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『天使と悪魔の戦いと輪廻転生』
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竜馬と「さつき」は悪魔との戦いのために魔界に向かう大天使の隊列に同行して、道案内をしてもらうことになった。
この隊を率いていた大天使は気さくな男の天使で、ラファエルと言う名前の男だった。
天使に似合わず筋骨隆々で、時々見せる筋肉を誇示する仕草は、竜馬はかつて所属していた銀河連合軍の上司だった同性愛者のアンダーソン隊長のことを思い出させるものだった。
竜馬は隊長に苦手意識を持っており、ラファエルという大天使にもアンダーソン隊長と同じ匂いがして、恐怖心に近いものを感じた。
天使族は生まれ持っての美男美女が多く、その風貌には人族にはない魅力があった。
時として天使は人を惑わし、人間の女性との恋物語が伝えられているが、ラファエルと言う大天使が竜馬に見せる笑顔と眼差しには、ぞくっとする様な特別の怪しい光が宿っているように思えた。
ラファエルは恋のシグナル、ハートを頻繁に竜馬に向かって飛ばして来た。
『周りには武装はしているが、美男美女、それに爆乳の彼女が沢山いるのに、何故?この俺(おいら)に好意を持つのだ』というのが、竜馬の素直な疑問だった。
もしかしたら、天界や冥界では美男美女は何処にでもいるので、少し変わった俺の様な風貌は、彼にはエキゾチック(exotic:味わい)に見えるのかも知れない。
迷惑な事だが、俺は、彼の恋愛対象なのかも・・・と思った。
竜馬は隙あらばラファエルという大天使が筋肉を見せびらかし、本気で同性ラブを仕掛けてくるのでは、と内心はドキドキだった。
もし、そういうことが起こったならば、どの様にして逃げるべきなのか?
真剣に思い悩みながら、この男には決して気を許して、隙を見せてはならないと強く思うのだった。
ラファエルは、好意の現れなのか?こちらから聞かなくても、これから向かう魔族との戦いの概要を、分かりやすく掻(か)い摘(つま)んで説明してくれた。
冥界軍は千人規模で大隊として編成されており、大天使ラファエルは大隊を率いる大隊長だった。
彼の能力は、その雄弁なところを見る限り、高い能力を持っていると伺い知ることができた。
既に魔族たちと戦いは小競り合いの段階から、軍団規模の衝突が避けられ無い状況にまでに発展しているということだった。
『竜馬君と言ったかね・・・何故、悪魔たちが神の領域を侵すまでに力を持ちはじめたのか、分かるかい?』と突然の質問を振られて、竜馬は答えに困っているとラファエル、自らが言葉を続けた。
『君たちだけが悪いのではないが、全宇宙に住む数多(あまた)の生き物、特に人間たちは欲を追い求めることだけに力を注いで、神への畏敬(いけい)の念と信仰心を忘れたことに原因があるのだと神々は考えている。
この宇宙には二つのパワーが鬩(せめ)ぎ合い何億年と均衡を保っていた。
全ての次元、全宇宙の過去、未来、現在に存在する総エネルギーに占めるダークエネルギー(dark energy:暗黒エネルギー)の量が増大し、それにより神々の力の源である陽のエネルギーの割合が減少し、神のパワーが弱まったことで、あらゆる時空間で、綻(ほころ)びが出来てきているのだ。
そして、その事は既に危機的状況にあるのだが、一部の神たちを除き、殆どの神たちは未だ危機感を持っていないようだ。
僕は、もう、既に神と悪魔の力の差は絶対的なものまでになっていると考えている。
神たちも、その事は薄々感じているだろうが、知らないふりをしているのさ・・・神たちは人間界に悪魔や魔物が溢れても、自分たちに災厄が降りかかることはないと考えているのだろう。
彼らには上位神や創造主がいるから、最後には助けてくれると思っているに違いない。
僕たち天使は神たちから理屈に通らない指示があっても、神たちの下僕だから、命を掛けて戦うだけだ。
僕は、この戦いで天使としての生を終えるかも知れないが、最後まで大天使としての役割を全うするつもりだ』
ラファエルは自分に確認する様に、最後の言葉とも取れる話をした。
竜馬はクローンとして生を受けて、「祈る神などいない」と、冥界で神の存在を知るまでは、神を否定して生きてきたこともあり、大天使ラファエルの言葉に考えさせられるものがあった。
ラファエルが率いていた大隊は生前に人間界で仕えた主君のために、「大義」を信じて戦い死んだ者たちや、戦いで名を残した者たちが神に認められ英霊となった者たちだった。
「エル」が言うには異星人の戦士に交じって、ジャンヌ・ダルクや宮本武蔵、それに伝説上のアーサー王やスパルタンのレオニダス、カルタゴのハンニバル、イスラムのサラディンなど地球の歴史上に名を残した錚々(そうそう)たる面々の者たちがいるとの事だった。
天界軍は神の力である神通力で作った円環に、「さつき」は魔法陣に、それぞれ乗り、竜馬は超能力という冥界には無い、未知の力で、飛行して、次元狭間の空間を進んだ。
竜馬の超能力は天界では不可思議な力による飛行と見えたのか、天界の戦士達はびっくりした様子だった。
彼らは神通力で、ワープの様に空間を曲げながら進み、魔界の入り口まで、冥界の時間で2~3週間の距離とのことだったが、冥界と下界では時間の進む速度が違うのか?驚くべき事に、下界の時間に換算すると、数十年になるということだった。
その間、竜馬と「さつき」は飲まず食わずだったが、不思議と空腹感を覚えることはなかった。
魔界の入り口には主力の冥界・天界・地獄界の三界の連合軍の各5万程の3つの軍団が、陣を構えていた。
中央はただ一神、神たちの中で戦いに参加した、荒ぶる神アレースが率いる天界の軍団が、右翼には閻魔大王の傘下にある赤や青の角を持った鬼族の軍団が陣を敷いていた。
ラファエルの大隊は遅れて来たこともあり、左翼に陣を構える混成部隊からなる冥界軍の最後尾に付くことになった。
それから暫くして、魔王ベルゼブブが率いる魔王軍が、魔界の出口が狭いこともあって、連なり湧き出すように出てくるのが見えた。
天界軍は魔王軍を待ち構えるように横陣にて待ち構えた。
それに対し、魔族は戦略がないのか?烏合の衆の様に戦場に到着した流れから、我先にと仕掛けたので、人間の戦いの様に士気を鼓舞したり、鼓や鐘などの陣触(じんぶれ)がないまま戦いが始まった。
緒戦は殺戮を好む大型魔物と血気盛んな天界の鬼族の肉弾による熾烈な戦いが繰り広げられ、やがて、魔戦士や天戦士が参戦して、火炎弾や光弾、暗黒魔法・神通力が飛び交った。
戦場は魔剣と聖剣、剣槍と盾の衝突音、戦士たちがあげる雄叫び、物音の喧騒が響き、血で血を洗う戦いが続いた。
序盤の情勢は、どの陣営も勝利への流れを掴めず一進一退になったが、次第に魔王軍に勢いが無くなり、徐々戦術に勝った天界軍が力押しする恰好になった。
その戦況を見ていた総大将、アレース神は勝利を確信したかも知れないが、この後、戦いは思いもよらない展開が待っていた。
戦況が思うように進まないことに業を煮やした魔王ベルゼブブが、自ら精鋭を率い中央突破を図ってきた。
進撃の先は大天使ルシファーの師団がいる場所だった。
ルシファーは神からの招集で、魔王軍討伐に渋々加わったが、日頃から、高慢な性格から、神と、そりが合わず、本気で戦う意思がなった。
だから、確固たる戦う意思を固める事が出来ないまま、最強ベルゼブブの矛先が、思いも寄らず自らに向かってきたため、慌てふためき腰砕けになった。
恐怖のため部下の一団を連れて、戦場での裏切り行為である敵前逃亡を図った。
そればかりか、邪魔になった天界軍の兵士も、なぎ倒しながら逃走したので、一気に戦況は悪魔軍に傾いた。
この後、ルシファーは戦場から離脱することができたが、裏切り者の烙印(らくいん)を押され天界から追放された。
後に堕天使になり、ベルゼブブが倒れた後は魔王サタンとなって、魔界に君臨することになる。
女神ペルセポネーは冥界にいて、遠く離れた三界の連合軍と悪魔軍の戦いの推移を神眼で見ていた。
この戦いで、仮に天界軍が負けて、人間界と神の領域が魔族に侵されることになっても、それは結果的に人間界で多くの悲劇を招くだろうが、上位神から見れば些細(ささい)なことだった。
それよりも、冥界の支配者ハーデースの指示があったとは言え、自らの策略で二人を戦場に送り出したこともあり気掛かりだった。
「神の実」を食べた竜馬や「さつき」が、戦いで、どの様な変化を遂げて、どの様な力が目覚めるのか?
竜馬や「さつき」に創造神となる兆候(ちょうこう)が現れないか危惧していた。
もし、そうなったら、創造主が二人を抹殺(まっさつ)するために動くことが予想されるからである。
創造神は二人がもう二度と転生することを許さないだろうから、そうならないことを女神ペルセポネーは願っていた。
上位神である女神ベルセポーネーが、何故、「さつき」の事に関心を持ち続けたのか?それには訳があった。
彼女は人として生きた時に死に別れた愛娘の生まれ変わりだった。
「さつき」は幾つかの人生と幾千の時間を重ね、輪廻転生の流れの中で、時として、ステラとして生き、そして、イレーネ姫として生きたが、ベルセポーネーは彼女が転生を繰り返す間も、我が子の魂を慈愛に満ちたまなざしで見守ってきたのである。
目を瞑れば生前の愛娘との楽しかった会話や生活、さまざまな思い出が浮かんだ。
女神に転生してからも奇跡的に生前の記憶があった。
それは、きっと誰よりも母として愛娘に対する強い思いや深愛があったからに違いない。
この隊を率いていた大天使は気さくな男の天使で、ラファエルと言う名前の男だった。
天使に似合わず筋骨隆々で、時々見せる筋肉を誇示する仕草は、竜馬はかつて所属していた銀河連合軍の上司だった同性愛者のアンダーソン隊長のことを思い出させるものだった。
竜馬は隊長に苦手意識を持っており、ラファエルという大天使にもアンダーソン隊長と同じ匂いがして、恐怖心に近いものを感じた。
天使族は生まれ持っての美男美女が多く、その風貌には人族にはない魅力があった。
時として天使は人を惑わし、人間の女性との恋物語が伝えられているが、ラファエルと言う大天使が竜馬に見せる笑顔と眼差しには、ぞくっとする様な特別の怪しい光が宿っているように思えた。
ラファエルは恋のシグナル、ハートを頻繁に竜馬に向かって飛ばして来た。
『周りには武装はしているが、美男美女、それに爆乳の彼女が沢山いるのに、何故?この俺(おいら)に好意を持つのだ』というのが、竜馬の素直な疑問だった。
もしかしたら、天界や冥界では美男美女は何処にでもいるので、少し変わった俺の様な風貌は、彼にはエキゾチック(exotic:味わい)に見えるのかも知れない。
迷惑な事だが、俺は、彼の恋愛対象なのかも・・・と思った。
竜馬は隙あらばラファエルという大天使が筋肉を見せびらかし、本気で同性ラブを仕掛けてくるのでは、と内心はドキドキだった。
もし、そういうことが起こったならば、どの様にして逃げるべきなのか?
真剣に思い悩みながら、この男には決して気を許して、隙を見せてはならないと強く思うのだった。
ラファエルは、好意の現れなのか?こちらから聞かなくても、これから向かう魔族との戦いの概要を、分かりやすく掻(か)い摘(つま)んで説明してくれた。
冥界軍は千人規模で大隊として編成されており、大天使ラファエルは大隊を率いる大隊長だった。
彼の能力は、その雄弁なところを見る限り、高い能力を持っていると伺い知ることができた。
既に魔族たちと戦いは小競り合いの段階から、軍団規模の衝突が避けられ無い状況にまでに発展しているということだった。
『竜馬君と言ったかね・・・何故、悪魔たちが神の領域を侵すまでに力を持ちはじめたのか、分かるかい?』と突然の質問を振られて、竜馬は答えに困っているとラファエル、自らが言葉を続けた。
『君たちだけが悪いのではないが、全宇宙に住む数多(あまた)の生き物、特に人間たちは欲を追い求めることだけに力を注いで、神への畏敬(いけい)の念と信仰心を忘れたことに原因があるのだと神々は考えている。
この宇宙には二つのパワーが鬩(せめ)ぎ合い何億年と均衡を保っていた。
全ての次元、全宇宙の過去、未来、現在に存在する総エネルギーに占めるダークエネルギー(dark energy:暗黒エネルギー)の量が増大し、それにより神々の力の源である陽のエネルギーの割合が減少し、神のパワーが弱まったことで、あらゆる時空間で、綻(ほころ)びが出来てきているのだ。
そして、その事は既に危機的状況にあるのだが、一部の神たちを除き、殆どの神たちは未だ危機感を持っていないようだ。
僕は、もう、既に神と悪魔の力の差は絶対的なものまでになっていると考えている。
神たちも、その事は薄々感じているだろうが、知らないふりをしているのさ・・・神たちは人間界に悪魔や魔物が溢れても、自分たちに災厄が降りかかることはないと考えているのだろう。
彼らには上位神や創造主がいるから、最後には助けてくれると思っているに違いない。
僕たち天使は神たちから理屈に通らない指示があっても、神たちの下僕だから、命を掛けて戦うだけだ。
僕は、この戦いで天使としての生を終えるかも知れないが、最後まで大天使としての役割を全うするつもりだ』
ラファエルは自分に確認する様に、最後の言葉とも取れる話をした。
竜馬はクローンとして生を受けて、「祈る神などいない」と、冥界で神の存在を知るまでは、神を否定して生きてきたこともあり、大天使ラファエルの言葉に考えさせられるものがあった。
ラファエルが率いていた大隊は生前に人間界で仕えた主君のために、「大義」を信じて戦い死んだ者たちや、戦いで名を残した者たちが神に認められ英霊となった者たちだった。
「エル」が言うには異星人の戦士に交じって、ジャンヌ・ダルクや宮本武蔵、それに伝説上のアーサー王やスパルタンのレオニダス、カルタゴのハンニバル、イスラムのサラディンなど地球の歴史上に名を残した錚々(そうそう)たる面々の者たちがいるとの事だった。
天界軍は神の力である神通力で作った円環に、「さつき」は魔法陣に、それぞれ乗り、竜馬は超能力という冥界には無い、未知の力で、飛行して、次元狭間の空間を進んだ。
竜馬の超能力は天界では不可思議な力による飛行と見えたのか、天界の戦士達はびっくりした様子だった。
彼らは神通力で、ワープの様に空間を曲げながら進み、魔界の入り口まで、冥界の時間で2~3週間の距離とのことだったが、冥界と下界では時間の進む速度が違うのか?驚くべき事に、下界の時間に換算すると、数十年になるということだった。
その間、竜馬と「さつき」は飲まず食わずだったが、不思議と空腹感を覚えることはなかった。
魔界の入り口には主力の冥界・天界・地獄界の三界の連合軍の各5万程の3つの軍団が、陣を構えていた。
中央はただ一神、神たちの中で戦いに参加した、荒ぶる神アレースが率いる天界の軍団が、右翼には閻魔大王の傘下にある赤や青の角を持った鬼族の軍団が陣を敷いていた。
ラファエルの大隊は遅れて来たこともあり、左翼に陣を構える混成部隊からなる冥界軍の最後尾に付くことになった。
それから暫くして、魔王ベルゼブブが率いる魔王軍が、魔界の出口が狭いこともあって、連なり湧き出すように出てくるのが見えた。
天界軍は魔王軍を待ち構えるように横陣にて待ち構えた。
それに対し、魔族は戦略がないのか?烏合の衆の様に戦場に到着した流れから、我先にと仕掛けたので、人間の戦いの様に士気を鼓舞したり、鼓や鐘などの陣触(じんぶれ)がないまま戦いが始まった。
緒戦は殺戮を好む大型魔物と血気盛んな天界の鬼族の肉弾による熾烈な戦いが繰り広げられ、やがて、魔戦士や天戦士が参戦して、火炎弾や光弾、暗黒魔法・神通力が飛び交った。
戦場は魔剣と聖剣、剣槍と盾の衝突音、戦士たちがあげる雄叫び、物音の喧騒が響き、血で血を洗う戦いが続いた。
序盤の情勢は、どの陣営も勝利への流れを掴めず一進一退になったが、次第に魔王軍に勢いが無くなり、徐々戦術に勝った天界軍が力押しする恰好になった。
その戦況を見ていた総大将、アレース神は勝利を確信したかも知れないが、この後、戦いは思いもよらない展開が待っていた。
戦況が思うように進まないことに業を煮やした魔王ベルゼブブが、自ら精鋭を率い中央突破を図ってきた。
進撃の先は大天使ルシファーの師団がいる場所だった。
ルシファーは神からの招集で、魔王軍討伐に渋々加わったが、日頃から、高慢な性格から、神と、そりが合わず、本気で戦う意思がなった。
だから、確固たる戦う意思を固める事が出来ないまま、最強ベルゼブブの矛先が、思いも寄らず自らに向かってきたため、慌てふためき腰砕けになった。
恐怖のため部下の一団を連れて、戦場での裏切り行為である敵前逃亡を図った。
そればかりか、邪魔になった天界軍の兵士も、なぎ倒しながら逃走したので、一気に戦況は悪魔軍に傾いた。
この後、ルシファーは戦場から離脱することができたが、裏切り者の烙印(らくいん)を押され天界から追放された。
後に堕天使になり、ベルゼブブが倒れた後は魔王サタンとなって、魔界に君臨することになる。
女神ペルセポネーは冥界にいて、遠く離れた三界の連合軍と悪魔軍の戦いの推移を神眼で見ていた。
この戦いで、仮に天界軍が負けて、人間界と神の領域が魔族に侵されることになっても、それは結果的に人間界で多くの悲劇を招くだろうが、上位神から見れば些細(ささい)なことだった。
それよりも、冥界の支配者ハーデースの指示があったとは言え、自らの策略で二人を戦場に送り出したこともあり気掛かりだった。
「神の実」を食べた竜馬や「さつき」が、戦いで、どの様な変化を遂げて、どの様な力が目覚めるのか?
竜馬や「さつき」に創造神となる兆候(ちょうこう)が現れないか危惧していた。
もし、そうなったら、創造主が二人を抹殺(まっさつ)するために動くことが予想されるからである。
創造神は二人がもう二度と転生することを許さないだろうから、そうならないことを女神ペルセポネーは願っていた。
上位神である女神ベルセポーネーが、何故、「さつき」の事に関心を持ち続けたのか?それには訳があった。
彼女は人として生きた時に死に別れた愛娘の生まれ変わりだった。
「さつき」は幾つかの人生と幾千の時間を重ね、輪廻転生の流れの中で、時として、ステラとして生き、そして、イレーネ姫として生きたが、ベルセポーネーは彼女が転生を繰り返す間も、我が子の魂を慈愛に満ちたまなざしで見守ってきたのである。
目を瞑れば生前の愛娘との楽しかった会話や生活、さまざまな思い出が浮かんだ。
女神に転生してからも奇跡的に生前の記憶があった。
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