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第2章
雑貨屋
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翌朝宿で朝食を済ませた後、身支度を整え荷物を整理して施錠し、カウンターに鍵を返す。
宿の従業員に布や籠を扱う雑貨屋をいくつか紹介してもらい出かけた。
紹介してもらったお店の中からアットホームな雰囲気のところを選んで入る。
何もヘンルーダで揃えなくても、戻ってからリベルタで購入すれば良いのだけど、2体に急かされるだろうから、時間が出来た時に直ぐに取り掛かれるように用意しようと思ったから。
借りた籠と同じくらいの物の中から、実用一辺倒ではなく、男性が持っても違和感がない丈夫な素材で、蓋の部分が木で出来た持ち手が長い物にした。
オプションで厚手の手触りの良い布で袋を縫い付けてもらう。
その作業の間にハギレコーナーで、計測用の中の箱を手に取り、色合いや柄の違う比較的大きめの布を中心に、リボンや飾りボタンを入れていく。
大きな布の方が色々出来て良いのだが、今後も妖精や精霊がやって来るとすると、好みが違うわがままな個体も出て来ると予想して、アレンジ用も兼ねてハギレにした。
人形用の食器や家具があるか尋ねるとないということだったので、色糸とクッション材を追加して精算を済ませ、お勧めのお店に向かう。
途中で探しに来た冒険ギルド職員と合流し、籠は防音と防護の付与魔法をかけてもらうことになり預けた。
次の雑貨屋で人形用の木製の平皿大1枚と小2枚、スープ皿、スプーンを4セットとティセット1組を精算かごに入れる。
テーブルと椅子4客とフルーツ用のピックをフォーク代わりに1セット追加する。
どれもシンプルで飽きの来ないものにした。
ヘルマンさんが譲ってくれたマジックバックのおかげで、こういう予定外の買い物も、持ち運びの心配をせずに購入出来る。
他にも帰るのに必要な日用品などを補充する。
冒険ギルドに顔を出すと、直ぐにギルド長室へ通される。
「朝からすまない。
密猟者の件だが、一通りの調査が終わるまで精算を待ってもらえるだろうか?」
「別に構いませんよ。
元々の薬草や素材依頼の品は充分確保出来たし、予定外のボアの収入もありますから大丈夫ですよ」
「そう言ってもらえると助かる。
その代わりと言っては何だが、昨日の宿代と幻獣舎の預かり代、籠の付与魔法代はギルド持ちにさせてもらおう」
「ありがとうございます」
「ところで帰りはどうするつもりなんだ?」
「リベルタ方面の警護の依頼があるか掲示板を見て来ようと思ってます。
なければ乗合馬車を使うしかありませんが」
「だったら、ヘンルーダでも冒険ギルドと商業ギルドと共同で変異種育成計画を実行することに正式に決定した。
その一貫で両ギルドから職員を派遣して研修を受ける予定になった。
1日待ってくれたら、こちらで馬車を出すから乗って行かないか?」
ありがたい申し出なので了承した。
幻獣舎に行き、全員を引き取り森の手前の広場に向かう。
今夜は広場にテントを張って泊まる。
運動不足にならないように好きなだけ森や平地を走り回ってもらいたいし、全員で一緒に過ごしたかったから。
普段なら誰かしらいるだろう広場も、今はトラヴァーの森の密猟者探しで、ここの利用者は今は居ない。
他の町や村から来て、夜までに街に着けない人達か、一時的に休憩に利用するだけだろう。
危険なことはしないようにと言い含めて、自由行動をさせた。
麒麟の幼体とスティードは街道沿いを仲良く駆けて行き、ソルとルナは森へと駆けて行った。
クレド は賢いので、兄弟の監視役を自ら引き受けてくれた。
あくまでもやり過ぎや危険なことさえしなければ好きにさせておくように頼んだ。
籠を開けて妖精と精霊も外に出す。
テントの中か、レナードの手が届く範囲なら好きにして良いというと、早速テントへと飛んで行った。
近くにあった大きめの石を集めて炉を作り火を熾す。
薬缶に水を入れて沸かし、薬草を使ってお茶を入れる。
お茶を飲みながら昨日までに採取した薬草や果実など、ここで出来る作業をして過ごした。
お昼は町を出る前に屋台で買ったカツサンドを食べた。
宿の従業員に布や籠を扱う雑貨屋をいくつか紹介してもらい出かけた。
紹介してもらったお店の中からアットホームな雰囲気のところを選んで入る。
何もヘンルーダで揃えなくても、戻ってからリベルタで購入すれば良いのだけど、2体に急かされるだろうから、時間が出来た時に直ぐに取り掛かれるように用意しようと思ったから。
借りた籠と同じくらいの物の中から、実用一辺倒ではなく、男性が持っても違和感がない丈夫な素材で、蓋の部分が木で出来た持ち手が長い物にした。
オプションで厚手の手触りの良い布で袋を縫い付けてもらう。
その作業の間にハギレコーナーで、計測用の中の箱を手に取り、色合いや柄の違う比較的大きめの布を中心に、リボンや飾りボタンを入れていく。
大きな布の方が色々出来て良いのだが、今後も妖精や精霊がやって来るとすると、好みが違うわがままな個体も出て来ると予想して、アレンジ用も兼ねてハギレにした。
人形用の食器や家具があるか尋ねるとないということだったので、色糸とクッション材を追加して精算を済ませ、お勧めのお店に向かう。
途中で探しに来た冒険ギルド職員と合流し、籠は防音と防護の付与魔法をかけてもらうことになり預けた。
次の雑貨屋で人形用の木製の平皿大1枚と小2枚、スープ皿、スプーンを4セットとティセット1組を精算かごに入れる。
テーブルと椅子4客とフルーツ用のピックをフォーク代わりに1セット追加する。
どれもシンプルで飽きの来ないものにした。
ヘルマンさんが譲ってくれたマジックバックのおかげで、こういう予定外の買い物も、持ち運びの心配をせずに購入出来る。
他にも帰るのに必要な日用品などを補充する。
冒険ギルドに顔を出すと、直ぐにギルド長室へ通される。
「朝からすまない。
密猟者の件だが、一通りの調査が終わるまで精算を待ってもらえるだろうか?」
「別に構いませんよ。
元々の薬草や素材依頼の品は充分確保出来たし、予定外のボアの収入もありますから大丈夫ですよ」
「そう言ってもらえると助かる。
その代わりと言っては何だが、昨日の宿代と幻獣舎の預かり代、籠の付与魔法代はギルド持ちにさせてもらおう」
「ありがとうございます」
「ところで帰りはどうするつもりなんだ?」
「リベルタ方面の警護の依頼があるか掲示板を見て来ようと思ってます。
なければ乗合馬車を使うしかありませんが」
「だったら、ヘンルーダでも冒険ギルドと商業ギルドと共同で変異種育成計画を実行することに正式に決定した。
その一貫で両ギルドから職員を派遣して研修を受ける予定になった。
1日待ってくれたら、こちらで馬車を出すから乗って行かないか?」
ありがたい申し出なので了承した。
幻獣舎に行き、全員を引き取り森の手前の広場に向かう。
今夜は広場にテントを張って泊まる。
運動不足にならないように好きなだけ森や平地を走り回ってもらいたいし、全員で一緒に過ごしたかったから。
普段なら誰かしらいるだろう広場も、今はトラヴァーの森の密猟者探しで、ここの利用者は今は居ない。
他の町や村から来て、夜までに街に着けない人達か、一時的に休憩に利用するだけだろう。
危険なことはしないようにと言い含めて、自由行動をさせた。
麒麟の幼体とスティードは街道沿いを仲良く駆けて行き、ソルとルナは森へと駆けて行った。
クレド は賢いので、兄弟の監視役を自ら引き受けてくれた。
あくまでもやり過ぎや危険なことさえしなければ好きにさせておくように頼んだ。
籠を開けて妖精と精霊も外に出す。
テントの中か、レナードの手が届く範囲なら好きにして良いというと、早速テントへと飛んで行った。
近くにあった大きめの石を集めて炉を作り火を熾す。
薬缶に水を入れて沸かし、薬草を使ってお茶を入れる。
お茶を飲みながら昨日までに採取した薬草や果実など、ここで出来る作業をして過ごした。
お昼は町を出る前に屋台で買ったカツサンドを食べた。
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