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第7章
発言
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アルバが話せるようになるまでに聞こえて来た念話は『人間は怖い?』『頑張ったね』という様な意味合いのものばかりだった。
それでも明確な念話が出来るものは半数にも満たない極少数だった。はっきり分かる聖獣や、片言を含め言葉になっていたのはランクまたはレベルの高い者だけで、大抵は
『人間は怖い』に恐怖に震えるイメージ、
『頑張ったね』に慰める様なイメージが伝わって来るのだった。
あまりにも皆んなから『人間は怖い』という感情が一気に伝わってきて、リオことレナードに保護される前のことを思い出して震え出してしまった。
それをやっぱり人間が怖かったからだと受け止められ、獣系の聖獣や魔獣達に慰められる様に擦り寄られた。
体を擦り付けられると保護された時の親代わりの銀狼や、レナード家の仲間達の温もりを思い出して少しずつ震えが止まってきた。
《でも!!》
話しを聞こうとするかの様に少し離れてくれた。
《僕達の棲家の森を襲った人間は怖かった。だけどリオやその仲間は優しいよ》
《人間ジャナクテ人族ダヨネ》
《竜人族ハ親切ダネ》
《エルフハ優シイネ》
《ドワーフモ》
その時の事を思い出すのか、精霊や妖精を中心に踊り出す者達がいた。
落ち着いたところで聖獣の1人が呟く。
《人間、迷イノ森荒ラス!》
《ボクラハオイマワサレタ!》
一際大きい精霊らしい光が叫ぶ。
《前はそうだったってリオが言ってた。一部の人間のせいで悪く言われた悲しいって》
《ソウナノ?》
紫色の蛇が応えてくれた。
《皇帝っていう人と、ある国の王様が強欲って言ってて、そのせいでその国の人は欲張りならないと駄目なんだって》
《他ノ国ハ違ウカ?》
《うん、たまにそういう人間もいるけど、皆んなじゃないって》
《ソンナ人間ミタコトナイ》
《あのね、迷いの森に入る人間は欲張りの人が多かったんだって。優しい人間は森が怖いから近付くことさえしないって言ってた》
《ジャア森ニ来ナイ人間ハ、ドレ位イル?》
アルバは悩んだ。森に行く人間がどれ位いるのかわからなかったから。
《分かんない。でも僕が知っている町の人はほとんどの人が普通の森さえ行ったことがないって聞いたよ》
《ニンゲンオオイ?》
《人間ハ多イゾ。力ハ弱イノニ数デ我々ニ対抗シテ来ル》
《ソシテ卑怯ナ罠ヤ道具ヲ使ッテ来ル》
《子ラヲ攫ッタリ、利用シテ来ル》
聖獣達が口惜しげに唸るように告げる。
ここに居る希少種は以前居た場所で直接的に追われたり、襲われた者は少ないが、他の種族から聞かされたり、目撃した事があった。
違う場所の変異体や光の聖獣は心や身体が傷付き、養生出来る場所に集められている。
《でも幻獣士ギルドが出来る時に変わったってリオが!》
《我等ノ精霊王様
ハ幻獣士ガ容易ニ森ヲ動キ回レル様ニナッタカラト、ココヲ教エテクレタノダゾ》
《僕はリオや仲間と一緒に攫われた幼体や卵を探して水や土の精霊王様に返したよ》
《ソレハ誠カ!》
《リオだけじゃないよ。冒険者ギルドや商業ギルドのリオが信用している人間も協力してくれて、森に帰れない個体以外の成体も返したよ》
《森ニ帰レナイジャナク、帰サナイノダロウ?》
《違うよ。リオが言うには森での生活を忘れてしまったり、親と離されて森での生活を知らない子や、体の一部が無くなって普通では暮らせない個体だって!》
《帰サナイタメニ態ト傷付けタノダロウ?》
《違うよ。リオは幻獣も治す薬師なんだ!新しい傷なら時間をかけても出来るだけ治してくれるよ!僕も治してもらったんだ!》
幻獣も治すという言葉に反応し、次々に質問されて、アルバは一生懸命答えた。
レナードは人間にしか分からない事以外はなるべく自分の幻獣達に話して聞かせていたからだ。
もちろんアルバの主観が入っていて、実際には違うことも多々あるが、レナードは良い人間だと主張は伝わり始めた。
それでも明確な念話が出来るものは半数にも満たない極少数だった。はっきり分かる聖獣や、片言を含め言葉になっていたのはランクまたはレベルの高い者だけで、大抵は
『人間は怖い』に恐怖に震えるイメージ、
『頑張ったね』に慰める様なイメージが伝わって来るのだった。
あまりにも皆んなから『人間は怖い』という感情が一気に伝わってきて、リオことレナードに保護される前のことを思い出して震え出してしまった。
それをやっぱり人間が怖かったからだと受け止められ、獣系の聖獣や魔獣達に慰められる様に擦り寄られた。
体を擦り付けられると保護された時の親代わりの銀狼や、レナード家の仲間達の温もりを思い出して少しずつ震えが止まってきた。
《でも!!》
話しを聞こうとするかの様に少し離れてくれた。
《僕達の棲家の森を襲った人間は怖かった。だけどリオやその仲間は優しいよ》
《人間ジャナクテ人族ダヨネ》
《竜人族ハ親切ダネ》
《エルフハ優シイネ》
《ドワーフモ》
その時の事を思い出すのか、精霊や妖精を中心に踊り出す者達がいた。
落ち着いたところで聖獣の1人が呟く。
《人間、迷イノ森荒ラス!》
《ボクラハオイマワサレタ!》
一際大きい精霊らしい光が叫ぶ。
《前はそうだったってリオが言ってた。一部の人間のせいで悪く言われた悲しいって》
《ソウナノ?》
紫色の蛇が応えてくれた。
《皇帝っていう人と、ある国の王様が強欲って言ってて、そのせいでその国の人は欲張りならないと駄目なんだって》
《他ノ国ハ違ウカ?》
《うん、たまにそういう人間もいるけど、皆んなじゃないって》
《ソンナ人間ミタコトナイ》
《あのね、迷いの森に入る人間は欲張りの人が多かったんだって。優しい人間は森が怖いから近付くことさえしないって言ってた》
《ジャア森ニ来ナイ人間ハ、ドレ位イル?》
アルバは悩んだ。森に行く人間がどれ位いるのかわからなかったから。
《分かんない。でも僕が知っている町の人はほとんどの人が普通の森さえ行ったことがないって聞いたよ》
《ニンゲンオオイ?》
《人間ハ多イゾ。力ハ弱イノニ数デ我々ニ対抗シテ来ル》
《ソシテ卑怯ナ罠ヤ道具ヲ使ッテ来ル》
《子ラヲ攫ッタリ、利用シテ来ル》
聖獣達が口惜しげに唸るように告げる。
ここに居る希少種は以前居た場所で直接的に追われたり、襲われた者は少ないが、他の種族から聞かされたり、目撃した事があった。
違う場所の変異体や光の聖獣は心や身体が傷付き、養生出来る場所に集められている。
《でも幻獣士ギルドが出来る時に変わったってリオが!》
《我等ノ精霊王様
ハ幻獣士ガ容易ニ森ヲ動キ回レル様ニナッタカラト、ココヲ教エテクレタノダゾ》
《僕はリオや仲間と一緒に攫われた幼体や卵を探して水や土の精霊王様に返したよ》
《ソレハ誠カ!》
《リオだけじゃないよ。冒険者ギルドや商業ギルドのリオが信用している人間も協力してくれて、森に帰れない個体以外の成体も返したよ》
《森ニ帰レナイジャナク、帰サナイノダロウ?》
《違うよ。リオが言うには森での生活を忘れてしまったり、親と離されて森での生活を知らない子や、体の一部が無くなって普通では暮らせない個体だって!》
《帰サナイタメニ態ト傷付けタノダロウ?》
《違うよ。リオは幻獣も治す薬師なんだ!新しい傷なら時間をかけても出来るだけ治してくれるよ!僕も治してもらったんだ!》
幻獣も治すという言葉に反応し、次々に質問されて、アルバは一生懸命答えた。
レナードは人間にしか分からない事以外はなるべく自分の幻獣達に話して聞かせていたからだ。
もちろんアルバの主観が入っていて、実際には違うことも多々あるが、レナードは良い人間だと主張は伝わり始めた。
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