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セクシーお姉さん_02
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「うっふぅ~ん! ホノオさぁんっ! お願いがあるんですけどぉ!」
そう言ってシナを作る彼女。でも、耳先まで真っ赤にして、とてもぎこちない。
オレは何だか居た堪れない気持ちになり、軽く咳払いをひとつした。
すると、丁度いいタイミングでショウタが人払いをして戻って来た。
とりあえず、彼女のことをコイツに詳しく説明して貰うことからだな。
「なぁ、この人オマエの知り合いか?」
「あいにくねぇ」
シノの胸元を見て、不愉快そうに顔を顰めるショウタ。
ぎこちなくお色気アピールする彼女と見比べながら、ふとオレは思った。
もしかして、コイツらって相当に仲が悪い?
「なぁショウタ。皇帝陛下に直談判して、おまけに『恋愛許可』持ちで。凄腕のエージェントが、来るんじゃなかったのかよ……」
「ご想像にお任せするよって、……そう言ったじゃん?」
「ぼんっきゅっぼんっの、セクシーでチャーミングな女性だとばっかり、……想像していたんだけどなぁ。何だかこれはちょっち違うよね……」
せっかく顔もスタイルも抜群なのに、何か残念な感じ。
オレのつまらなそうな反応に、シノは頬を引きつかせる。
ショウタは、それ見たことかっていう顔つきで、やれやれという具合に首を横に振った。
「ねぇっ、ホノオさんっ! 私を描いて下さいっ!」
「えっ? あ、あぁ、うん」
何だろう。つい居た堪れなくて、押し切られてしまったかも。
「OK。なら私が若い女の子の魅力を、これからたぁ~っぷりと教えて差し上げます。だから思う存分私のことを描き尽くしなさいっ! はいっ、ハリアップ!」
彼女は勢い任せに、両手を打って急かして来た。
その態度から察するに、この子の身分は未来の貴族の娘とかで、親のコネとやらでバルボラ機関のエージェントをやっているのではないかと思われる。
だって、見た目だけはトップブリーダーの賜物のような、相当な美少女だったからね。
それならもっと気品に溢れ、近寄りがたい雰囲気とかありそうなものなんだけどさ。
でもそんなことはなくて。むしろ、素直そうで明るいタイプに見えるんだよね。
彼女の透き通るような肌と宝石のように緻密な眼や唇。ピッチピチの肉感的な黒のパイロットスーツ姿に、黒髪のさらさらとしたセミロング、すらりと伸びた手足に、細身だけど凹凸のはっきりとした肢体。
あぁワカった。この子ってまさしく生きた芸術作品なんだよね。エロくないのは、そういう理由か。
なら、そんな彼女がモデルをやってくれるのなら、若い女性をまともに描けなくなったオレでも、また以前のように描けるようになるんじゃないかと思えて来たんだよ。
あるべき者の姿が、あるべき容姿でここに存在している。
それを、どうやったら紙の上にちゃんと表現できるんだろう?
とにかく、描き尽くしたいかも。
「ねぇシノさん。いいかな?」
「何でしょうか?」
「似顔絵じゃなくて、全身のクロッキーを描きたいんだけどさ。できればそんなおふざけじゃなくて、その椅子に座ってゆったりとこちらを見ていて欲しい。お願いできますか?」
「はいっ、ぜひっ! どうぞ、よろしくお願い致します」
シノは素直に傍らの椅子に腰かけると、全身をリラックスさせながら、さぁ私を描いてとばかりにオレにニッコリと微笑みかけて来た。
「うっふぅ~ん! ホノオさぁんっ! お願いがあるんですけどぉ!」
そう言ってシナを作る彼女。でも、耳先まで真っ赤にして、とてもぎこちない。
オレは何だか居た堪れない気持ちになり、軽く咳払いをひとつした。
すると、丁度いいタイミングでショウタが人払いをして戻って来た。
とりあえず、彼女のことをコイツに詳しく説明して貰うことからだな。
「なぁ、この人オマエの知り合いか?」
「あいにくねぇ」
シノの胸元を見て、不愉快そうに顔を顰めるショウタ。
ぎこちなくお色気アピールする彼女と見比べながら、ふとオレは思った。
もしかして、コイツらって相当に仲が悪い?
「なぁショウタ。皇帝陛下に直談判して、おまけに『恋愛許可』持ちで。凄腕のエージェントが、来るんじゃなかったのかよ……」
「ご想像にお任せするよって、……そう言ったじゃん?」
「ぼんっきゅっぼんっの、セクシーでチャーミングな女性だとばっかり、……想像していたんだけどなぁ。何だかこれはちょっち違うよね……」
せっかく顔もスタイルも抜群なのに、何か残念な感じ。
オレのつまらなそうな反応に、シノは頬を引きつかせる。
ショウタは、それ見たことかっていう顔つきで、やれやれという具合に首を横に振った。
「ねぇっ、ホノオさんっ! 私を描いて下さいっ!」
「えっ? あ、あぁ、うん」
何だろう。つい居た堪れなくて、押し切られてしまったかも。
「OK。なら私が若い女の子の魅力を、これからたぁ~っぷりと教えて差し上げます。だから思う存分私のことを描き尽くしなさいっ! はいっ、ハリアップ!」
彼女は勢い任せに、両手を打って急かして来た。
その態度から察するに、この子の身分は未来の貴族の娘とかで、親のコネとやらでバルボラ機関のエージェントをやっているのではないかと思われる。
だって、見た目だけはトップブリーダーの賜物のような、相当な美少女だったからね。
それならもっと気品に溢れ、近寄りがたい雰囲気とかありそうなものなんだけどさ。
でもそんなことはなくて。むしろ、素直そうで明るいタイプに見えるんだよね。
彼女の透き通るような肌と宝石のように緻密な眼や唇。ピッチピチの肉感的な黒のパイロットスーツ姿に、黒髪のさらさらとしたセミロング、すらりと伸びた手足に、細身だけど凹凸のはっきりとした肢体。
あぁワカった。この子ってまさしく生きた芸術作品なんだよね。エロくないのは、そういう理由か。
なら、そんな彼女がモデルをやってくれるのなら、若い女性をまともに描けなくなったオレでも、また以前のように描けるようになるんじゃないかと思えて来たんだよ。
あるべき者の姿が、あるべき容姿でここに存在している。
それを、どうやったら紙の上にちゃんと表現できるんだろう?
とにかく、描き尽くしたいかも。
「ねぇシノさん。いいかな?」
「何でしょうか?」
「似顔絵じゃなくて、全身のクロッキーを描きたいんだけどさ。できればそんなおふざけじゃなくて、その椅子に座ってゆったりとこちらを見ていて欲しい。お願いできますか?」
「はいっ、ぜひっ! どうぞ、よろしくお願い致します」
シノは素直に傍らの椅子に腰かけると、全身をリラックスさせながら、さぁ私を描いてとばかりにオレにニッコリと微笑みかけて来た。
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