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番外編 オモチャ大好き夏樹くん(2)★

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「あ、うそ、待っ……」
 察したらしい夏樹が、カチャカチャと手錠を鳴らして抵抗する素振りを見せる。
 しかしそれも虚しく、隆之の手によって容易く取り押さえられてしまう。隆之は夏樹の腕を頭上で拘束しながら、躊躇なくマッサージャーを屹立の先端に押し当てた。
「ひうっ!? あっ、ン、ああっ――だめ、つよいぃ……あ、ああっ!」
 絶頂を迎えたばかりの体には強すぎる刺激なのだろう。夏樹が悲鳴じみた声を上げながら悶える。
 当然、隆之は手を止めてなどやらなかった。マッサージャーを小刻みに動かし続け、弱いところばかりを狙って責め立てる。すると、夏樹は数秒のうちに音を上げた。
「あっ、あ! やら、でちゃ、でちゃうぅ……あっ、ああぁぁ!」
 ぷしゃ、ぷしゃっと無色透明な体液が、潮を吹くように何度も尿道口から吐き出されていく。
 隆之はマッサージャーを離すと、ぐったりとしているその姿を見下ろした。アイマスクを外してやれば、焦点の定まらない眼差しが向けられる。
「あ……たかゆきしゃ……」
 夏樹の顔はすっかり蕩けきっていた。半開きになった口からは唾液がこぼれ落ち、頬も発熱しているかのように紅潮していて、普段の余裕など欠片も感じさせないほどだ。
(ああ、もう限界だ――)
 劣情が抑えきれないところまで膨れ上がっていることに気づき、内心で舌打ちをする。このような痴態を前に、もはや居ても立っても居られなかった。
 隆之は衝動のままにジーンズの前を寛げ、下着の中から張り詰めた自身を取り出す。そして、静かに夏樹の脚を自分の肩へと乗せた。
「え? あっ……」
 後孔にローションを直接垂らすと、冷たかったのか夏樹が体を跳ねさせる。一瞬にしてぼんやりとしていた意識が覚醒したらしく、続けざまに声が上がった。
「ま、待ってよ、まだローターはいって……」
「悪いが待てない」
 隆之は夏樹の制止を遮り、ローターが挿入されたままのそこに欲望を宛がった。そして、そのまま一気に奥まで突き入れる。
「ひぐっ、うぅ――!」
 声にならない悲鳴を上げ、夏樹が大きく背をしならせた。
 最奥までローターを押し込んでしまえば、あまりの快感に呼吸すらままならない様子で、隆之も強い締めつけに眉根を寄せる。
「そんなに締めつけるなよ。動いてやれないだろ」
「らって、こんなのむりっ……や、あっ、ちんぽでかくしないでえっ」
「不可抗力だ……っ」
 熱くうねる内壁の感触もさることながら、ローターの振動が直に伝わってきて、気を抜くとすぐにでも果ててしまいそうだ。
 もうじっとしてなどいられない。隆之は歯を食いしばり、荒っぽく抽挿を開始した。
「あっ! や、らめ、らめえっ……あ、ああぁ!」
 夏樹が髪を振り乱しながら悶えるも、見向きもせずに腰を振り続ける。
 ローターごと穿つように突き上げれば、夏樹は喉を晒して淫らに喘ぎ、隆之もますます煽られていく。
「っ、ずっと痙攣してる……夏樹、またイッてるのか?」
「あっあ、ン――も、わかんないっ……ひ、あっ、おかしくなるう……っ!」
 ひたすらに快楽に溺れている様子で、夏樹は先ほどから呂律が回っていない。
 隆之は夏樹の脚を抱え直すと、唇を重ねながらさらに激しく腰を打ち付けた。そして、とうとう限界を迎える。
「んっ、ん、んんん――!」
 最奥へ熱い飛沫を叩きつけたと同時に、夏樹がくぐもった声を上げて全身を震わせた。
 射精が終わったところで隆之は深く息をつく。自身を引き抜けば、ぽっかりと開いた後孔から白濁が溢れ出てきた。
「………………」
 思わず、目が釘付けになってしまう。
 そこはヒクつくたび赤い内壁が見え隠れしており、ひどく卑猥だった。大量の精液を出してしまったらしく、中から次々にこぼれてくるものだから、隆之はただ言葉を失って見入るほかなかった。



 その後。落ち着いた頃合いになって、夏樹が思いもよらぬことを言ってきた。
「あ、そーだ。言い忘れてたけど、手錠とかアイマスク使って責められんのお客さんの方だかんね?」
「……は?」
 ぽかんとする隆之に対し、夏樹はイタズラっ子のような笑みを浮かべて続ける。
「オプションがあるとはいえ、うちの店だとボーイはS限定なんだよねぇ」
「なっ、騙したのか!?」
「んー? そんなつもりなかったんだけどなあ。俺、嘘なんて一つもついてねーし」
「お、おい……」
「普段は優しい隆之さんだけど、エッチのときは結構強引だったりすんの――大好き、だよ?」
 甘ったるく耳元で囁いたのち、今度は妖艶に微笑んでみせる夏樹。
 つまりは、最初から手のひらの上で転がされていたということだ。まんまとしてやられたと思うと、複雑にもなってしまう。
「こっちは何も見えないのに、無言で責めてくんのとかゾクゾクしたあ~」
「………………」
 隆之は余計に羞恥を煽られる。
 が、やはり惚れた弱みなのだろう。夏樹のことが可愛くて仕方がないし、彼の望みなら何だって叶えてやりたいと思うのだ。
(まったく……敵う気がしないな)
 そんな思いとともに、隆之は赤くなった顔を手で覆った。
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