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今までとこれから
心のメモ帳
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朝陽と一緒に目が覚める。新しい今日が、また、はじまる。
今日は、彼らが今までをどう過ごしてきたのか、じっくりと見させてもらい、今後の課題を洗い出そう。
現在、彼らがやっていること。
やっている中で、無駄になってしまっていること。
やれるはずなのにやっていないこと。
そして、大きく分けて以上の3つに分類するのだ。
こうしておけば、無駄を省きつつ、出来ることが増える。そうすれば、より良い暮らしにつなげられるだろう。
よし!
僕は、気合を入れて起き上がった。
「おはよう」
「おはよう」
まだ、起きていない子が大半の中で、ニーナは既に起きて動き出していた。井戸から汲み上げた水が満杯に入った桶から、厨房の瓶に移す作業をしていた。
「朝が早いね。いつも1人で作業してるの?」
「ええ、ここの子はみんな夜中、良く眠れないから朝が弱いの。だから、たいていこの時間は1人ね」
「眠れないのは、ニーナも一緒じゃないの? 大丈夫?」
「大丈夫かどうかとかじゃないよ。やるか、やらないか。でしょ?」
弱弱しい微笑みだった。
かなり、無理をしている。要注意。
僕は、心のメモ帳のニーナの欄にそう記す。
「だけど、昨日は、久しぶりにぐっすり眠れた。何か、夢まで楽しかった。あれって精霊様のお力だよね。精霊様を呼べるなんてファザーは凄いね。おかげで身体が軽いんだ」
「僕は、大したことはしてないんだけどね。そう言ってもらえると嬉しいよ」
それからしばらく水汲みを2人で行っていると、次に起きてきたのは、ゴンズだった。
ゴンズはバシャっと頭に水をかぶると、犬のようにプルプルと頭を振るわせて、水と一緒に眠気を飛ばした。
「おはよう」
「ん」
「ん、お願い」
そして、ニーナから無言で桶を受け取ると、水汲みを変わる。その仕草がとても自然で、2人のいつもが垣間見えた。
無言。無表情。思いやりに溢れる。
メモ帳の新しいページのゴンズの欄に追記する。
しばらく3人でのんびりと朝の支度をしていると、サリーやドリー、年長の子たちが起きだして、それぞれに仕事を始めた。
ごく自然と、それぞれに役割があって、それぞれの役割をこなしている。そんな印象。
例えば、昨夜もそうだったけど、朝食の支度はニーナを筆頭とした料理係が中心になって、起きだした幼い子たちの面倒はサリー&ドリーが中心になって見てあげるといった感じだ。
そうこうする内、賑やかになってきたころ、年長者の中では、トマスが一番遅くに起きてきた。
僕は、気づいたことをその都度、メモ帳に追記していった。
今日は、彼らが今までをどう過ごしてきたのか、じっくりと見させてもらい、今後の課題を洗い出そう。
現在、彼らがやっていること。
やっている中で、無駄になってしまっていること。
やれるはずなのにやっていないこと。
そして、大きく分けて以上の3つに分類するのだ。
こうしておけば、無駄を省きつつ、出来ることが増える。そうすれば、より良い暮らしにつなげられるだろう。
よし!
僕は、気合を入れて起き上がった。
「おはよう」
「おはよう」
まだ、起きていない子が大半の中で、ニーナは既に起きて動き出していた。井戸から汲み上げた水が満杯に入った桶から、厨房の瓶に移す作業をしていた。
「朝が早いね。いつも1人で作業してるの?」
「ええ、ここの子はみんな夜中、良く眠れないから朝が弱いの。だから、たいていこの時間は1人ね」
「眠れないのは、ニーナも一緒じゃないの? 大丈夫?」
「大丈夫かどうかとかじゃないよ。やるか、やらないか。でしょ?」
弱弱しい微笑みだった。
かなり、無理をしている。要注意。
僕は、心のメモ帳のニーナの欄にそう記す。
「だけど、昨日は、久しぶりにぐっすり眠れた。何か、夢まで楽しかった。あれって精霊様のお力だよね。精霊様を呼べるなんてファザーは凄いね。おかげで身体が軽いんだ」
「僕は、大したことはしてないんだけどね。そう言ってもらえると嬉しいよ」
それからしばらく水汲みを2人で行っていると、次に起きてきたのは、ゴンズだった。
ゴンズはバシャっと頭に水をかぶると、犬のようにプルプルと頭を振るわせて、水と一緒に眠気を飛ばした。
「おはよう」
「ん」
「ん、お願い」
そして、ニーナから無言で桶を受け取ると、水汲みを変わる。その仕草がとても自然で、2人のいつもが垣間見えた。
無言。無表情。思いやりに溢れる。
メモ帳の新しいページのゴンズの欄に追記する。
しばらく3人でのんびりと朝の支度をしていると、サリーやドリー、年長の子たちが起きだして、それぞれに仕事を始めた。
ごく自然と、それぞれに役割があって、それぞれの役割をこなしている。そんな印象。
例えば、昨夜もそうだったけど、朝食の支度はニーナを筆頭とした料理係が中心になって、起きだした幼い子たちの面倒はサリー&ドリーが中心になって見てあげるといった感じだ。
そうこうする内、賑やかになってきたころ、年長者の中では、トマスが一番遅くに起きてきた。
僕は、気づいたことをその都度、メモ帳に追記していった。
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