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第7章
急展開
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レナードが居ない間にそこまで話しが進んでいることも驚愕したが、既に変異種育成計画の事務局に連絡してもうすぐここに担当者が来ると聞いて絶句した。
商業ギルドと冒険者ギルドの変異種育成計画担当主任が連れ立って到着し、遅れて植物園の事務局長と協力会員代表者などが駆け付けた。
リベルタの担当者の間でも案として地域単位の参加の際のギルド研修と、国としての研修は違うのではないかと話し合い、似たような結果になっていたらしい。
「面談は研修希望者が全員揃ってからでも構わないが、先に研修の事だけ確認したい事がありお呼びした」
「そうですか。
今回は国単位での計画の参加ということですので、こちらとしては研修希望者と個別に全員面談させていただきます。
ただ参加そのものは幻獣士ギルドの副ギルド長のお二人に精霊王様方にお伺いして許可していただいたので問題はありません」
「かたじけない」
「ただ対外的に審査をしっかりやっているという事をアピールするために、通常の街単位の複数のギルドが関わる場合と同じ様に行いたいと思っています。
ですので、先ずは各国または組織の代表者で、育成計画の参加資格のための面談をしていただきます」
「承知した。早急にメンバーを選出しよう」
「その上で後日に今度は研修のための面談を一人ずつ行います。ただこちらの業務の関係で、1日の面談可能な人数も、研修先も限られているため直ぐに全員という訳にはいきません」
「とりあえずこちらもある程度想定して第一弾として少数で参加してはいるが、おおよその日程案を早めにいただけると有り難い。
それによっては参加資格を得たことを伝文ではなく、一時帰郷させて調整することも出来る用意がある」
などと言う様にレナード一人を置いて大枠ですぐさま合意していた。
今回の臨時会合で決まったのは、
受け入れ側であるリベルタでは
・研修の大まかな日程と受け入れ可能人数の算定
・担当する部署による研修内容の再度の洗い出し
・面談の日程調整のための準備などの見直し
竜人族・エルフ連合側では
・担当部署毎のグループ分け
・研修先の希望調査
・研修の優先順位
・帰郷する場合のメンバーの選出
などが主な内容だった。
研修の内容については竜人族から提案のあった、
事務方は今まで通りの地域参加の場合の内容と運用に関することで、
実務者は一通りの賛同者の研修と専門部署に関する中長期の研修というのが採用され、
とりあえずは従来の研修を受けている間に相談して決めるということになった。
流石は竜人族。決断が早く、行動力がある優秀な人材を派遣して来たらしい。
それだけこの計画を重要視していると言ったところだろう。
実際にはレナードと共に幻獣士ギルド本部に行くはずの薬師達までいつの間にか話し合いに参加していたのは驚いた。
それだけ幻獣達の事を考えている薬師達だと実感出来たレナードは嬉しかった。
会合が終わっても誰も立ち上がらないどころか更に個別で会話をしていた。
流石にアルバが居なくなって落ち込んでいる幻獣達が心配だったレナードはモデストと冒険者ギルドの変異種担当マルタンに理由を伝えて静かに退室した。
レストランには商業ギルドの者が予約の延期の手配済みであったが、いちおうまだしばらくかかりそうだと告げて宿舎の幻獣舎へ小走りで向かう。
普段ならクレドと火蜥蜴は精霊達と一緒にレナードの部屋で留守番をさせるが、アルバが居ないため一緒に幻獣舎に預けたからだ。
商業ギルドと冒険者ギルドの変異種育成計画担当主任が連れ立って到着し、遅れて植物園の事務局長と協力会員代表者などが駆け付けた。
リベルタの担当者の間でも案として地域単位の参加の際のギルド研修と、国としての研修は違うのではないかと話し合い、似たような結果になっていたらしい。
「面談は研修希望者が全員揃ってからでも構わないが、先に研修の事だけ確認したい事がありお呼びした」
「そうですか。
今回は国単位での計画の参加ということですので、こちらとしては研修希望者と個別に全員面談させていただきます。
ただ参加そのものは幻獣士ギルドの副ギルド長のお二人に精霊王様方にお伺いして許可していただいたので問題はありません」
「かたじけない」
「ただ対外的に審査をしっかりやっているという事をアピールするために、通常の街単位の複数のギルドが関わる場合と同じ様に行いたいと思っています。
ですので、先ずは各国または組織の代表者で、育成計画の参加資格のための面談をしていただきます」
「承知した。早急にメンバーを選出しよう」
「その上で後日に今度は研修のための面談を一人ずつ行います。ただこちらの業務の関係で、1日の面談可能な人数も、研修先も限られているため直ぐに全員という訳にはいきません」
「とりあえずこちらもある程度想定して第一弾として少数で参加してはいるが、おおよその日程案を早めにいただけると有り難い。
それによっては参加資格を得たことを伝文ではなく、一時帰郷させて調整することも出来る用意がある」
などと言う様にレナード一人を置いて大枠ですぐさま合意していた。
今回の臨時会合で決まったのは、
受け入れ側であるリベルタでは
・研修の大まかな日程と受け入れ可能人数の算定
・担当する部署による研修内容の再度の洗い出し
・面談の日程調整のための準備などの見直し
竜人族・エルフ連合側では
・担当部署毎のグループ分け
・研修先の希望調査
・研修の優先順位
・帰郷する場合のメンバーの選出
などが主な内容だった。
研修の内容については竜人族から提案のあった、
事務方は今まで通りの地域参加の場合の内容と運用に関することで、
実務者は一通りの賛同者の研修と専門部署に関する中長期の研修というのが採用され、
とりあえずは従来の研修を受けている間に相談して決めるということになった。
流石は竜人族。決断が早く、行動力がある優秀な人材を派遣して来たらしい。
それだけこの計画を重要視していると言ったところだろう。
実際にはレナードと共に幻獣士ギルド本部に行くはずの薬師達までいつの間にか話し合いに参加していたのは驚いた。
それだけ幻獣達の事を考えている薬師達だと実感出来たレナードは嬉しかった。
会合が終わっても誰も立ち上がらないどころか更に個別で会話をしていた。
流石にアルバが居なくなって落ち込んでいる幻獣達が心配だったレナードはモデストと冒険者ギルドの変異種担当マルタンに理由を伝えて静かに退室した。
レストランには商業ギルドの者が予約の延期の手配済みであったが、いちおうまだしばらくかかりそうだと告げて宿舎の幻獣舎へ小走りで向かう。
普段ならクレドと火蜥蜴は精霊達と一緒にレナードの部屋で留守番をさせるが、アルバが居ないため一緒に幻獣舎に預けたからだ。
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