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第4章
発表
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実際には集まっていないのにも関わらず、会議室にざわめきが広がった。
きっと水晶の投影範囲外にもかなりの人がいるのだろう。
『1つずつ説明します。
正式な幻獣士の誕生については、何処の国か研究施設の古の資料にあった本契約の聖句に基づいてされた契約で幻獣士になった者と言うことです。
今までその聖句を使用してもまともに契約出来なかったため知っている者も多くは居ませんが、出来なかった理由も判明しました』
強調した部分に僅かな反応を見せた者達をケイシーは記憶に留めた。
『人族側の聖句だけでは正式な本契約が出来なかったということでした』
先程より小さなざわめきが起きる。
『幻獣王が認め、聖句を唱えた後ではないと本来の効果がないと言われたそうです。
本契約をすると、仮契約の様に目視の範囲内での念話という制限がなくなるそうです』
挙手があったので許可をする。
『我がコンティノアール国とエルフとドーワフの里の一部では、本契約の念話に関しての言い伝えにその様な記述が確かにあった。
残念ながら我々も本契約の条件については、本契約した者だけの秘匿とされ、聖句のみしか伝えられていなかった』
『最近では幻獣王が棲家を頻繁に変えていたそうなので久しぶりの本契約だったそうです。
そしてもう一つの発表にも関係して来ますが、今後幻獣士となる者達は、試練の森以外の全てにおいて自由に行き来できる上、幻獣が案内してくれた場所に限り持ち出せる量の制限がなくなるそうだ』
一際大きなざわめきが会議室を支配した。
一向に収まる気配がない中、ケイシーが大声をあげた。
『静粛に。まだ続きがあります』
ざわめきが小さくなるのを待って続ける。
『あくまでも幻獣士が持ち帰られる量が限定的ではあるが制限がないだけで、同行者がいた場合には同行者は今までと同じ量しか持ち出せない。
例えば幻獣士のマジックバックの容量が小さく、同行者が大きいからと入れてもらったら、今まで通りの量以外は持ち出せないため、森から出られないことになる』
一部から意味がないとか、不公平だなどの声が聞こえる。
『精霊王曰く、竜人族やエルフ、ドーワフ達の様に、持ち出す者が本当に必要な分のみ採取するのに制限はかけていないそうだ。
持ち出す個人に必要な量かは、大陸中にいる精霊や妖精が報告して来る情報を基に決めているそうです』
フレデリックが続く。
『迷いの森の資源はルールを守っている限りは無尽蔵だそうだ。
ルール以上に持ち出そうとされるから制限をかけるのだと。
最後にルールを悪用して、短期間に何度も森を往復して大量に持ち出そうとした場合、ペナルティが課せられる。
それでも改めなければ幻獣王が迎えに来て、幻獣を連れて行くそうだ。
幻獣士の剥奪及び二度と契約が出来ないそうだ』
それを狙っていたであろうスタークツ帝国とアデッソ王国が憎々しげな顔をしていた。
『さて、新しい迷いの森だが、場所は特定出来ないらしい。
但し入り口は決まっているため問題はない』
問題あるとか、何処の国なんだとか騒がしい。
『入り口は現在は1つですが、必要になれば増やすことも可能だそうです。
現在はエンサージョ国にある幻獣の保護施設に隣接しています。
そこは幻獣士ギルド本部の建物であり、そこからしか行けません』
シーンと鎮まりかえった。
『精霊王よりコンティノアール国と一部の里の皆様には申し訳ないと。
幻獣士になるためには幻獣士ギルドから入場し、試練を乗り越えた者だけが幻獣王と会い見えることが出来る様に変えてしまったと謝罪をしておられました』
『我が国は新たなルールとして受け入れよう』
『我々は精霊王様方や幻獣王様方がお決めになったことに従うのみ。
謝罪とは勿体無いお言葉です』
『最後に一言。
【幻獣士になりに試練の森に集いし者は、資格無き者は帰すこと叶わず】
という精霊王からの伝言です』
きっと水晶の投影範囲外にもかなりの人がいるのだろう。
『1つずつ説明します。
正式な幻獣士の誕生については、何処の国か研究施設の古の資料にあった本契約の聖句に基づいてされた契約で幻獣士になった者と言うことです。
今までその聖句を使用してもまともに契約出来なかったため知っている者も多くは居ませんが、出来なかった理由も判明しました』
強調した部分に僅かな反応を見せた者達をケイシーは記憶に留めた。
『人族側の聖句だけでは正式な本契約が出来なかったということでした』
先程より小さなざわめきが起きる。
『幻獣王が認め、聖句を唱えた後ではないと本来の効果がないと言われたそうです。
本契約をすると、仮契約の様に目視の範囲内での念話という制限がなくなるそうです』
挙手があったので許可をする。
『我がコンティノアール国とエルフとドーワフの里の一部では、本契約の念話に関しての言い伝えにその様な記述が確かにあった。
残念ながら我々も本契約の条件については、本契約した者だけの秘匿とされ、聖句のみしか伝えられていなかった』
『最近では幻獣王が棲家を頻繁に変えていたそうなので久しぶりの本契約だったそうです。
そしてもう一つの発表にも関係して来ますが、今後幻獣士となる者達は、試練の森以外の全てにおいて自由に行き来できる上、幻獣が案内してくれた場所に限り持ち出せる量の制限がなくなるそうだ』
一際大きなざわめきが会議室を支配した。
一向に収まる気配がない中、ケイシーが大声をあげた。
『静粛に。まだ続きがあります』
ざわめきが小さくなるのを待って続ける。
『あくまでも幻獣士が持ち帰られる量が限定的ではあるが制限がないだけで、同行者がいた場合には同行者は今までと同じ量しか持ち出せない。
例えば幻獣士のマジックバックの容量が小さく、同行者が大きいからと入れてもらったら、今まで通りの量以外は持ち出せないため、森から出られないことになる』
一部から意味がないとか、不公平だなどの声が聞こえる。
『精霊王曰く、竜人族やエルフ、ドーワフ達の様に、持ち出す者が本当に必要な分のみ採取するのに制限はかけていないそうだ。
持ち出す個人に必要な量かは、大陸中にいる精霊や妖精が報告して来る情報を基に決めているそうです』
フレデリックが続く。
『迷いの森の資源はルールを守っている限りは無尽蔵だそうだ。
ルール以上に持ち出そうとされるから制限をかけるのだと。
最後にルールを悪用して、短期間に何度も森を往復して大量に持ち出そうとした場合、ペナルティが課せられる。
それでも改めなければ幻獣王が迎えに来て、幻獣を連れて行くそうだ。
幻獣士の剥奪及び二度と契約が出来ないそうだ』
それを狙っていたであろうスタークツ帝国とアデッソ王国が憎々しげな顔をしていた。
『さて、新しい迷いの森だが、場所は特定出来ないらしい。
但し入り口は決まっているため問題はない』
問題あるとか、何処の国なんだとか騒がしい。
『入り口は現在は1つですが、必要になれば増やすことも可能だそうです。
現在はエンサージョ国にある幻獣の保護施設に隣接しています。
そこは幻獣士ギルド本部の建物であり、そこからしか行けません』
シーンと鎮まりかえった。
『精霊王よりコンティノアール国と一部の里の皆様には申し訳ないと。
幻獣士になるためには幻獣士ギルドから入場し、試練を乗り越えた者だけが幻獣王と会い見えることが出来る様に変えてしまったと謝罪をしておられました』
『我が国は新たなルールとして受け入れよう』
『我々は精霊王様方や幻獣王様方がお決めになったことに従うのみ。
謝罪とは勿体無いお言葉です』
『最後に一言。
【幻獣士になりに試練の森に集いし者は、資格無き者は帰すこと叶わず】
という精霊王からの伝言です』
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