示された。
「お部屋から出ないとお約束していただければ、わたくしどもは部屋の前で待機させていただきますが」
「本当に? ありがとう。わがままいってごめんなさいね」
ルルは両手の指を合わせて、お礼を伝えた。
では、と部屋から出ていく侍女たちを見送って、ルルは自身で髪の毛をまとめあげた。それから顔をルルに戻す。鏡で顔の出来を確認したら、侍女たちの仕事着と同じ色合いのワンピースに着替えた。先日、仕立て屋が来た時に自分で選んだ一着だ。
ドアの向こう側の様子を伺いながら、ルルはバルコニーへ続くガラス戸を開けた。孤児院の反省部屋から何度も抜け出したことのあるルルは、人の気配がないことを確かめると、部屋の近くの大木に飛び移った。するすると滑り降り、物陰に隠れる。
リネン室に向かい、本物の仕事着を手に入れると再び着替えた。
素知らぬ顔をして、屋敷の中を歩き回る。
料理場では侍女たちが、アンジェラの元へ誰が食事を届けに行くか揉めていた。いつも通りに接することに不安があるようで、押し付け合いをしている。
「私がアンジェラ様にお届けしますね」
その一言を侍女たちへ残し、ルルは侍女に成りすましてアンジェラの部屋へ向かった。
ドアを開けるとアンジェラはまだ床に座っていた。思い通りにならずにごねている小さい子と同じ姿に、ルルは笑いたくなるのを我慢する。
テーブルに朝食をセッティングし、アンジェラの手をひいて椅子に座らせた。部屋を出る際に昨夜用意したメモを落とせば、第一のミッションが達成だ。
メモを拾って見るか見ないかは完全に運任せではある。だが、ルルにはアンジェラがメモを拾う未来が見えていた。アビゲイルをなんとか貶めようとしているのは、朝になっても怒ったまま悔しがっている姿を見れば一目瞭然だった。次の一手を打つために情報を必要としているのは当然だった。それが例え、ただの指示を明記したメモだとしても、使えるものは使うであろう。
ルルは使用人たちに見つからないよう細心の注意をしながら部屋へ戻り、時がくるのを待つことにした。
遅い朝食を摂った後、にわかに屋敷の中が騒がしくなってきた。
窓の外で『アンジェラ様が消えた』と使用人たちが伝言し合っている。今日は一度婚約破棄をされたことのあるアビゲイルの顔合わせがある。新たなアビゲイルの婚約者であるフィリップ・アレンに少しでも好印象をもってもらいたいのが、使用人たちの願いである。なのに……。
使用人たちはアンジェラ探しに人員をまわすことにした。かといって、来客の準備をおろそかにするわけにはいかない。
「ねぇ?」
ルルはドアを開けて部屋の前で待機する侍女たちに声をかけた。
「ここに三人もいらないと思うから、手伝ってきたら?」
「なんのお話でしょう?」
アビゲイルに対する気遣いなのか、それともアンジェラを見張っていた仲間の侍女を守るための誤魔化しなのか。あくまでも知らないフリをする侍女たちは、顔に笑顔を張りつけていた。
ルルは両肩をちょっとだけ上げると、顔の前で窓の方を小さく指さした。
――アンジェラさまー。アンジェラさまー。
耳を傾けた侍女たちの顔がひきつる。即座に「申し訳ありません」と三人揃って頭を下げた。
「いいの。だけどフィリップ様がいらっしゃる前に何とかした方がいいんでしょ? 今ならアンジェラを探すのに使用人たちの目が厳しくなってるから、いってきてもいいと思うの」
「いえいえ。わたしたちの仕事はアビゲイル様のお手伝い兼護衛ですから!」
「でも、ここで待機しているだけでしょ? 私にだってあなたたちの気持ちがわかるんだから。同僚たちがせかせか働いているというのに自分達はただここに立っているだけ。なんだか申し訳ないなぁ、お手伝いした方がいいよなぁって思ってるでしょ?」
うっ、と侍女たちは都合の悪そうな顔をする。
「だから、行ってきていいわよ。だけどちょっとだけ心配だから、ひとりくらいは残ってね」
じゃ、と言ってルルはドアを閉めた。そして素早くドアに耳をくっつける。
侍女たちは、誰が残って、誰が行くか相談しているようだ。どのみち三人とも叱られるのは決定事項なのだから、とルルは目を細める。結局、ルルが言った通りふたりが出向き、ひとりが残ることにしたらしい。
これで、ますます動きやすくなった。
ルルは窓の外でアンジェラを探し回る使用人たちの姿を眺めながら、手首や足首をまわす。ふと、使用人たちの動きが一斉に止まり、また忙しく動き出した。
(そろそろか……)
ルルは大きく息を吸って、ドアを開けた。
「ねっねぇ! 今、庭の奥の方で薄桃色の布が揺れてた気がするの!!」
「えっ、本当ですか!?」
「ホントよ、ホント! あの辺り」
部屋の前に残されていた侍女は部屋に入ってくると、ルルが指差す方に目を細める。
「み、見当たりませんが……」
「隠れているんだもの当たり前じゃない……。でも今ならあの辺りをみんなで囲って狭めていけば、捕まえられるんじゃない?」
「そうですよね!? だけど……」
作戦には乗り気らしいが、アビゲイルを残していくのが懸念材料らしい。
「私も途中まで一緒に行くわ。アンジェラは庭にいるのだし、フィリップ様が来るのももうすぐでしょ? エントランス付近にいるから」
「わ、わかりました! では一緒に」
「ええ」
ルルはエントランスで侍女と別れると、ふらふら歩きながら階段を見上げた。アンジェラが階段からこちらを見下ろしている。
(いらっしゃーい)
ルルは不敵に微笑むと、片方の靴を脱いだ。
そして、大きく振りかぶって投げる。
アンジェラは当てられると思ったのか、両腕で顔や頭を隠した。その姿を横目に床へ寝転がる。
塔から落ちた時
力を制御して額に傷などを負うことに成功したルルは、抱き上げてくれた使用人に「アンジェラが……」と弱々しく呟いた。
ルルは与えられたアビゲイルの部屋で朝の身支度を手伝ってもらいながら、せつなげにため息をついた。物思いにふけって、窓の外を眺め、そしてまたため息をひとつ。
「どうされましたか?」
どこか元気のないルルを心配したルイに、ルルは「何でもないわ」と笑う。だがへにゃりと下がる眉毛が弱々しくルイたちに映ったらしい。「ウソですよね?」という言葉に若干ではあるが、怒気が含まれていた。
「本当に何でもないんだけど……。んー、強いて言えば、昨夜のことをちょっと思い出しちゃって……」
おもむろに視線を落とせば、ルイたちはルルの都合のいいように察してくれる。
「わたしたちも衝撃を受けました。まさか、そんなと思う者が大多数で……」
「うん。私もまさかそんなことをしているとは思ってなくて……。いなくなった私を探してくれたのがアンジェラだったから。だから……」
じわっと涙を浮かべると、ルイたちは慌てだした。必死に励まそうとしてくれる。
「わたしたちに何か出来ることがありましたら……」
ルルは、待ってました! と歓喜をあげるのを我慢して、視線を左右に動かした。
「少しだけひとりにさせて欲しいの。一晩じゃ、頭の整理がつかなくて……」
ルイたちはそれぞれ視線を交わした。彼女たちの今、一番重要視すべきことは、アビゲイルとアンジェラが接触させないということだ。アビゲイルが屋敷に戻ってきた当初から、ふたりを近づけさせないと決められていたのだが、すでに二度も接触させてしまっている。完全なる落ち度である。汚名返上とばかりに、常にアビゲイルの側につき、目を光らせておくのが一番なのだが、頼まれてしまうとどうにかしてあげたいと思ってしまうのが彼女たちの性なのであろう。自然と妥協案を提示された。
「お部屋から出ないとお約束していただければ、わたくしどもは部屋の前で待機させていただきますが」
「本当に? ありがとう。わがままいってごめんなさいね」
ルルは両手の指を合わせて、お礼を伝えた。
では、と部屋から出ていく侍女たちを見送って、ルルは自身で髪の毛をまとめあげた。それから顔をルルに戻す。鏡で顔の出来を確認したら、侍女たちの仕事着と同じ色合いのワンピースに着替えた。先日、仕立て屋が来た時に自分で選んだ一着だ。
ドアの向こう側の様子を伺いながら、ルルはバルコニーへ続くガラス戸を開けた。孤児院の反省部屋から何度も抜け出したことのあるルルは、人の気配がないことを確かめると、部屋の近くの大木に飛び移った。するすると滑り降り、物陰に隠れる。
リネン室に向かい、本物の仕事着を手に入れると再び着替えた。
素知らぬ顔をして、屋敷の中を歩き回る。
料理場では侍女たちが、アンジェラの元へ誰が食事を届けに行くか揉めていた。いつも通りに接することに不安があるようで、押し付け合いをしている。
「私がアンジェラ様にお届けしますね」
その一言を侍女たちへ残し、ルルは侍女に成りすましてアンジェラの部屋へ向かった。
ドアを開けるとアンジェラはまだ床に座っていた。思い通りにならずにごねている小さい子と同じ姿に、ルルは笑いたくなるのを我慢する。
テーブルに朝食をセッティングし、アンジェラの手をひいて椅子に座らせた。部屋を出る際に昨夜用意したメモを落とせば、第一のミッションが達成だ。
メモを拾って見るか見ないかは完全に運任せではある。だが、ルルにはアンジェラがメモを拾う未来が見えていた。アビゲイルをなんとか貶めようとしているのは、朝になっても怒ったまま悔しがっている姿を見れば一目瞭然だった。次の一手を打つために情報を必要としているのは当然だった。それが例え、ただの指示を明記したメモだとしても、使えるものは使うであろう。
ルルは使用人たちに見つからないよう細心の注意をしながら部屋へ戻り、時がくるのを待つことにした。
遅い朝食を摂った後、にわかに屋敷の中が騒がしくなってきた。
窓の外で『アンジェラ様が消えた』と使用人たちが伝言し合っている。今日は一度婚約破棄をされたことのあるアビゲイルの顔合わせがある。新たなアビゲイルの婚約者であるフィリップ・アレンに少しでも好印象をもってもらいたいのが、使用人たちの願いである。なのに……。
使用人たちはアンジェラ探しに人員をまわすことにした。かといって、来客の準備をおろそかにするわけにはいかない。
「ねぇ?」
ルルはドアを開けて部屋の前で待機する侍女たちに声をかけた。
「ここに三人もいらないと思うから、手伝ってきたら?」
「なんのお話でしょう?」
アビゲイルに対する気遣いなのか、それともアンジェラを見張っていた仲間の侍女を守るための誤魔化しなのか。あくまでも知らないフリをする侍女たちは、顔に笑顔を張りつけていた。
ルルは両肩をちょっとだけ上げると、顔の前で窓の方を小さく指さした。
――アンジェラさまー。アンジェラさまー。
耳を傾けた侍女たちの顔がひきつる。即座に「申し訳ありません」と三人揃って頭を下げた。
「いいの。だけどフィリップ様がいらっしゃる前に何とかした方がいいんでしょ? 今ならアンジェラを探すのに使用人たちの目が厳しくなってるから、いってきてもいいと思うの」
「いえいえ。わたしたちの仕事はアビゲイル様のお手伝い兼護衛ですから!」
「でも、ここで待機しているだけでしょ? 私にだってあなたたちの気持ちがわかるんだから。同僚たちがせかせか働いているというのに自分達はただここに立っているだけ。なんだか申し訳ないなぁ、お手伝いした方がいいよなぁって思ってるでしょ?」
うっ、と侍女たちは都合の悪そうな顔をする。
「だから、行ってきていいわよ。だけどちょっとだけ心配だから、ひとりくらいは残ってね」
じゃ、と言ってルルはドアを閉めた。そして素早くドアに耳をくっつける。
侍女たちは、誰が残って、誰が行くか相談しているようだ。どのみち三人とも叱られるのは決定事項なのだから、とルルは目を細める。結局、ルルが言った通りふたりが出向き、ひとりが残ることにしたらしい。
これで、ますます動きやすくなった。
ルルは窓の外でアンジェラを探し回る使用人たちの姿を眺めながら、手首や足首をまわす。ふと、使用人たちの動きが一斉に止まり、また忙しく動き出した。
(そろそろか……)
ルルは大きく息を吸って、ドアを開けた。
「ねっねぇ! 今、庭の奥の方で薄桃色の布が揺れてた気がするの!!」
「えっ、本当ですか!?」
「ホントよ、ホント! あの辺り」
部屋の前に残されていた侍女は部屋に入ってくると、ルルが指差す方に目を細める。
「み、見当たりませんが……」
「隠れているんだもの当たり前じゃない……。でも今ならあの辺りをみんなで囲って狭めていけば、捕まえられるんじゃない?」
「そうですよね!? だけど……」
作戦には乗り気らしいが、アビゲイルを残していくのが懸念材料らしい。
「私も途中まで一緒に行くわ。アンジェラは庭にいるのだし、フィリップ様が来るのももうすぐでしょ? エントランス付近にいるから」
「わ、わかりました! では一緒に」
「ええ」
ルルはエントランスで侍女と別れると、ふらふら歩きながら階段を見上げた。アンジェラが階段からこちらを見下ろしている。
(いらっしゃーい)
ルルは不敵に微笑むと、片方の靴を脱いだ。
そして、大きく振りかぶって投げる。
アンジェラは当てられると思ったのか、両腕で顔や頭を隠した。その姿を横目に床へ寝転がる。
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