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僕が尊敬する唯一の人
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~霧side~
『麗桜』
それは全ての族の憧れ。
桜が舞うように美しく麗しい、見た者を引き付けるような戦い方をする。
麗桜は歴代の獅桜総長の中で一番強い。全ての者を鍛え世界№1にのし上がるほどに。
それもそのはず。麗桜には稀宮組がついているのだから。
しかも麗桜自身が稀宮組の若頭である。
これは麗桜に近しいものしか知らない。
麗桜は謎が多いことから『謎の総長』と呼ばれている。
ここまで情報が出ないのは麗桜自身が隠しているからである。
麗桜は稀宮財閥次期社長で稀宮組の若頭だということ。
そして麗桜は〝女〟だということ。
この三つを。
獅桜総長のことを調べようとしても男としての情報しか出てこないだろう。
それほどすごい人なんだ。
そんな人に怪我なんてして欲しくない。
霧「はぁー・・・翔さん少しは自分の心配をしてください。」
そう言っても聞いてもらえないだろう。
翔さんは優しい。
仲間思いで、仲間のためなら自分が怪我するのも厭わない。
翔「それは無理かな。」
ほら。
言うと思った。
だけど
霧「言うと思いました、仲間を大事にしたいのもわかります。
でも翔さんが怪我して心配する人もいます。
もし翔さんに何かあったら困るのはみんなです。
いつか翔さんがここからいなくなるんじゃないかって思って・・・
死んじゃうんじゃないかって・・・それが心配で・・・・・・」
ここには翔さんに助けてもらった人がたくさんいる。
だからこそ・・・死なないと分かっていても心配してしまうのだ。
自分だって翔さんに助けてもらった。
何でも出来てしまうことが楽しくなくて、いつからか世界が色を失ってしまった。
そんな時に翔さんが僕を救ってくれた。
僕が知らないことを翔さんは沢山知っていた。
ハッキングもその一つ。
翔さんを超えることは出来ないけれど、翔さんの次に並ぶことができた。
翔さんは僕よりも『何でも出来た』のだ。
そんな人生はなんてつまらないものだったのだろうか。
僕は一度聞いてみたことがある。
「なんでも出来てしまうのってつまらなくないんですか?」
と。
返ってきた答えは意外なものだった。
「私は何でもできるんじゃなくて、沢山努力したんだよ。」
そう言った翔さんはとても悲しそうな眼をしていた。
だけど僕は翔さんがそんな眼をする理由が分からなかった。
僕は翔さんのことを全然知らない。
だけど翔さんが話すまでは待っていなければ。
翔さんは僕が唯一尊敬する人だから。
だから僕は
霧「いつまでも待っていますよ。」
『麗桜』
それは全ての族の憧れ。
桜が舞うように美しく麗しい、見た者を引き付けるような戦い方をする。
麗桜は歴代の獅桜総長の中で一番強い。全ての者を鍛え世界№1にのし上がるほどに。
それもそのはず。麗桜には稀宮組がついているのだから。
しかも麗桜自身が稀宮組の若頭である。
これは麗桜に近しいものしか知らない。
麗桜は謎が多いことから『謎の総長』と呼ばれている。
ここまで情報が出ないのは麗桜自身が隠しているからである。
麗桜は稀宮財閥次期社長で稀宮組の若頭だということ。
そして麗桜は〝女〟だということ。
この三つを。
獅桜総長のことを調べようとしても男としての情報しか出てこないだろう。
それほどすごい人なんだ。
そんな人に怪我なんてして欲しくない。
霧「はぁー・・・翔さん少しは自分の心配をしてください。」
そう言っても聞いてもらえないだろう。
翔さんは優しい。
仲間思いで、仲間のためなら自分が怪我するのも厭わない。
翔「それは無理かな。」
ほら。
言うと思った。
だけど
霧「言うと思いました、仲間を大事にしたいのもわかります。
でも翔さんが怪我して心配する人もいます。
もし翔さんに何かあったら困るのはみんなです。
いつか翔さんがここからいなくなるんじゃないかって思って・・・
死んじゃうんじゃないかって・・・それが心配で・・・・・・」
ここには翔さんに助けてもらった人がたくさんいる。
だからこそ・・・死なないと分かっていても心配してしまうのだ。
自分だって翔さんに助けてもらった。
何でも出来てしまうことが楽しくなくて、いつからか世界が色を失ってしまった。
そんな時に翔さんが僕を救ってくれた。
僕が知らないことを翔さんは沢山知っていた。
ハッキングもその一つ。
翔さんを超えることは出来ないけれど、翔さんの次に並ぶことができた。
翔さんは僕よりも『何でも出来た』のだ。
そんな人生はなんてつまらないものだったのだろうか。
僕は一度聞いてみたことがある。
「なんでも出来てしまうのってつまらなくないんですか?」
と。
返ってきた答えは意外なものだった。
「私は何でもできるんじゃなくて、沢山努力したんだよ。」
そう言った翔さんはとても悲しそうな眼をしていた。
だけど僕は翔さんがそんな眼をする理由が分からなかった。
僕は翔さんのことを全然知らない。
だけど翔さんが話すまでは待っていなければ。
翔さんは僕が唯一尊敬する人だから。
だから僕は
霧「いつまでも待っていますよ。」
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