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【アサシン:暗殺者】時の魔導士 NO4
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『これは・・・』カトリーヌは幾多の強敵が持つ魔剣や聖剣と打ち合っても刃毀れはおろか曇りすらしなかった大鎌の輝きが失われた事に驚かずにはいられなかった。
だが、その心の動揺を時の魔導士に悟られれば隙を突かれる事になる。
カトリーヌは感情をコントロールし内心とは裏腹に怯んだ様子を見せなかった。
大鎌を直ぐに神通力で修復する。
時の魔導士は近接戦では無く一定の距離を取って魔術師に似た戦いをした。
それに対し死神の闘い方は大鎌の特性から剣を持つ者の様に接近戦では無いが、それに近い間合いで、破魔の大鎌を振るい相手の命の根源を断つ戦法である。
剣に対しては有利だが、大鎌のリーチ内に時の魔導士を捉える必要があり、離れた場所からヒットアンドウエイ(一撃離脱戦法)の様な戦い方をする相手は不得手だった。
瞬間移動で切り込むが、時の魔導士はカトリーヌの攻撃を嘲笑うかの様に有り得ない動きで大鎌を躱し距離を取っては時間球攻撃をして来る。
互いに最強と言われる死神と時の魔導士である。
烈しい戦いが繰り広げられたが、簡単には決着が付かなかった。
「ケッケケー、なかなかやるね・・・。
その大鎌は剣よりリーチが長いが、悲しい事にどうしても大振りになる。
それが、その武器の弱点さ・・・。」
「ふん・・・何を偉そうに講釈を垂れる。
貴様に我ら死神が何故、冥界の刺客と恐れられているか分かるまい。
この大鎌は肉を断つ得物ではない。
これからそれを見せてやる。
フフフ・・・覚悟するがいい。」
カトリーヌは、そう言うと封印している神眼を発動させた。
ブルーの瞳が、その瞬間、金色に輝いた。
神眼は魔眼と同様、超能力であるが、それだけに力量が伴わない者が、その力を手にしたら制御出来ずに遠からず気が触れるとされる。諸刃の剣の様な危険な能力である。
死神が、その力を使う時、死を司る者しか見えない物、黄泉の国から時の魔導士の核、魂に繋がる赤い生命線が顕わになる。その字の如く神の目である。
カトリーヌは大鎌に神通力を再び込めた。
神通力により大鎌は孫悟空の如意棒の如く長く伸びた。
カトリーヌは、それをそのまま上段から大鎌を時の魔導士の頭に向けて振り下ろした。
当然、時の魔導士は、これを簡単に躱し大鎌は空を切った。
だが、カトリーヌの狙いは、そこにある訳ではなかった。
大鎌で断ち切ったのは魂に繋がる赤い生命線だった。
「ウゥゥ・・・これは、貴様、何をした?」
時の魔導士は胸の刺さすような痛みを感じ胸を押さえる。
急激に意識が薄れて行くのを感じた。
『終わったか・・・』カトリーヌは黒装束の死神の戦闘服から何時もの日傘を持ったゴスロリファッションを着た少女に戻り一息付いたが、灰色の世界が戻っていない事に気が付いた。
『・・・何⁈』カトリーヌは辺りを見回すが、時間は停止したままだった。
「ケーケッケケ、ケーケッケケ、咄嗟に僕の時間を戻さなければ危なかったよ‼
やはり君達、死神には生半可な事では勝てない様だ。
僕は何故、君が時間が止まった中で動けるのかを戦いながら考えていたが、漸く、ひとつの仮定の上で成し得る事に気が付いた。
それは君の実体は別次元にあるのではないかい?
別次元にいながら何故、この次元に影響を及ぼす事が出来るのかは分からないがね。」
「それが分かったとして、それだけじゃ倒せないさ・・・」
「僕の能力は時球を飛ばすだけじゃない。
何故、僕達、時の魔導士が君達、死神の様に冥界や人間界で知られていないのが、分かるかい?
ケッケッケ・・・それはね、僕の姿を見た者に確実死を与えてきたからだよ!
そう僕達の怖さを伝える者がいなかったからだ。
分かったかね・・・じゃ、そろそろ本気で勝負を付けるとするか・・・。
死神という名に相応しく君に僕の秘奥義を見せてやる。
それじゃ行くよ!
秘奥義、『時空カッター』」
時の魔導士は奥義名をあげ、手でクロスを空間に描いた。
その瞬間、空間が裂けた。
その先には・・・ピンク色の空と色とりどりの花が咲き誇る庭園があり、椅子に座りながらも唖然とした表情を浮かべているカトリーヌが姿をあった。
数多ある異次元の一つにいるカトリーヌの気配から彼女が造った世界、彼女がいる場所を時の魔導士は探し当てたのだ。
時の魔導士は間髪を入れず時玉を掌に作り襲い掛かる。
カトリーヌが時玉により消滅させられる事を覚悟した瞬間、勝ち誇った表情を浮かべた時の魔導士の胸板に大きな穴が開いた。
「・・・・・」時の魔導士は悲鳴すら発する事が出来ず、その場に崩れ落ちた。
カトリーヌが時空間の裂け目から見たのは幻想銃を構えている凛太朗だった。
『凛太朗、時間を超越したのか・・・』
だが、その心の動揺を時の魔導士に悟られれば隙を突かれる事になる。
カトリーヌは感情をコントロールし内心とは裏腹に怯んだ様子を見せなかった。
大鎌を直ぐに神通力で修復する。
時の魔導士は近接戦では無く一定の距離を取って魔術師に似た戦いをした。
それに対し死神の闘い方は大鎌の特性から剣を持つ者の様に接近戦では無いが、それに近い間合いで、破魔の大鎌を振るい相手の命の根源を断つ戦法である。
剣に対しては有利だが、大鎌のリーチ内に時の魔導士を捉える必要があり、離れた場所からヒットアンドウエイ(一撃離脱戦法)の様な戦い方をする相手は不得手だった。
瞬間移動で切り込むが、時の魔導士はカトリーヌの攻撃を嘲笑うかの様に有り得ない動きで大鎌を躱し距離を取っては時間球攻撃をして来る。
互いに最強と言われる死神と時の魔導士である。
烈しい戦いが繰り広げられたが、簡単には決着が付かなかった。
「ケッケケー、なかなかやるね・・・。
その大鎌は剣よりリーチが長いが、悲しい事にどうしても大振りになる。
それが、その武器の弱点さ・・・。」
「ふん・・・何を偉そうに講釈を垂れる。
貴様に我ら死神が何故、冥界の刺客と恐れられているか分かるまい。
この大鎌は肉を断つ得物ではない。
これからそれを見せてやる。
フフフ・・・覚悟するがいい。」
カトリーヌは、そう言うと封印している神眼を発動させた。
ブルーの瞳が、その瞬間、金色に輝いた。
神眼は魔眼と同様、超能力であるが、それだけに力量が伴わない者が、その力を手にしたら制御出来ずに遠からず気が触れるとされる。諸刃の剣の様な危険な能力である。
死神が、その力を使う時、死を司る者しか見えない物、黄泉の国から時の魔導士の核、魂に繋がる赤い生命線が顕わになる。その字の如く神の目である。
カトリーヌは大鎌に神通力を再び込めた。
神通力により大鎌は孫悟空の如意棒の如く長く伸びた。
カトリーヌは、それをそのまま上段から大鎌を時の魔導士の頭に向けて振り下ろした。
当然、時の魔導士は、これを簡単に躱し大鎌は空を切った。
だが、カトリーヌの狙いは、そこにある訳ではなかった。
大鎌で断ち切ったのは魂に繋がる赤い生命線だった。
「ウゥゥ・・・これは、貴様、何をした?」
時の魔導士は胸の刺さすような痛みを感じ胸を押さえる。
急激に意識が薄れて行くのを感じた。
『終わったか・・・』カトリーヌは黒装束の死神の戦闘服から何時もの日傘を持ったゴスロリファッションを着た少女に戻り一息付いたが、灰色の世界が戻っていない事に気が付いた。
『・・・何⁈』カトリーヌは辺りを見回すが、時間は停止したままだった。
「ケーケッケケ、ケーケッケケ、咄嗟に僕の時間を戻さなければ危なかったよ‼
やはり君達、死神には生半可な事では勝てない様だ。
僕は何故、君が時間が止まった中で動けるのかを戦いながら考えていたが、漸く、ひとつの仮定の上で成し得る事に気が付いた。
それは君の実体は別次元にあるのではないかい?
別次元にいながら何故、この次元に影響を及ぼす事が出来るのかは分からないがね。」
「それが分かったとして、それだけじゃ倒せないさ・・・」
「僕の能力は時球を飛ばすだけじゃない。
何故、僕達、時の魔導士が君達、死神の様に冥界や人間界で知られていないのが、分かるかい?
ケッケッケ・・・それはね、僕の姿を見た者に確実死を与えてきたからだよ!
そう僕達の怖さを伝える者がいなかったからだ。
分かったかね・・・じゃ、そろそろ本気で勝負を付けるとするか・・・。
死神という名に相応しく君に僕の秘奥義を見せてやる。
それじゃ行くよ!
秘奥義、『時空カッター』」
時の魔導士は奥義名をあげ、手でクロスを空間に描いた。
その瞬間、空間が裂けた。
その先には・・・ピンク色の空と色とりどりの花が咲き誇る庭園があり、椅子に座りながらも唖然とした表情を浮かべているカトリーヌが姿をあった。
数多ある異次元の一つにいるカトリーヌの気配から彼女が造った世界、彼女がいる場所を時の魔導士は探し当てたのだ。
時の魔導士は間髪を入れず時玉を掌に作り襲い掛かる。
カトリーヌが時玉により消滅させられる事を覚悟した瞬間、勝ち誇った表情を浮かべた時の魔導士の胸板に大きな穴が開いた。
「・・・・・」時の魔導士は悲鳴すら発する事が出来ず、その場に崩れ落ちた。
カトリーヌが時空間の裂け目から見たのは幻想銃を構えている凛太朗だった。
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