87 / 106
拝金主義に脅かされる安全。
1.量産される「トランスジェンダー」の子供。
しおりを挟む
「トランスジェンダー」にされる子供について先の章では少し述べた。
だが、これらは事例は氷山の一角に過ぎない。越境性差の未成年は量産体制に入っている。
アメリカのジャーナリスト・アビゲイル゠シュリアーによれば、性別を変えたがる十代の少女が、イギリスでは十年間で「4400%も」増えたという。
『アビゲイル゠シュリアー:トランス活動家に挑むことで、私は公共の敵No.1になった』
https://www.telegraph.co.uk/women/life/abigail-shrier-taking-trans-lobby-has-made-public-enemy-no-1/
桁が一つ多い――のではない。
元々、性別違和と診断される人々は全人口の0.01%だった。ほとんどが男児であり、二歳か四歳頃から症状は始まっていた(ちなみに日本の場合、性同一性障碍の発生率は男性3:女性1ほどだ)。ましてや二〇一二年より前は、十一歳から二十一歳の女性が性同一性障碍を発症した事例はなかったという。
未成年の性別違和を診察するイングランド唯一の病院がタビストック医院だ。二〇〇九年には、この病院を診察する子供は九十七人だった。しかし、十年間で二千人以上も増加する。二〇一七年には千四百人の少女が紹介された。
アメリカでは、性別適合手術を受ける女性の数が二〇一六年から二〇一七年にかけて四倍となる――女性が男性を上回ったのだ。
Daily mail 紙は、イギリスの越境性差支援団体「トランスジェンダー゠トレンド」を取材した。この団体には、越境性差の子供を持つ親から助けを求める声が毎週のように寄せられているという。
https://www.dailymail.co.uk/news/article-5027927/amp/NHS-pressured-kids-change-sex.html
「トランスジェンダー゠トレンド」の運営者・ステファニー゠アライデイヴィスはこう語る。
「過去二年間で百人以上の親から連絡を受けたと思います。NHS(イギリス国民保健サービス)のカウンセラーやセラピストは、性別違和を訴える子供にジェンダー゠クリニックへの予約をすぐ勧めています。そのことを親御さんたちは深く心配しているのです。」
The Mail on Sunday のインタビューでは、イギリス・ブリストル王立病院の顧問精神科医であるルーシー゠グリフィン博士がこう語っている。
「性別違和を訴える患者は、深刻な精神疾患を抱えているにも拘わらず、性別適合医療のための薬を投与されています。NHSは、差別主義者だと非難されることを恐れて、治療の要求に反対しません。子供たちに投与される薬は、不妊症や骨粗鬆症を引き起こし、性的機能障碍を引き起こす可能性があります。」
The Mail on Sunday 紙は、匿名で話したいという親から多くの連絡を受け取っている。
ロンドン西南部に住む女性は、二年前に起きた出来事について語った。
当時、彼女の娘は十五歳だった。ある日、緊急の面談を求める電話が学校から来る。曰く、「自分は間違った身体に閉じ込められている」と娘が主張したのだという。
学校は、NHSの児童思春期精神保健サービスにこの少女を照会する。最初、彼女には鬱病の傾向があると診断されていた。やがて、NHSの「ファミリー゠セラピスト」へと診察は引き継がれる。そして、四十分の診察の後、ジェンダー゠クリニックへの照会が決定された。
しかし、母親は診察にストップをかける。
というのは、友人のゲイから娘はオルグされたのではないかと疑ったからだ。そのゲイと娘は、何百通ものメッセージをインスタグラムで交わしていた。彼は、女性として生まれた娘を「醜い」と非難し、胸を隠すように言い、男性ホルモンを摂取するように勧めていたという。
だが、セラピストはこの言葉を「ジョーク」として一蹴してしまう。
「私は十五年前から娘を知っています。彼は四十分しか娘と会っていないのに、子供のことを何でも知っていると思っていて、男の子になりたがっていることを盲目的に受け入れています。」
しかし、母親の言葉は受け入れられなかった。最終的に娘はジェンダー゠クリニックに照会され、オンラインで注文した男性ホルモンの服用を開始する。
未成年の越境を学校が推進する事例は多い。
二〇二一年十一月――カリフォルニア教員協会で行なわれていた会議の音声ファイルが流出した。流出させたのは、レベッカ゠マーフィーという人物だ。
マーフィーは、十月後半に開催された教員組合の会議に出席し、内容を聴いて愕然とする。そこでは、生徒をLGBTQにする議論が行なわれていた。
https://naturalnews.com/2021-11-24-california-teachers-groom-recruit-students-lgbtq-cult-clubs.html
彼らの手法は、生徒たちのグーグル検索・インターネット閲覧記録・廊下での会話などを監視し、六年生を標的に絞って「ゲイ゠ストレート゠アライランス」などのLGBTQクラブに勧誘することだった。
越境性差の生徒が望む代名詞(彼/彼女など)を拒否する親をどう扱うかも議論されていた。教員の中には、応じない親を児童虐待で逮捕・起訴することを提案する者もいたという。
カリフォルニア州サリナスのブエナ゠ヴィスタ中学校の二人の教師は、LGBT教育を心配する保護者を嘲笑っていた。
そんなブエナ゠ヴィスタ中学校では、昨年、「ゲイ゠ストレート゠アライランス」に勧誘された十二歳の少女が「トランスジェンダー」として扱われたという事件が起きている。
被害者の少女は、「自分は両性愛者かもしれない」と小学六年生のとき母親に打ち明けていた。ところが七年生の中盤に差し掛かったとき、母親は学校から呼び出される。そして、「あなたの娘さんは流動性自認です」と教師に打ち明けられたのだ。
前にも説明した通り、流動性自認とは、時間によって性自認が変わる人のことだ。科学的根拠はない。
このとき既に、娘は学校で男性の名前で呼ばれており、周囲には he/him/his と呼ぶよう指導されており、トイレは性中立トイレを使っていた。
突然のことに母親はショックを受ける。ところが、娘を「彼女は」「彼女が」と呼び続ける母親に対し、「子供に対してサポートをしていない」と教師たちは露骨に怒りを表した。
この学校では、「ゲイ゠ストレート゠アライランス」は「公平クラブ」という名前で活動していた。被害者の少女は「公平クラブ」で顧問教師と昼食を摂っているとき、「あなたは越境性差ではないか」と言われたのだ。そして、それを信じるようになった。
面談から数日後、両親の家に警察がやって来る。そして、「児童保護サービス機関から通報があった」と説明した。警察官は、二人の子供に対して「母親から離れたいか」と尋ねたという。
警察の指導に従い、母親は娘を児童保護課の職員と面談させる。幸いにも、児童保護課は特別な対応は不要だと感じたようだ。
この問題について話し合うため、母親は何度も学校と面談を重ねた。そんな中、新たな事実を知らされる。娘は、自殺に関する情報を調べていたのだ。そのことを学校側は知っていたのだが、保護者には知らせずにいた。
二〇二一年の十二月十六日に行なわれた公聴会で、母親はこう演説する。
「あんな教師を採用して、自分たちは何も間違っていないという顔をよくしていられますね? あの人たちが何をしたと思ってるんですか? 娘が自殺を考えてただなんて、私には知らされていなかった!」
「あの教師は精神医学の資格を持ってるんですか!? あなた達は、娘の個人的な書類を、性別を、名前を、Eメールを書き替えました。でもね、娘は蜂アレルギーなんですよ! あなたがたは、医療記録にあった娘の名前まで、あろうことか変更してしまった! どうやって医療情報を管理するんですか!」
https://twitter.com/yousayblah/status/1473827915683049475?s=21&t=uej-Y_2IRgThbYQaU4U3EA
現在、十四歳になった娘は別の学校に通っている。名前も代名詞も女性のものだ。男性の名前や代名詞でなくとも本当にいいのかと問うと、「あの人たちは悪い人だったの」と娘は答えているという。
このようなことが死につながる事例もある。
二〇二〇年には、同じくカリフォルニア州で、「娘の鬱病を適切に治療する代わりに、男性への移行を強要して自殺に追い込んだ」として、遺族が学校を告訴する事件が起きた。
https://www.dailymail.co.uk/news/article-10612285/California-mom-claims-LA-school-encouraged-daughter-transition-blame-suicide.html
原告の名前はアンドリュー゠マルティネス――四人の子供の母親だった。三人いる娘のうち、自殺した少女は「家の中では女の子らしい女の子」だったという。幼い頃から、プリンセスの格好をしたり、幼稚園で好きな男の子の話をしていたりしていた。
しかし、中学校に入ると容姿のことで苛められる。中学二年生の頃には鬱病の症状が出ていた。
そして、十五、六歳の頃から性別違和を抱き始める。きっかけは、女性に恋をしたことだった。やがて、彼女はLGBTQグループに接近する。そこで、「自分が男の子だと感じないから落ち着かないんじゃないか」と年上の少女から言われたのだ。
やがて娘は、男性として扱われたがるようになる。男性の名前で呼ばれたがり、髪を短くしたがり、男性の服を欲しがったりしだした。そんな娘を母親も最初は手助けしていたという。
しかし、性別違和の原因は鬱病ではないかと母親は疑っていた。
中学二年生のとき、精神向上薬の過剰摂取を娘は試みていた。髪を短くした直後には、高速道路付近の橋から飛び降りようとして社会福祉士の注意を惹いた。
このことは、学校にも何度も相談したという。しかし、LGBTQ団体も学校も、鬱病の治療の代わりにホルモン剤の服用と性別適合手術を娘に勧める。
当然、母親は渋った。すると、LGBTQ団体は、「ホルモン治療の費用を国が出してくれるのは里親の場合だけだ」と娘に言ってくる。
やがて、越境性差の友人とその両親が娘を指導し、二〇一六年の七月に娘を家出させる。そして、母親に顔をひっぱたかれたと児童家庭福祉局に話した。結果、娘は里親に預けられ、母親は監視付きで短期間しか会えなくなってしまった。
二〇一九年――娘は支援施設に送られたが、再び薬の過剰摂取を起こして入院する。その頃になると、娘は短い髪をエクステで隠したがっていたという。
そうして九月――鉄道自殺をしてしまう。
何度か述べた通り、越境性差と診断される子供の中には、発達障碍や鬱病などの神経的多様性が報告される事例が多い。
昨年の六月には、未成年の越境性差の自殺率が急上昇しているという研究を、アメリカ・ヘリテージ教育政策センターの上級研究員・ジェイ゠P゠グリーンが発表した。
https://www.worldtribune.com/reports-schools-transgenderism-push-has-suicidal-side-effects/
アメリカの場合、親が同意せずとも未成年が性別違和を治療できる州もある。
グリーン博士によれば、そんな州では、二〇一〇年から二〇二〇年にかけて、十二歳から二十三歳の自殺率が十万人あたり一・六人も増えたという。それ以前は、他の州とは自殺率に差がなかった。
だが、これらは事例は氷山の一角に過ぎない。越境性差の未成年は量産体制に入っている。
アメリカのジャーナリスト・アビゲイル゠シュリアーによれば、性別を変えたがる十代の少女が、イギリスでは十年間で「4400%も」増えたという。
『アビゲイル゠シュリアー:トランス活動家に挑むことで、私は公共の敵No.1になった』
https://www.telegraph.co.uk/women/life/abigail-shrier-taking-trans-lobby-has-made-public-enemy-no-1/
桁が一つ多い――のではない。
元々、性別違和と診断される人々は全人口の0.01%だった。ほとんどが男児であり、二歳か四歳頃から症状は始まっていた(ちなみに日本の場合、性同一性障碍の発生率は男性3:女性1ほどだ)。ましてや二〇一二年より前は、十一歳から二十一歳の女性が性同一性障碍を発症した事例はなかったという。
未成年の性別違和を診察するイングランド唯一の病院がタビストック医院だ。二〇〇九年には、この病院を診察する子供は九十七人だった。しかし、十年間で二千人以上も増加する。二〇一七年には千四百人の少女が紹介された。
アメリカでは、性別適合手術を受ける女性の数が二〇一六年から二〇一七年にかけて四倍となる――女性が男性を上回ったのだ。
Daily mail 紙は、イギリスの越境性差支援団体「トランスジェンダー゠トレンド」を取材した。この団体には、越境性差の子供を持つ親から助けを求める声が毎週のように寄せられているという。
https://www.dailymail.co.uk/news/article-5027927/amp/NHS-pressured-kids-change-sex.html
「トランスジェンダー゠トレンド」の運営者・ステファニー゠アライデイヴィスはこう語る。
「過去二年間で百人以上の親から連絡を受けたと思います。NHS(イギリス国民保健サービス)のカウンセラーやセラピストは、性別違和を訴える子供にジェンダー゠クリニックへの予約をすぐ勧めています。そのことを親御さんたちは深く心配しているのです。」
The Mail on Sunday のインタビューでは、イギリス・ブリストル王立病院の顧問精神科医であるルーシー゠グリフィン博士がこう語っている。
「性別違和を訴える患者は、深刻な精神疾患を抱えているにも拘わらず、性別適合医療のための薬を投与されています。NHSは、差別主義者だと非難されることを恐れて、治療の要求に反対しません。子供たちに投与される薬は、不妊症や骨粗鬆症を引き起こし、性的機能障碍を引き起こす可能性があります。」
The Mail on Sunday 紙は、匿名で話したいという親から多くの連絡を受け取っている。
ロンドン西南部に住む女性は、二年前に起きた出来事について語った。
当時、彼女の娘は十五歳だった。ある日、緊急の面談を求める電話が学校から来る。曰く、「自分は間違った身体に閉じ込められている」と娘が主張したのだという。
学校は、NHSの児童思春期精神保健サービスにこの少女を照会する。最初、彼女には鬱病の傾向があると診断されていた。やがて、NHSの「ファミリー゠セラピスト」へと診察は引き継がれる。そして、四十分の診察の後、ジェンダー゠クリニックへの照会が決定された。
しかし、母親は診察にストップをかける。
というのは、友人のゲイから娘はオルグされたのではないかと疑ったからだ。そのゲイと娘は、何百通ものメッセージをインスタグラムで交わしていた。彼は、女性として生まれた娘を「醜い」と非難し、胸を隠すように言い、男性ホルモンを摂取するように勧めていたという。
だが、セラピストはこの言葉を「ジョーク」として一蹴してしまう。
「私は十五年前から娘を知っています。彼は四十分しか娘と会っていないのに、子供のことを何でも知っていると思っていて、男の子になりたがっていることを盲目的に受け入れています。」
しかし、母親の言葉は受け入れられなかった。最終的に娘はジェンダー゠クリニックに照会され、オンラインで注文した男性ホルモンの服用を開始する。
未成年の越境を学校が推進する事例は多い。
二〇二一年十一月――カリフォルニア教員協会で行なわれていた会議の音声ファイルが流出した。流出させたのは、レベッカ゠マーフィーという人物だ。
マーフィーは、十月後半に開催された教員組合の会議に出席し、内容を聴いて愕然とする。そこでは、生徒をLGBTQにする議論が行なわれていた。
https://naturalnews.com/2021-11-24-california-teachers-groom-recruit-students-lgbtq-cult-clubs.html
彼らの手法は、生徒たちのグーグル検索・インターネット閲覧記録・廊下での会話などを監視し、六年生を標的に絞って「ゲイ゠ストレート゠アライランス」などのLGBTQクラブに勧誘することだった。
越境性差の生徒が望む代名詞(彼/彼女など)を拒否する親をどう扱うかも議論されていた。教員の中には、応じない親を児童虐待で逮捕・起訴することを提案する者もいたという。
カリフォルニア州サリナスのブエナ゠ヴィスタ中学校の二人の教師は、LGBT教育を心配する保護者を嘲笑っていた。
そんなブエナ゠ヴィスタ中学校では、昨年、「ゲイ゠ストレート゠アライランス」に勧誘された十二歳の少女が「トランスジェンダー」として扱われたという事件が起きている。
被害者の少女は、「自分は両性愛者かもしれない」と小学六年生のとき母親に打ち明けていた。ところが七年生の中盤に差し掛かったとき、母親は学校から呼び出される。そして、「あなたの娘さんは流動性自認です」と教師に打ち明けられたのだ。
前にも説明した通り、流動性自認とは、時間によって性自認が変わる人のことだ。科学的根拠はない。
このとき既に、娘は学校で男性の名前で呼ばれており、周囲には he/him/his と呼ぶよう指導されており、トイレは性中立トイレを使っていた。
突然のことに母親はショックを受ける。ところが、娘を「彼女は」「彼女が」と呼び続ける母親に対し、「子供に対してサポートをしていない」と教師たちは露骨に怒りを表した。
この学校では、「ゲイ゠ストレート゠アライランス」は「公平クラブ」という名前で活動していた。被害者の少女は「公平クラブ」で顧問教師と昼食を摂っているとき、「あなたは越境性差ではないか」と言われたのだ。そして、それを信じるようになった。
面談から数日後、両親の家に警察がやって来る。そして、「児童保護サービス機関から通報があった」と説明した。警察官は、二人の子供に対して「母親から離れたいか」と尋ねたという。
警察の指導に従い、母親は娘を児童保護課の職員と面談させる。幸いにも、児童保護課は特別な対応は不要だと感じたようだ。
この問題について話し合うため、母親は何度も学校と面談を重ねた。そんな中、新たな事実を知らされる。娘は、自殺に関する情報を調べていたのだ。そのことを学校側は知っていたのだが、保護者には知らせずにいた。
二〇二一年の十二月十六日に行なわれた公聴会で、母親はこう演説する。
「あんな教師を採用して、自分たちは何も間違っていないという顔をよくしていられますね? あの人たちが何をしたと思ってるんですか? 娘が自殺を考えてただなんて、私には知らされていなかった!」
「あの教師は精神医学の資格を持ってるんですか!? あなた達は、娘の個人的な書類を、性別を、名前を、Eメールを書き替えました。でもね、娘は蜂アレルギーなんですよ! あなたがたは、医療記録にあった娘の名前まで、あろうことか変更してしまった! どうやって医療情報を管理するんですか!」
https://twitter.com/yousayblah/status/1473827915683049475?s=21&t=uej-Y_2IRgThbYQaU4U3EA
現在、十四歳になった娘は別の学校に通っている。名前も代名詞も女性のものだ。男性の名前や代名詞でなくとも本当にいいのかと問うと、「あの人たちは悪い人だったの」と娘は答えているという。
このようなことが死につながる事例もある。
二〇二〇年には、同じくカリフォルニア州で、「娘の鬱病を適切に治療する代わりに、男性への移行を強要して自殺に追い込んだ」として、遺族が学校を告訴する事件が起きた。
https://www.dailymail.co.uk/news/article-10612285/California-mom-claims-LA-school-encouraged-daughter-transition-blame-suicide.html
原告の名前はアンドリュー゠マルティネス――四人の子供の母親だった。三人いる娘のうち、自殺した少女は「家の中では女の子らしい女の子」だったという。幼い頃から、プリンセスの格好をしたり、幼稚園で好きな男の子の話をしていたりしていた。
しかし、中学校に入ると容姿のことで苛められる。中学二年生の頃には鬱病の症状が出ていた。
そして、十五、六歳の頃から性別違和を抱き始める。きっかけは、女性に恋をしたことだった。やがて、彼女はLGBTQグループに接近する。そこで、「自分が男の子だと感じないから落ち着かないんじゃないか」と年上の少女から言われたのだ。
やがて娘は、男性として扱われたがるようになる。男性の名前で呼ばれたがり、髪を短くしたがり、男性の服を欲しがったりしだした。そんな娘を母親も最初は手助けしていたという。
しかし、性別違和の原因は鬱病ではないかと母親は疑っていた。
中学二年生のとき、精神向上薬の過剰摂取を娘は試みていた。髪を短くした直後には、高速道路付近の橋から飛び降りようとして社会福祉士の注意を惹いた。
このことは、学校にも何度も相談したという。しかし、LGBTQ団体も学校も、鬱病の治療の代わりにホルモン剤の服用と性別適合手術を娘に勧める。
当然、母親は渋った。すると、LGBTQ団体は、「ホルモン治療の費用を国が出してくれるのは里親の場合だけだ」と娘に言ってくる。
やがて、越境性差の友人とその両親が娘を指導し、二〇一六年の七月に娘を家出させる。そして、母親に顔をひっぱたかれたと児童家庭福祉局に話した。結果、娘は里親に預けられ、母親は監視付きで短期間しか会えなくなってしまった。
二〇一九年――娘は支援施設に送られたが、再び薬の過剰摂取を起こして入院する。その頃になると、娘は短い髪をエクステで隠したがっていたという。
そうして九月――鉄道自殺をしてしまう。
何度か述べた通り、越境性差と診断される子供の中には、発達障碍や鬱病などの神経的多様性が報告される事例が多い。
昨年の六月には、未成年の越境性差の自殺率が急上昇しているという研究を、アメリカ・ヘリテージ教育政策センターの上級研究員・ジェイ゠P゠グリーンが発表した。
https://www.worldtribune.com/reports-schools-transgenderism-push-has-suicidal-side-effects/
アメリカの場合、親が同意せずとも未成年が性別違和を治療できる州もある。
グリーン博士によれば、そんな州では、二〇一〇年から二〇二〇年にかけて、十二歳から二十三歳の自殺率が十万人あたり一・六人も増えたという。それ以前は、他の州とは自殺率に差がなかった。
0
お気に入りに追加
52
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/contemporary.png?id=0dd465581c48dda76bd4)
体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/horror.png?id=d742d2f035dd0b8efefe)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる