「LGBT」というレッテルを貼られて。

千石杏香

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運動に踏みにじられたレズビアン。

1.レズビアンを自称する男たち。

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性別の定義が変わった国では、同性愛者の定義も変わった。

レイプ犯であるにも拘わらず女子刑務所に送られている男や、女子スポーツに出てメダルをさらっている男――彼らは「レズビアン」を自称している。

女子水泳で新記録を次々と打ち出している「トランス女性」・リア゠トーマスもそうだ。彼は女性しか愛せないので「レズビアン」だという。

先月二十三日には、アメリカのレズビアン雑誌『プライド』の表紙を「トランス女性」が飾った。


彼――エミリー゠ブリッジズは自転車競技の選手だ。大学選手権(男子の部)で金メダルを獲得した人物でもある。そんな彼は、今、女子の部に出ることを狙っている。

女子競技で無双したい。しかし男性は好きではない。だから「レズビアン」を自称しているのだ。

「L」にとって溜まったものではない。性的少数者である以前に彼女たちも女性だ――男性から性的な眼差しに晒されてきたのだし、男性と比べて低い賃金しか得られなかったのだし、男女別スペースや男女別競技によって権利を守られてきた。

そんな経験が自称レズビアンにはあるのだろうか?

自称する性を認めることは、それらの事実も見えなくさせてしまうことでもある。

しかも、自称レズビアンの男とセックスしないレスビアンは差別主義者だとさえ言われている。

昨年・十月二十六日には英国放送協会がこの問題を取り上げた。

『トランス女性とのセックスや関係にプレッシャーを感じているレズビアンたち』
https://www.bbc.co.uk/news/uk-england-57853385.amp

インタビューを受けたレズビアンの一人は、「女性器を持つ女性にしか性的魅力を感じない」とネットで公言したという。結果、「性器フェチ」「変態」「トランス差別」と誹謗中傷を受けてしまう。もしヒトラーと彼女が同じ部屋にいたなら、迷わず彼女を絞め殺すとまで言われた。

別のレズビアンは、両性愛女性の恋人から3Pをしないかと誘われたそうだ。しかし、三人目の相手は女装した男性だった。「この人には性的魅力を感じない」と言うと、恋人は怒り出した。そして、「お前の発言は過激派のプロパガンダだ」「トランスへの暴力を煽動している」「極右団体のようだ」と罵られる。

さらに別のレズビアンは、「トランス女性」から無理やりセックスをさせられたとインタビューで答えている。彼女は、知人の「トランス女性」から何度も言い寄られていたのだが、身体が女性の人にしか興味がないと言って断っていた。しかし、酒を飲んでいた時に無理やり犯される。

記事では、レズビアン八十人に行なわれたアンケートも紹介されている。うち58%が、「トランス女性」とセックスするよう圧力や強要を受けたと回答した。実際に性交渉させられた人もいる。断れなかった理由は、「差別主義者」「TERF」と呼ばれるのが恐ろしかったためだという。

そのうち一人は、「拒否したらTERFだと公表し、職場にいられなくしてやる」と知人の「トランス女性」から言い寄られたという。当時、彼女はクィア理論に洗脳されていた。なので、男性器があっても女性なのだと自分を騙したのだ。しかし、家に招き入れ、男性器を実際に目にして気が変わる。すると、その「トランス女性」は力づくで犯してきた。

だが、そんな彼女の告発は、「全てのトランス女性をレイプ犯であるかのように仕立て上げている」「レイプ犯より悪辣だ」と批判を受けてしまう。

ヨーロッパ最大のLGBT団体「ストーンウォール」の最高責任者・ナンシー゠ケリーは、「トランス女性」との交際を拒否することは差別だと明言している。曰く、それは「有色人種や太った人、障碍者と付き合いたくない」と言うことと同じなのだそうだ。

このような事例は、英国放送協会の記事で紹介されているものばかりではない。

今年の五月、あるアメリカのレズビアンのツイートが私のTLに廻って来た。彼女は、とあるレズビアンの旅行グループに参加していたのだ。しかし、そこにいた「トランス女性」に「私は女性にしか興味がない」と言ったら追い出された。

ツイートには、その「トランス女性」の画像も載せられている。


こんな男も「女性」と言わなければならないのだ。

レズビアンは女性しか愛せない。ならば、女装した異性愛男性は、理解のある異性愛女性と付き合うべきだ。しかし、どういうわけか「トランス女性」たちはレズビアンを執拗に狙っている。中には、「遺伝的に二人の子供を作れる」「高い所に手が届く」などの理由を上げ、「定型シスレズビアンはトランスレズビアンと付き合うべきだ」と言う男もいる。

他にも、アメリカのレズビアン向け出会い系サイトでは、プロフィール画像が女装男ばかりになってしまった事例もある。


日本だったならば、このような投稿は管理人が削除するところだろう。

いや――日本も例外ではない。前にも説明したが、レズビアン向けサイトに潜入する男は多く、レズビアンたちが苦言を呈することも珍しくない。

また、"HER App Japan" というレズビアン向けアプリの公式ツイッターアカウントは、レズビアン可視化の日に次のつぶやきをしていた。

「トランス女性は女性です。トランスジェンダーのレズビアンは存在します。そして、ノンバイナリーでレズビアンというラベルを使う人も存在します。全てのレズビアンにインクルーシブであることはレズビアンの存在を脅かしません。」
https://twitter.com/hersocialappjp/status/1519250472179310594?s=21&t=J85K3_Je6qIeEbDLZrqY8w

――ノンバイナリーのレズビアンって何だ?

もし性別が自認のことであり、女性を自認していて女性に惹かれる人が「レズビアン」ならば、「ノンバイナリーのレズビアン」などいないではないか。

松岡宗嗣などは、「レズビアンがカミングアウトしたら女子トイレを使えなくなるのか?」と言い、既婚の女装男にも女子トイレを使わせろと主張している。松岡にとって、「嫁以外の裸を見たい」と言う女装男でも「女性」であり、「レズビアン」なのだ。

これに危機感を抱き、声を上げている人には、当然、同性゠両性愛レズビアン゠バイセクシュアル女性が多い。しかし、そんな彼女たちはゲイ活動家たちから陰湿な攻撃を受けている。

一方、危機感を持っているゲイもいる。

例えば、ゲイ向け雑誌の元編集長である冨田格氏は、次のようにつぶやいていた。

「僕が危惧していることは、『戸籍が男性』の人ではなく、法律的には『女性』のトランス男性ゲイが発展場を利用すると、そこは『男女』の客がいる風俗となるので摘発の対象となるのでは、ということです。」
https://twitter.com/itaru1964/status/1447475491728879616?s=21&t=J85K3_Je6qIeEbDLZrqY8w

有料ハッテン場やゲイサウナなどは、男しかいないため摘発を免れている。身体的女性がそこへ入ると、男女が乱交する場となり危うくなるだろう。

男性ホルモンを打つと、女性でも男性なみに性慾が強くなる。私の知人のFtM(女→男)などは、ホルモン治療を始めたとき、女子高生に抱きつきたい衝動をバスの中で抑えるのが大変だったという。

そう考えれば、「トランスゲイ」が有料ハッテン場に入ってくる可能性も充分に大きいだろう。

恐ろしいのは――女性に対してネチネチと粘着しているゲイ活動家たちが、冨田氏のこの指摘に対してはところだ。

誰が男で誰が女なのか――本当は彼らは分かっているのではないだろうか?
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