天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生

西洋司

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第一部「ハルコン少年期」

13 異世界チートの及ぶ範囲で_02

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 ハルコンは、本日も屋敷にミラが遊びにきたので、さっそくいつもと同じくグッズのモニターをお願いする。
 その中には、女性達にとって欠かせないものが多く含まれていた。

「今回は、取って置きだよ!」

 ハルコンがそう言ってテーブルの上にグッズを並べていくと、ミラは目を輝かせてそれらを見つめていた。

「へぇー、これが石鹸? 何だかハルコンの作ったのって、とってもいい香りがする!」

 女の子らしく、嬉しそうに澄ました顔で石鹸の香りを嗅いでいるミラ。

「バラのエッセンスを混ぜているんだ。市場に出回っているものよりも泡立つし、汚れも落ちること請け合いだよ!」

「ありがとう、ハルコンッ! 領に帰ったらさっそく使ってみるね。きっと母上も喜ぶと思うわっ!」

 嬉しそうに胸元に抱き締めるミラ。ハルコンは、女の子って、こういう清潔なグッズがホンと好きだよなぁと思った。

「それでね、まだ他にも渡すものがあるんだ!」

「へぇーっ。何だろう?」

 ミラの表情が、パァ~ッと更に輝きを増した。
 実は、彼女には、他にシャンプーとリンス、香水や簡易化粧品も用意していた。

「ねぇ~っ、これって何に使うものなの?」

 ミラが興味深そうに、シャンプーの入った陶器の小瓶を摘まみながら訊ねてきた。

「そうだねぇ、……ミラは髪を洗っていて、ごわついたりしない?」

「私の髪は短いから、さほどではないかも。でも母上の髪は長いから、いつも悩んでいらっしゃったわ」

「だろうねぇ」

 ハルコンが使用方法や効能を説明すると、ミラは真面目な顔で頷きながら聞いている。
 実際、この場で一度試して貰った方が話は早いんだけど。まさか、友人とはいえ、貴族のお嬢様を裸にするワケにもいかないしなぁ。

 とりあえず、イラスト入りの使用説明書を渡したから、後で読んで貰えばいいかな。

「後、……他にはこれもだね」

「へぇー、凄いっ!?」

 ミラの母親宛てに、バラの香水と基礎化粧品を渡したことも大変感謝された。
 ハルコンは前世が女性であったため、女の子受けする物が大体ワカる。
 
 とりあえず、こちらは実際に見て貰った方がいいかな。

「あのさ、ミラ。キミもちょっと化粧してみるかい?」

「えっ、いいのっ!?」

「あぁ。せっかく持ち帰っても、説明書だけで使い方がワカらなければ意味ないしね。だったら、ここで試してみせようと思うんだ!」

「なるほど。そういうことなら、ぜひお願いしますっ!」

 そう言って、白い歯を見せてニッコリと笑うミラ。
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