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【時の部屋:終末時計】禁忌(きんき)時の牢獄
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女神は肩まで伸びた清潔感のある髪に目がぱっちり、鼻筋が、しっかりと通った女盛(おんなざか)りという印象を与える超が付く程の美人の女神だった。
女神が着ている伝統的なキトン(衣類)はシルクの様に肌触りが良さそうで、それでいて透明感のある素材なので、彼女の透き通ったピュアな肌や形の良いバスト、それに体のラインまではっきり見て取れた。
彼女の美貌が放つオーラや異性を惹き付けるフェルモンは男を虜にする事は間違いない。人を引き付ける魔術は不要だ。
事実、タイガーは何時もの事ながら既に悩殺され鼻の下を長くして、懲りずに色目で女神を見ている。
「あら、誰かと思えば冥界の女王、ペルセポネー様の宮殿にいた死神カトリーヌじゃないの?久しぶりね。あなた最近、死神マスターになったそうね・・・おめでとう!
どんないい魂を手に入れて点数を稼いだのかしら?
今では千、万の死神兵団の支配者なんて、ああ怖い怖い。
私達、上位神の高みまで上ってくるのも時間の問題なのかな?
でも相変わらず、聖女の様な、欲望が沸かない、そのちっぱいは大きくならない様ね! ウフフ・・・」
カトリーヌの顔が、女神の言葉を聞いて引きつるのが分かった。
日傘を持つ手に力が入り震えている。
凛太朗的にはカトリーヌが恐ろしい死神である事を別にすれば、こちらも超の付く金髪の美少女に思える。だから、たとえ胸が小さくとも気にする事はないのだが・・・唯一のコンプレックスをいじられ、カトリーヌは対抗心を顕わにした。
「お姉様こそ、そろそろ、女盛りを過ぎて、とうが立つお歳じゃなくて・・・。」
「・・・あ、あんた言ったわね!」
「ホントの事を言ったまでよ!」
「あなた、やる気‼」
女神は怒りを顕わにした。
時の部屋は女神の怒りに呼応するかの様に、この世界の空間が歪み、空中に浮かんでいた大小の時計も無秩序な動きを始めた。
二人が今にも喧嘩をしそうな険悪な雰囲気になったので、凛太朗は慌ててカトリーヌを抱き上げ、これ以上、女神を怒らさない様に強引に手で口を塞いだ。
「時神様、彼女が失礼な事を言った様だ。すまない。
女性のカトリーヌには貴方の魅力が分からないのだろう。
だから、この通りだ、赦してくれ・・・」カトリーヌは口を塞がれても、もごもご未だ何かを言っているが、凛太朗は頭を下げた。
「ウフフフ、私の魅力が分かればいいわ、赦してあげる。
それより、貴方、いい男じゃない。
ここに住まない?可愛がってあげるわよ!」
「・・・・・」凛太朗は女神の冗談とも本気とも取れる誘いに戸惑った。
「その顔は?その気があるのかな・・・フフフ、その気になったら私は何時でもOKよ!
ところで、貴方はカトリーヌの従者?何用があってここに来たの?」
「これは申し遅れました。
私は創造神の下で、彼女をリーダーに抗魔執行官をしている結城凛太朗です。
こちらの彼も同僚の執行官でタイガーと言います。
以後、お見知りおきを願います。
今日、時神様を訪ねたのは私達の住む世界は異次元からの侵略により危機を迎えており、そこで、時神様のご慈悲を頂き終末時計の針を戻して頂きたく参りました」
「そう、う~ん、創造神の言う事だったら無下に断る訳にいかないわね。
でも、時を遡って歴史を変えたりする事は重大犯罪のなるのよ!あなた分かって言ってるの?
それに大いなる力が働いて時間犯罪を犯した者は抹殺される。
終末時計の針を戻す事は過去を変え、未来に影響を与える事になるから・・・。
歴史を変える事ができるのは神の力を持つ者だけ。もし、人が、そんな事をしたら大いなる力に存在を消される運命を辿る事になる。
嘗て、貴方達の世界が出来る前、全宇宙に名前を轟かせた最強の戦士がいたわ・・・。
その伝説の強戦士は愛する人を救い、魔族との戦いに終止符を打つため時間の禁忌(きんき)を破ってしまった。
その結果、愛する者を悲しませ全宇宙は崩壊、消滅する憂き目にあった。
時計台の土台にくっついているネズミ回し車を動かしている魔物がいるでしょ。
この魔物も時間の禁忌を犯した者、可哀想だから消されるところを私が助けてあげたけど・・・時間を止める能力を持っていたばかりに、魔物は、もう数千年、昼夜を問わず、『時の牢獄』でネズミ回し車を動かす刑を受けている。
時間の禁忌を破ったり週末時計の針を動かすのは、それだけ重大事、あなたに、その覚悟が出来ているなら力を貸すわ。どうなの?」
「・・・分かった。抗魔執行官になった時から覚悟はできている。
俺の命で世界が救われるなら、この命は惜しくは無い」
「ハハハ、ごめん。ごめん。脅かして貴方の反応を見たかったの・・・。
時計の針を戻す事が創造神の意思なら大いなる力の抹殺対象にはならない。
でも、それじゃ、私が面白くないから、これから出す問答を解いてくれる?
問題を解けたら挽回のために侵入者と戦える時間だけ終末時計の針を戻してあげる。
解けなければ、そうだなネズミ回し車の魔物が、くたばりそうだから代わりに働いて貰う事で手を打つわ・・・カトリーヌ聞いている? それでよければ三人で問題を解きなさい。
女神が着ている伝統的なキトン(衣類)はシルクの様に肌触りが良さそうで、それでいて透明感のある素材なので、彼女の透き通ったピュアな肌や形の良いバスト、それに体のラインまではっきり見て取れた。
彼女の美貌が放つオーラや異性を惹き付けるフェルモンは男を虜にする事は間違いない。人を引き付ける魔術は不要だ。
事実、タイガーは何時もの事ながら既に悩殺され鼻の下を長くして、懲りずに色目で女神を見ている。
「あら、誰かと思えば冥界の女王、ペルセポネー様の宮殿にいた死神カトリーヌじゃないの?久しぶりね。あなた最近、死神マスターになったそうね・・・おめでとう!
どんないい魂を手に入れて点数を稼いだのかしら?
今では千、万の死神兵団の支配者なんて、ああ怖い怖い。
私達、上位神の高みまで上ってくるのも時間の問題なのかな?
でも相変わらず、聖女の様な、欲望が沸かない、そのちっぱいは大きくならない様ね! ウフフ・・・」
カトリーヌの顔が、女神の言葉を聞いて引きつるのが分かった。
日傘を持つ手に力が入り震えている。
凛太朗的にはカトリーヌが恐ろしい死神である事を別にすれば、こちらも超の付く金髪の美少女に思える。だから、たとえ胸が小さくとも気にする事はないのだが・・・唯一のコンプレックスをいじられ、カトリーヌは対抗心を顕わにした。
「お姉様こそ、そろそろ、女盛りを過ぎて、とうが立つお歳じゃなくて・・・。」
「・・・あ、あんた言ったわね!」
「ホントの事を言ったまでよ!」
「あなた、やる気‼」
女神は怒りを顕わにした。
時の部屋は女神の怒りに呼応するかの様に、この世界の空間が歪み、空中に浮かんでいた大小の時計も無秩序な動きを始めた。
二人が今にも喧嘩をしそうな険悪な雰囲気になったので、凛太朗は慌ててカトリーヌを抱き上げ、これ以上、女神を怒らさない様に強引に手で口を塞いだ。
「時神様、彼女が失礼な事を言った様だ。すまない。
女性のカトリーヌには貴方の魅力が分からないのだろう。
だから、この通りだ、赦してくれ・・・」カトリーヌは口を塞がれても、もごもご未だ何かを言っているが、凛太朗は頭を下げた。
「ウフフフ、私の魅力が分かればいいわ、赦してあげる。
それより、貴方、いい男じゃない。
ここに住まない?可愛がってあげるわよ!」
「・・・・・」凛太朗は女神の冗談とも本気とも取れる誘いに戸惑った。
「その顔は?その気があるのかな・・・フフフ、その気になったら私は何時でもOKよ!
ところで、貴方はカトリーヌの従者?何用があってここに来たの?」
「これは申し遅れました。
私は創造神の下で、彼女をリーダーに抗魔執行官をしている結城凛太朗です。
こちらの彼も同僚の執行官でタイガーと言います。
以後、お見知りおきを願います。
今日、時神様を訪ねたのは私達の住む世界は異次元からの侵略により危機を迎えており、そこで、時神様のご慈悲を頂き終末時計の針を戻して頂きたく参りました」
「そう、う~ん、創造神の言う事だったら無下に断る訳にいかないわね。
でも、時を遡って歴史を変えたりする事は重大犯罪のなるのよ!あなた分かって言ってるの?
それに大いなる力が働いて時間犯罪を犯した者は抹殺される。
終末時計の針を戻す事は過去を変え、未来に影響を与える事になるから・・・。
歴史を変える事ができるのは神の力を持つ者だけ。もし、人が、そんな事をしたら大いなる力に存在を消される運命を辿る事になる。
嘗て、貴方達の世界が出来る前、全宇宙に名前を轟かせた最強の戦士がいたわ・・・。
その伝説の強戦士は愛する人を救い、魔族との戦いに終止符を打つため時間の禁忌(きんき)を破ってしまった。
その結果、愛する者を悲しませ全宇宙は崩壊、消滅する憂き目にあった。
時計台の土台にくっついているネズミ回し車を動かしている魔物がいるでしょ。
この魔物も時間の禁忌を犯した者、可哀想だから消されるところを私が助けてあげたけど・・・時間を止める能力を持っていたばかりに、魔物は、もう数千年、昼夜を問わず、『時の牢獄』でネズミ回し車を動かす刑を受けている。
時間の禁忌を破ったり週末時計の針を動かすのは、それだけ重大事、あなたに、その覚悟が出来ているなら力を貸すわ。どうなの?」
「・・・分かった。抗魔執行官になった時から覚悟はできている。
俺の命で世界が救われるなら、この命は惜しくは無い」
「ハハハ、ごめん。ごめん。脅かして貴方の反応を見たかったの・・・。
時計の針を戻す事が創造神の意思なら大いなる力の抹殺対象にはならない。
でも、それじゃ、私が面白くないから、これから出す問答を解いてくれる?
問題を解けたら挽回のために侵入者と戦える時間だけ終末時計の針を戻してあげる。
解けなければ、そうだなネズミ回し車の魔物が、くたばりそうだから代わりに働いて貰う事で手を打つわ・・・カトリーヌ聞いている? それでよければ三人で問題を解きなさい。
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