61 / 67
【アサシン:暗殺者】時の魔導士 NO3
しおりを挟む
「時の魔導士が現れた。
みんな気を付けるんだ‼」
カトリーヌが注意喚起した瞬間に視界がグレー色に変わった。
明らかに先程とは違う異常現象が、この場を支配している。
『これは・・・』カトリーヌは異変に気が付いた。
自動車事故で集まった人達は動作が止まった状態で停止していた。
動く者は誰ひとりいない。車やバイク、それに風、外灯、ネオンの光さえも・・・。
凛太朗達、抗魔官も例外では無く人形の様に動きを止めていた。
「これは驚いた。どうした事なのか⁉
時間が止まった状態異常のなかで、君は動けるのかい?」
誰かがカトリーヌに話し掛けて来た。
「僕達に何用かな・・・時の魔導士さん」
「へ~え、僕の事を知っている君は徒者(ただもの)じゃないな・・・」
「僕は生死を司る死神カトリーヌ、
そして、ここにいる者達は創造主の眷属、抗魔執行官よ!
時神の配下である、あなたに狙われる理由はない。」
「やはりそうか・・・死神ならば上位神の加護がある筈だから僕の状態異常スキルが通じない訳だ。
いいだろう。死神様に敬意を払って、特別に理由を教えよう。
そこにいる男は死ぬ運命にある者を助けるという時の禁忌を破った。
彼の愚かな行為により、本来、あるべき姿の未来を変えてしまったのだ。
これ程、重大な犯罪はない。
だから僕の裁きを受けて貰わねば・・・」
「例え、それが創造主の眷属だったとしても・・・?」
「・・・そうだ」
「そこにいる凛太朗は我らの命を受けて行動したまでのこと、
それでも見逃して貰えぬなら致し方ない。
この死神カトリーヌが相手をしよう。」
カトリーヌは一瞬にして姿を黒装束に変え戦闘モードになり半端ない殺気を放った。
手には当然、破魔の大鎌が握られている。
並みの者であれば、それだけで気を失うであろう。
「時の魔導士よ!何処にいる。
さあ、姿を見せるがいい。」
カトリーヌは気配を探った。
そして、時空はおろか煩悩をも断ち切る事が出来る大鎌を振るった。
大鎌の斬撃は鎌鼬(かまいたち)の様に風の刃となり電柱を切断する。
その後に忽然と空中に浮かび姿を現したのは奇怪なピエロの格好をした小太りの男だった。
「ハハハ・・・流石は冥界の刺客を自負する者だね・・・。
僕は気が小さいんだ。その姿と大鎌を見た時、少し、パンツにおしっこをちびっちゃった。
でもね、何故、僕が支配する時間の中で、君だけが動けるのか分からないが、どんなに強くても僕の敵じゃない。
きっと君も今迄、僕と戦った強者と同じ様に・・・フフフ、後悔するだろう。」
ピエロは掌から手品をしている様に球を取り出しお手玉を始めた。
そして、掌を見せない様に隠し、再び開くと何時の間にか球は二つ三つと数が増えていった。
何処かに球を隠している訳ではなく手品、擬(もど)きではあるが、球を分裂させる技を見せた。
そして、大道芸人の様に片足になったり逆立ちをしたり曲芸をする。
カトリーヌには、時の魔導士がふざけているのかと思ったが・・・曲芸をしている魔導士には驚いた事に隙が何処にもなかった。
「キエー」突然、魔導士は奇声を発し球を投げて来た。
球は更に空中で分裂しながら迫って来た。
カトリーヌは大鎌を高速回転させる事で、球を叩き落とし防御する。
児戯に等しい技に見えたが、違った。
球は砕け散りながらも、まわりの物を塵に変えた。
「なに・・・⁉」カトリーヌは驚いた。
「驚いたかね・・ウフフ、教えてやろう。
これはただの球ではない。
時間球(ときたま)さ・・・この球に触れれば、物体はすべて塵となる。
生き物ならば百年の時飛ばしで、死んでしまう。
千年万年の時間球であれば殆どの形ある物を塵に出来る。
気が付かないかい。君が持っている鎌を見るがいい。」
カトリーヌは大鎌が刃毀(はこぼれ)している事に気が付いた。
神通力で練り上げた刃である。
破魔の大鎌は金剛石を切っても決して刃毀れする事がない。
だが、それを時の魔導士が放った時間球は無力化にしたのである。
みんな気を付けるんだ‼」
カトリーヌが注意喚起した瞬間に視界がグレー色に変わった。
明らかに先程とは違う異常現象が、この場を支配している。
『これは・・・』カトリーヌは異変に気が付いた。
自動車事故で集まった人達は動作が止まった状態で停止していた。
動く者は誰ひとりいない。車やバイク、それに風、外灯、ネオンの光さえも・・・。
凛太朗達、抗魔官も例外では無く人形の様に動きを止めていた。
「これは驚いた。どうした事なのか⁉
時間が止まった状態異常のなかで、君は動けるのかい?」
誰かがカトリーヌに話し掛けて来た。
「僕達に何用かな・・・時の魔導士さん」
「へ~え、僕の事を知っている君は徒者(ただもの)じゃないな・・・」
「僕は生死を司る死神カトリーヌ、
そして、ここにいる者達は創造主の眷属、抗魔執行官よ!
時神の配下である、あなたに狙われる理由はない。」
「やはりそうか・・・死神ならば上位神の加護がある筈だから僕の状態異常スキルが通じない訳だ。
いいだろう。死神様に敬意を払って、特別に理由を教えよう。
そこにいる男は死ぬ運命にある者を助けるという時の禁忌を破った。
彼の愚かな行為により、本来、あるべき姿の未来を変えてしまったのだ。
これ程、重大な犯罪はない。
だから僕の裁きを受けて貰わねば・・・」
「例え、それが創造主の眷属だったとしても・・・?」
「・・・そうだ」
「そこにいる凛太朗は我らの命を受けて行動したまでのこと、
それでも見逃して貰えぬなら致し方ない。
この死神カトリーヌが相手をしよう。」
カトリーヌは一瞬にして姿を黒装束に変え戦闘モードになり半端ない殺気を放った。
手には当然、破魔の大鎌が握られている。
並みの者であれば、それだけで気を失うであろう。
「時の魔導士よ!何処にいる。
さあ、姿を見せるがいい。」
カトリーヌは気配を探った。
そして、時空はおろか煩悩をも断ち切る事が出来る大鎌を振るった。
大鎌の斬撃は鎌鼬(かまいたち)の様に風の刃となり電柱を切断する。
その後に忽然と空中に浮かび姿を現したのは奇怪なピエロの格好をした小太りの男だった。
「ハハハ・・・流石は冥界の刺客を自負する者だね・・・。
僕は気が小さいんだ。その姿と大鎌を見た時、少し、パンツにおしっこをちびっちゃった。
でもね、何故、僕が支配する時間の中で、君だけが動けるのか分からないが、どんなに強くても僕の敵じゃない。
きっと君も今迄、僕と戦った強者と同じ様に・・・フフフ、後悔するだろう。」
ピエロは掌から手品をしている様に球を取り出しお手玉を始めた。
そして、掌を見せない様に隠し、再び開くと何時の間にか球は二つ三つと数が増えていった。
何処かに球を隠している訳ではなく手品、擬(もど)きではあるが、球を分裂させる技を見せた。
そして、大道芸人の様に片足になったり逆立ちをしたり曲芸をする。
カトリーヌには、時の魔導士がふざけているのかと思ったが・・・曲芸をしている魔導士には驚いた事に隙が何処にもなかった。
「キエー」突然、魔導士は奇声を発し球を投げて来た。
球は更に空中で分裂しながら迫って来た。
カトリーヌは大鎌を高速回転させる事で、球を叩き落とし防御する。
児戯に等しい技に見えたが、違った。
球は砕け散りながらも、まわりの物を塵に変えた。
「なに・・・⁉」カトリーヌは驚いた。
「驚いたかね・・ウフフ、教えてやろう。
これはただの球ではない。
時間球(ときたま)さ・・・この球に触れれば、物体はすべて塵となる。
生き物ならば百年の時飛ばしで、死んでしまう。
千年万年の時間球であれば殆どの形ある物を塵に出来る。
気が付かないかい。君が持っている鎌を見るがいい。」
カトリーヌは大鎌が刃毀(はこぼれ)している事に気が付いた。
神通力で練り上げた刃である。
破魔の大鎌は金剛石を切っても決して刃毀れする事がない。
だが、それを時の魔導士が放った時間球は無力化にしたのである。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
クレハンの涙
藤枝ゆみ太
ファンタジー
太古に栄えたクレハン王国は、広大なサルドリス大陸の中で、それはそれは栄華を極めていた。
しかし、とある出来事によって、その時代は呆気なく幕を閉じることとなったのだ。
時は進み、サルドリス大陸は第五大陸と名を変え、誰もクレハンの名を知らない時代。
一人の少女が母を探しに旅立とうとしていた。
名前は、ラビリィフェイフェグタン。
ひょんな事で出合った男、フェグと共に、母親探しと、男の記憶にある『城』を探す旅に出た。
【完結】ヒロインはラスボスがお好き
As-me.com
恋愛
完結しました。
5歳の時、誘拐されて死にかけた。
でもその時前世を思いだし、ここが乙女ゲームの世界で自分がそのヒロインに生まれ変わっていたことに気づく。
攻略対象者は双子の王子(ドSとドM)に隣国の王子(脳筋)、さらには妖精王(脳内お花畑)!
王子たちを攻略して将来は王妃様?嫌です。
それとも妖精王と恋をして世界をおさめちゃう?とんでもない。恋愛イベント?回避します!好感度?絶対上げません!むしろマイナス希望!
ライバルの悪役令嬢?親友です!断罪なんかさせるもんかぁ!
私の推しはラスボスの吸血鬼様なんだからーーーーっ!!!
大好きな親友(ライバル)と愛する吸血鬼(ラスボス)を救うため、
あらゆるフラグをへし折ろうと奮闘する、はちゃめちゃヒロインの物語。
ちょっぴり笑えるラブコメ……になったらいいな。(笑)
※第1部完結。続編始めました。
※他サイトにも掲載しております。
扉を閉めて、鍵をかけて。
ヲトブソラ
ファンタジー
死神には生命の火が消せるって言うじゃないですか。
それ、嘘ですよ。
わたしたちに火を消す権利などは無く、ただ、生命の側に行き、灯が消えるまで寄り添って、お話をする。
それがわたしのお仕事だ。
【☆完結☆】転生箱庭師は引き籠り人生を送りたい
udonlevel2
ファンタジー
昔やっていたゲームに、大型アップデートで追加されたソレは、小さな箱庭の様だった。
ビーチがあって、畑があって、釣り堀があって、伐採も出来れば採掘も出来る。
ビーチには人が軽く住めるくらいの広さがあって、畑は枯れず、釣りも伐採も発掘もレベルが上がれば上がる程、レアリティの高いものが取れる仕組みだった。
時折、海から流れつくアイテムは、ハズレだったり当たりだったり、クジを引いてる気分で楽しかった。
だから――。
「リディア・マルシャン様のスキルは――箱庭師です」
異世界転生したわたくし、リディアは――そんな箱庭を目指しますわ!
============
小説家になろうにも上げています。
一気に更新させて頂きました。
中国でコピーされていたので自衛です。
「天安門事件」
裏切られた令嬢と裏切った令息の、その後の人生
柚木ゆず
ファンタジー
子爵令嬢アンジェリーヌの幼馴染であり婚約者である、子爵令息ジェラルド。彼はある日大怪我を負って昏睡状態となってしまい、そんなジェラルドを救うためアンジェリーヌは神に祈りを捧げ始めました。
その結果アンジェリーヌの声が届き願いが叶うのですが、その代償として彼女は醜悪な姿になってしまいます。
自らを犠牲にしてまでジェラルドを助けたアンジェリーヌでしたが、その後彼女を待っていたのは婚約解消。ジェラルドは変わり果てたアンジェリーヌを気持ち悪いと感じ、自分勝手に縁を切ってしまったのでした。
そんなジェラルドは、無事に縁を切れて喜んでいましたが――
とあるおっさんのVRMMO活動記
椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。
念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。
戦闘は生々しい表現も含みます。
のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。
また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり
一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が
お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。
また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や
無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が
テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという
事もございません。
また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。
白い結婚を言い渡されたお飾り妻ですが、ダンジョン攻略に励んでいます
時岡継美
ファンタジー
初夜に旦那様から「白い結婚」を言い渡され、お飾り妻としての生活が始まったヴィクトリアのライフワークはなんとダンジョンの攻略だった。
侯爵夫人として最低限の仕事をする傍ら、旦那様にも使用人たちにも内緒でダンジョンのラスボス戦に向けて準備を進めている。
しかし実は旦那様にも何やら秘密があるようで……?
他サイトでは「お飾り妻の趣味はダンジョン攻略です」のタイトルで公開している作品を加筆修正しております。
誤字脱字報告ありがとうございます!
王太子様に婚約破棄されましたので、辺境の地でモフモフな動物達と幸せなスローライフをいたします。
なつめ猫
ファンタジー
公爵令嬢のエリーゼは、婚約者であるレオン王太子に婚約破棄を言い渡されてしまう。
二人は、一年後に、国を挙げての結婚を控えていたが、それが全て無駄に終わってしまう。
失意の内にエリーゼは、公爵家が管理している辺境の地へ引き篭もるようにして王都を去ってしまうのであった。
――そう、引き篭もるようにして……。
表向きは失意の内に辺境の地へ篭ったエリーゼは、多くの貴族から同情されていたが……。
じつは公爵令嬢のエリーゼは、本当は、貴族には向かない性格だった。
ギスギスしている貴族の社交の場が苦手だったエリーゼは、辺境の地で、モフモフな動物とスローライフを楽しむことにしたのだった。
ただ一つ、エリーゼには稀有な才能があり、それは王国で随一の回復魔法の使い手であり、唯一精霊に愛される存在であった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる