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第7章
棲家
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休憩中に鸚鵡がとある果実の花の蜜を食べるのに夢中になり動かないためクレドに呼ばれたのと、遊びに来たいだけの精霊や妖精は今回は断ったためにちょっとトラブったこと以外には問題なく、花の蜜は専用の道具と容器が必要で手持ちが無いために今は採取せずトラヴァーを出た。
途中ヘンルーダの冒険ギルドに寄りギルド長にジャコウ鸚鵡を保護した事と、仮登録を済ませた。これでジャコウ鸚鵡を密猟のために狙ってトラヴァーの周辺を彷徨っている怪しい輩は居なくなるだろう。レナードの元にいる幻獣に手を出す王族や貴族は居ないからだ。
レナード達はジャコウ鸚鵡に光の中精霊と闇の精霊が離れて監視している事も知らずに自宅へと帰っていった。光の中精霊は他の属性の精霊に見つからない様にレナードの家の中には入らず、記録媒介に全属性隠密スキルをかけて鸚鵡を少し上で自動追尾させていた。一方で闇の中精霊はジャコウ鸚鵡の影に自身の分身を潜ませて監視をしていた。
そして鸚鵡の体毛の中にアルバを治した蜘蛛が誰にも気付かれない様に潜んで付いて来ていた事は、光と闇の精霊さえも気付かなかった。
今までクレドはコッコを除く鳥類兼小動物用の小屋があったものの、最近はレナードの寝室でシャンスと一緒に過ごしていた。シャンスも新しくスライムのタンザナイトが来て、同じ鳥類のジャコウ鸚鵡が来たのでクレドは小屋に戻る事になった。住居側の出入り口から入る。
《今日から此処が君達の住まいだ。今来た出入り口には自由に入ることが出来るからね。出る時は隣の部屋に私以外の人が居ない時なら出ても良い。反対側の出入り口は今はクレドしか出入り出来ない》
《ワカッタ》
《明日は幻獣士ギルドは行って登録をするからね》
一時預かり用にいつでも直ぐに使える様になっているケージにクレドと鸚鵡を入れ、ゲージの入り口は開放したままにし扉を閉めた。この小屋は隔離出来る大小様々なゲージスペースと、運動が出来る小部屋と哺育スペースがあり、将来的にはシャンスやタンザナイトも移動させたいと思っている。
翌朝ギルドへ鸚鵡を連れて行き保護幻獣の登録を済ませた。一番の好物が花の蜜で、果実は完熟している物でどちらかというと肉厚で種が大きく飲み込め無い物が好きそうだったことを報告する。但し悪用を防ぐために好物は幻獣士ギフトは幹部のみ、他のギルドはエリア長のみの極秘情報扱いにした。一部のギルド長に性格などに問題ありの人物が、一時的に就任する可能性があるための処置であった。
とりあえずはレナードが預かり、鸚鵡が望むなら他の幻獣士を探すことが出来る様に名付けはしないことにした。
「それにしてもギルド長、ジャコウ鸚鵡って噂通り綺麗な色合いですね」
「まぁそのせいで乱獲されたんだ。」
「飼育も難しかったとか?」
「魔素が少なく、飛ぶスペースのないゲージに押し込められてストレスが溜まって弱っていったんじゃないかなぁ?餌も好物を誤認していて好みじゃない物だったのもあっただろうし」
「まさか鳥型の魔鳥型だからと穀物か、逆に生肉を与えていたとかは無いですよね?」
一瞬ギルド長室が沈黙に落ちた。
「そうであって欲しくはないが、違法な手段で手に入れる輩だから否定が出来ないな」
暗い雰囲気を振り払う様に副ギルド長のアーウィンは明るく話題を変えた。
「とにかく貴重な幻獣を保護出来たんだ。これからの事を考えようぜ」
集まっていた幹部全員が同意して話しを進めていった。
途中ヘンルーダの冒険ギルドに寄りギルド長にジャコウ鸚鵡を保護した事と、仮登録を済ませた。これでジャコウ鸚鵡を密猟のために狙ってトラヴァーの周辺を彷徨っている怪しい輩は居なくなるだろう。レナードの元にいる幻獣に手を出す王族や貴族は居ないからだ。
レナード達はジャコウ鸚鵡に光の中精霊と闇の精霊が離れて監視している事も知らずに自宅へと帰っていった。光の中精霊は他の属性の精霊に見つからない様にレナードの家の中には入らず、記録媒介に全属性隠密スキルをかけて鸚鵡を少し上で自動追尾させていた。一方で闇の中精霊はジャコウ鸚鵡の影に自身の分身を潜ませて監視をしていた。
そして鸚鵡の体毛の中にアルバを治した蜘蛛が誰にも気付かれない様に潜んで付いて来ていた事は、光と闇の精霊さえも気付かなかった。
今までクレドはコッコを除く鳥類兼小動物用の小屋があったものの、最近はレナードの寝室でシャンスと一緒に過ごしていた。シャンスも新しくスライムのタンザナイトが来て、同じ鳥類のジャコウ鸚鵡が来たのでクレドは小屋に戻る事になった。住居側の出入り口から入る。
《今日から此処が君達の住まいだ。今来た出入り口には自由に入ることが出来るからね。出る時は隣の部屋に私以外の人が居ない時なら出ても良い。反対側の出入り口は今はクレドしか出入り出来ない》
《ワカッタ》
《明日は幻獣士ギルドは行って登録をするからね》
一時預かり用にいつでも直ぐに使える様になっているケージにクレドと鸚鵡を入れ、ゲージの入り口は開放したままにし扉を閉めた。この小屋は隔離出来る大小様々なゲージスペースと、運動が出来る小部屋と哺育スペースがあり、将来的にはシャンスやタンザナイトも移動させたいと思っている。
翌朝ギルドへ鸚鵡を連れて行き保護幻獣の登録を済ませた。一番の好物が花の蜜で、果実は完熟している物でどちらかというと肉厚で種が大きく飲み込め無い物が好きそうだったことを報告する。但し悪用を防ぐために好物は幻獣士ギフトは幹部のみ、他のギルドはエリア長のみの極秘情報扱いにした。一部のギルド長に性格などに問題ありの人物が、一時的に就任する可能性があるための処置であった。
とりあえずはレナードが預かり、鸚鵡が望むなら他の幻獣士を探すことが出来る様に名付けはしないことにした。
「それにしてもギルド長、ジャコウ鸚鵡って噂通り綺麗な色合いですね」
「まぁそのせいで乱獲されたんだ。」
「飼育も難しかったとか?」
「魔素が少なく、飛ぶスペースのないゲージに押し込められてストレスが溜まって弱っていったんじゃないかなぁ?餌も好物を誤認していて好みじゃない物だったのもあっただろうし」
「まさか鳥型の魔鳥型だからと穀物か、逆に生肉を与えていたとかは無いですよね?」
一瞬ギルド長室が沈黙に落ちた。
「そうであって欲しくはないが、違法な手段で手に入れる輩だから否定が出来ないな」
暗い雰囲気を振り払う様に副ギルド長のアーウィンは明るく話題を変えた。
「とにかく貴重な幻獣を保護出来たんだ。これからの事を考えようぜ」
集まっていた幹部全員が同意して話しを進めていった。
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