上 下
39 / 110

第6話 愛しい人へ捧ぐ未来(6)★

しおりを挟む
「おいおい、まだ動いてないのに締め付けんなっての」
「あ、ごめ……っ」

 慌てて力を抜くも、一度意識してしまったせいで妙な感じがする。
 高山は苦笑して頭を撫でてきた。

「ったく、お前は本当に可愛いな」
「……か、『可愛い』とか言われてもあんま嬉しかねーし。もっと何かあんだろ」

 照れ隠しにそんなことを口にすれば、「それもそうか」という呟きが返ってくる。それから、耳元にスッと顔を寄せられて、

「好きだぜ、侑人」

 ――吐息混じりに囁かれた。
 侑人は耳まで真っ赤になり、より強く高山のものを締め付けてしまう。高山はククッと喉で笑って続けた。

「また締まった」
「っ……」

 意地悪な声と視線に、侑人はますます顔を赤くさせる。
 その様子を楽しげに見下ろす高山だったが、こちらの脚を抱え直すなり、不意に腰を動かし始めた。

「ま、待って……!」
「余裕がない、つったろ?」
「っあ、高山さ……ん、あぁっ」

 いきなりの激しい抽挿に侑人は戸惑いを隠せない。だが、内壁は悦びに打ち震えており、あっという間に快感が押し寄せてきた。

(なにこれ、いつもより気持ちいい……っ)

 乾いた音を立てて、肌同士が荒々しくぶつかる。結合部のローションもすぐに泡立ち、グチュグチュという卑猥な水音が止まらなくなった。

「あ……うぅ、んっ」

 恥ずかしいのに、体は言うことを聞いてやくれない――高山のものが中を押し広げながら出入りするたび、内壁がきつく締まって収縮を繰り返す。その圧迫感がまた気持ちよくて、どうしようもなくなってしまう。

「あ、んっ、高山さん……ど、しよぉ」
「ん?」
「気持ち、よすぎてっ……」
「俺もだよ。お前のナカが良すぎて、すぐイッちまいそう」

 舌足らずな口調で訴えれば、愛おしげに唇を重ねられて、口内を蹂躙される感覚に酔いしれた。
 それでもなお、腰の動きは止まらない。高山は奥ばかりを狙って突いてくる。

「やっ、あ……いや……ぁ、そこやだあ……」

 襲い来る快感に、思わず口づけがほどけた。
 イヤイヤと首を振って、力の入らない手で高山の肩を掴むのだが、そんな抵抗も無意味だ。この身を自分よりも知り尽くしている相手に、隠し事などできるはずもない。

「嫌じゃないだろ。お前の『やだ』は『もっとして』ってことだもんな?」

 高山は抱えていた両脚を肩にかけるなり、さらに深くまで押し入ってきた。

「ひ、ああっ!」

 ぐぽんっ、と結腸の入り口まで穿たれ、侑人はたまらず背をしならせる。あまりに気持ちがよすぎて、頭に霞がかかったのごとく何も考えられなくなってしまう。

「ほら、ぐぽぐぽ言ってすげえ吸い付いてきやがる――感じてるのか、侑人」
「っあ、ん! やあぁっ」
「なんだ、また嫌か?」
「い、いいっ……すご、感じるう」

 力強い抽送を受けるたびに内壁がうねり、絡みつき、さらなる快感を求めてやまない。
 侑人は与えられる快楽に身を委ねることしかできなくて、すがりつくように手をさまよわせた。それに対して高山が指を絡め、再びキスの雨を降らせる。

「高山さ、激しいっ……」

 息継ぎの合間にそう口にすると、わずかに高山の眉根が寄った。

「優しくされる方がいい?」
「や、あっ――優しくなくていーから、もっと……もっと、めちゃくちゃにしてぇ……っ」
「っ、くそ……。そんな可愛いことばっか言ってると、本気でもたねえだろ」

 切羽詰まった声で返すや否や、高山はいっそう激しく腰を打ち付けてくる。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

隠れSubは大好きなDomに跪きたい

みー
BL
⚠️Dom/Subユニバース 一部オリジナル表現があります。 ハイランクDom×ハイランクSub

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

僕を拾ってくれたのはイケメン社長さんでした

なの
BL
社長になって1年、父の葬儀でその少年に出会った。 「あんたのせいよ。あんたさえいなかったら、あの人は死なずに済んだのに…」 高校にも通わせてもらえず、実母の恋人にいいように身体を弄ばれていたことを知った。 そんな理不尽なことがあっていいのか、人は誰でも幸せになる権利があるのに… その少年は昔、誰よりも可愛がってた犬に似ていた。 ついその犬を思い出してしまい、その少年を幸せにしたいと思うようになった。 かわいそうな人生を送ってきた少年とイケメン社長が出会い、恋に落ちるまで… ハッピーエンドです。 R18の場面には※をつけます。

毒/同級生×同級生/オメガバース(α×β)

ハタセ
BL
βに強い執着を向けるαと、そんなαから「俺はお前の運命にはなれない」と言って逃げようとするβのオメガバースのお話です。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

イケメン王子四兄弟に捕まって、女にされました。

天災
BL
 イケメン王子四兄弟に捕まりました。  僕は、女にされました。

こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件

神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。 僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。 だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。 子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。   ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。 指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。 あれから10年近く。 ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。 だけど想いを隠すのは苦しくて――。 こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。 なのにどうして――。 『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』 えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をご覧になるとより一層楽しめるかもしれません)

処理中です...