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拝金主義に脅かされる安全。
2.おぞましすぎるトランス医療。
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本来、性同一性障碍は男性の発症率が多い。ところが、たった十年ほどのあいだで、欧米諸国では十代の少女が男性を上回ってしまった。
――なぜなのか?
教育機関やメディアで「LGBT」が取り上げられるようになったから――だけでは、十代のFtMに限って増えている理由は説明できない。
どうあれ私は男性なので、明確なことは言えない。しかし女性たちの意見を聴くと、十代の頃の経験についてよく言及される――生理が嫌だった、胸が膨れるのが嫌だった、男性から性的な視線で見られるようになった、触られるようになった、など。
理由はここにあるのかもしれない。
欧米では、そんなFtMに「思春期ブロッカー」と呼ばれる薬が処方されている。
簡単に言えば、二次性徴を止める薬だ。正式には「リュープロレイン」と呼ばれる。内分泌攪乱物質と呼ぶべき代物であり、性徴に必要なホルモンを止める作用がある。
リュープロレインは、男性の前立腺癌治療薬として開発され、一九八五年にFDA(アメリカ食品医薬品局)から承認された。一九九五年には子宮内膜症の治療薬としても承認される。
重要なのは、性同一性障碍の治療のために承認された薬ではないところだ。しかし、十代のFtMたちの三分の一が処方されている。
リュープロレインの有害性は以前から指摘されていた。
FDAは、リュープロレインによる有害事象を二〇一九年の時点で二万五千件以上も認知していた。その60%が女性のものだ。死亡者は千五百人以上である。主な症状として、自殺願望・脳卒中・筋肉の萎縮・衰弱した骨や関節の痛みなどがある。女性たちは、そのリスクや副作用について適切に警告されていなかった。
また、リュープロレインと死亡についてFAERS(FDA有害事象報告システム)で検索すると、六千件もの有害事象がヒットする。
アメリカのKTNVニュースが独自に行なった調査では、「非常に毒性が高く、十二か月以上の使用は推奨されない」という結果が出ている。
タビストック医院でも、FtMの子供たちにこの薬が投与されていた。患者のネガティヴな思考――心理的機能・自傷願望・体型への劣等感などを改善することが期待されたのだ。しかし、何の効果もなかったと二〇二一年の初めに報告される。
それどころか、自殺願望や自傷行為の著しい増加が見られた。骨強度にも低下があったという。十二歳から服用し始めた患者の一人は、十六歳までに四回骨折していた。
しかし、アメリカやイギリスでは「思春期ブロッカー」が今でも未成年に投与されている――簡単に性徴を止められるからだ。アメリカにおけるリュープロレインの売り上げは、二〇一七年の時点で六億六千九百万ドル(七百六十億円)に達している。
当然、性別適合医療は薬だけではない。越境性差だと診断され、乳房や子宮を切り取られる子供は次々と生まれている。
今年の初め、次のツイートが私のTLに廻って来た。
「もし気に障ってしまったら申し訳ありません。けれど、何が起きているのか知られる必要があります。子供たちに起きているんです! 大勢の! ジェンダーイデオロギーの産物です。」
画像には、上半身を晒した二人のFtMが写っている。
普通、FtMの乳房切除手術では乳首を残す。男性にも乳首はあるのだ。瘢痕は出来るだけ目立たないようにする。しかし、片方の人物は、傷が閉じているにも拘わらず、紅い帯のような痕となっている。
女性の乳房は左右で形が違う。なので、胸を横一文字に切り裂けば不自然な形となる。
日本の場合、FtMの乳房切除手術は「経乳輪的乳房切除術」が一般的だ。つまり、乳輪を切開して小さな穴を作り、乳腺(乳房を作る器官)を除去する方法である。これにより、色素の強い乳輪の一部分にしか傷跡はつかず、手術の痕はほとんど残らない。
ところが "FtM", "mastectomy"(乳房切除手術)で検索すると、胸に大きな傷がある画像ばかりヒットする。乳首のない画像も多い。少なくとも英語圏では、こちらの術式の方が一般的のようだ。
技術的には、アメリカであれ日本であれ同じことができる。しかし、なぜ英語圏では、経乳輪的乳房切除術が一般的ではないのだろう。
まず考えられるのは、日本と違って保険が利かない可能性だ。日本の場合、性同一性障碍のガイドラインに沿っていれば乳房切除手術にも保険が利く。しかし、国民保健制度のないアメリカの場合、膨大な手術費用を自己負担することも多いはずだ。
一方、あるFtM/N向けのサイトには、乳首まで取る手術をあえてする理由が書かれていた。
“Top Surgery with No Nipple Grafts”
https://www.genderconfirmation.com/no-nipples/
・乳首が見えるのが嫌だから。
・乳首のある平らな胸は男性の胸に似すぎると感じてしまうから。
・乳首のないほうが性自認と一致すると感じるから。
・乳首移植の見た目が好きではないから。
・乳首があることで不快感があると訴えるから。
・本物の乳首の代わりに3Dタトゥーを希望しているから。
・乳首移植を保険で拒否され、自費で支払わなければならなくなったから。
繰り返し言うが、このサイトはFtM/N向けだ。「N」はノンバイナリーを指す――男性を自認していない者にも、このような手術が紹介されているのだ。
また、知人のFtMによれば、彼女らは瘢痕を誇らしく思っている可能性もあるという。
欧米では六月は「プライド月間」と呼ばれ、LGBTに関する催し物が行なわれている。You Tube で広告を見た人も多いだろう。
先日のこと、そんな広告の一つが問題視された。
左上には、パンプスを履く男性の足。右上には、横一文字の傷跡がついた胸を晒すFtM。中央には、そんな人々が集まる姿が描かれている。取り上げられているのは「T」ばかりで「LGB」の姿はない。
横一文字の傷がついた乳首のない胸は、「誇るべきもの」として描写されている。
日本で経乳輪的乳房切除術が一般的なのは、日本のGID当事者たちが埋没志向だからだ。
ところが、欧米諸国で増えているFtMたちは、GIDというより「トランスジェンダー」なのである。本来の性を取り戻したのではなく、「トランス男性」になったのだ。胸元の傷はその証である。
彼女らは、若気の至りで刺青を入れるように、「トランスジェンダー」として傷跡を背負っている可能性があると言うのだ。
他にも、陰茎形成手術のために腕の肉を切り取った人の画像もある。
(ショッキングな画像なので自主規制。元画像はリンク先より。https://twitter.com/smegger3/status/1529023361757609985?s=21&t=XdTYewZhivmnx-_84M5i2w )
こちらにしろ、まるで丸太の皮を剝いだような痛々しい傷がついている。
もはや、手術を求めるFtMに対して医者の手が追い付いていないのだろう。それゆえ、ドライブスルー感覚の手術が行われているのではないか。
――なぜなのか?
教育機関やメディアで「LGBT」が取り上げられるようになったから――だけでは、十代のFtMに限って増えている理由は説明できない。
どうあれ私は男性なので、明確なことは言えない。しかし女性たちの意見を聴くと、十代の頃の経験についてよく言及される――生理が嫌だった、胸が膨れるのが嫌だった、男性から性的な視線で見られるようになった、触られるようになった、など。
理由はここにあるのかもしれない。
欧米では、そんなFtMに「思春期ブロッカー」と呼ばれる薬が処方されている。
簡単に言えば、二次性徴を止める薬だ。正式には「リュープロレイン」と呼ばれる。内分泌攪乱物質と呼ぶべき代物であり、性徴に必要なホルモンを止める作用がある。
リュープロレインは、男性の前立腺癌治療薬として開発され、一九八五年にFDA(アメリカ食品医薬品局)から承認された。一九九五年には子宮内膜症の治療薬としても承認される。
重要なのは、性同一性障碍の治療のために承認された薬ではないところだ。しかし、十代のFtMたちの三分の一が処方されている。
リュープロレインの有害性は以前から指摘されていた。
FDAは、リュープロレインによる有害事象を二〇一九年の時点で二万五千件以上も認知していた。その60%が女性のものだ。死亡者は千五百人以上である。主な症状として、自殺願望・脳卒中・筋肉の萎縮・衰弱した骨や関節の痛みなどがある。女性たちは、そのリスクや副作用について適切に警告されていなかった。
また、リュープロレインと死亡についてFAERS(FDA有害事象報告システム)で検索すると、六千件もの有害事象がヒットする。
アメリカのKTNVニュースが独自に行なった調査では、「非常に毒性が高く、十二か月以上の使用は推奨されない」という結果が出ている。
タビストック医院でも、FtMの子供たちにこの薬が投与されていた。患者のネガティヴな思考――心理的機能・自傷願望・体型への劣等感などを改善することが期待されたのだ。しかし、何の効果もなかったと二〇二一年の初めに報告される。
それどころか、自殺願望や自傷行為の著しい増加が見られた。骨強度にも低下があったという。十二歳から服用し始めた患者の一人は、十六歳までに四回骨折していた。
しかし、アメリカやイギリスでは「思春期ブロッカー」が今でも未成年に投与されている――簡単に性徴を止められるからだ。アメリカにおけるリュープロレインの売り上げは、二〇一七年の時点で六億六千九百万ドル(七百六十億円)に達している。
当然、性別適合医療は薬だけではない。越境性差だと診断され、乳房や子宮を切り取られる子供は次々と生まれている。
今年の初め、次のツイートが私のTLに廻って来た。
「もし気に障ってしまったら申し訳ありません。けれど、何が起きているのか知られる必要があります。子供たちに起きているんです! 大勢の! ジェンダーイデオロギーの産物です。」
画像には、上半身を晒した二人のFtMが写っている。
普通、FtMの乳房切除手術では乳首を残す。男性にも乳首はあるのだ。瘢痕は出来るだけ目立たないようにする。しかし、片方の人物は、傷が閉じているにも拘わらず、紅い帯のような痕となっている。
女性の乳房は左右で形が違う。なので、胸を横一文字に切り裂けば不自然な形となる。
日本の場合、FtMの乳房切除手術は「経乳輪的乳房切除術」が一般的だ。つまり、乳輪を切開して小さな穴を作り、乳腺(乳房を作る器官)を除去する方法である。これにより、色素の強い乳輪の一部分にしか傷跡はつかず、手術の痕はほとんど残らない。
ところが "FtM", "mastectomy"(乳房切除手術)で検索すると、胸に大きな傷がある画像ばかりヒットする。乳首のない画像も多い。少なくとも英語圏では、こちらの術式の方が一般的のようだ。
技術的には、アメリカであれ日本であれ同じことができる。しかし、なぜ英語圏では、経乳輪的乳房切除術が一般的ではないのだろう。
まず考えられるのは、日本と違って保険が利かない可能性だ。日本の場合、性同一性障碍のガイドラインに沿っていれば乳房切除手術にも保険が利く。しかし、国民保健制度のないアメリカの場合、膨大な手術費用を自己負担することも多いはずだ。
一方、あるFtM/N向けのサイトには、乳首まで取る手術をあえてする理由が書かれていた。
“Top Surgery with No Nipple Grafts”
https://www.genderconfirmation.com/no-nipples/
・乳首が見えるのが嫌だから。
・乳首のある平らな胸は男性の胸に似すぎると感じてしまうから。
・乳首のないほうが性自認と一致すると感じるから。
・乳首移植の見た目が好きではないから。
・乳首があることで不快感があると訴えるから。
・本物の乳首の代わりに3Dタトゥーを希望しているから。
・乳首移植を保険で拒否され、自費で支払わなければならなくなったから。
繰り返し言うが、このサイトはFtM/N向けだ。「N」はノンバイナリーを指す――男性を自認していない者にも、このような手術が紹介されているのだ。
また、知人のFtMによれば、彼女らは瘢痕を誇らしく思っている可能性もあるという。
欧米では六月は「プライド月間」と呼ばれ、LGBTに関する催し物が行なわれている。You Tube で広告を見た人も多いだろう。
先日のこと、そんな広告の一つが問題視された。
左上には、パンプスを履く男性の足。右上には、横一文字の傷跡がついた胸を晒すFtM。中央には、そんな人々が集まる姿が描かれている。取り上げられているのは「T」ばかりで「LGB」の姿はない。
横一文字の傷がついた乳首のない胸は、「誇るべきもの」として描写されている。
日本で経乳輪的乳房切除術が一般的なのは、日本のGID当事者たちが埋没志向だからだ。
ところが、欧米諸国で増えているFtMたちは、GIDというより「トランスジェンダー」なのである。本来の性を取り戻したのではなく、「トランス男性」になったのだ。胸元の傷はその証である。
彼女らは、若気の至りで刺青を入れるように、「トランスジェンダー」として傷跡を背負っている可能性があると言うのだ。
他にも、陰茎形成手術のために腕の肉を切り取った人の画像もある。
(ショッキングな画像なので自主規制。元画像はリンク先より。https://twitter.com/smegger3/status/1529023361757609985?s=21&t=XdTYewZhivmnx-_84M5i2w )
こちらにしろ、まるで丸太の皮を剝いだような痛々しい傷がついている。
もはや、手術を求めるFtMに対して医者の手が追い付いていないのだろう。それゆえ、ドライブスルー感覚の手術が行われているのではないか。
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