ゲイ卒したいのに、何故かスパダリセフレに溺愛&求婚されてます!

有村千代

文字の大きさ
上 下
33 / 116

第5話 あと一歩の気持ち(6)★

しおりを挟む
「高山さん――俺、も」

 その先は言葉にならなかった。
 代わりに、空いていたもう一方の手を自らの下腹部に伸ばしていく。おずおずと下着の中に手を入ると、すでに濡れそぼっている自身を握って上下に扱きだした。

「やらしいヤツだな。我慢できなかったのか?」

 言葉にされて羞恥が沸き立ったが、一度動きだした手は止まらない。侑人は恨めしげに高山の顔を見上げた。

「誰のせいだと……」
「っは、俺だな。責任はとってやるよ」

 軽く笑ってこちらの手を取ると、高山は腰を寄せて互いのものを擦り合わせる。そして、手を重ねたまま一纏めに握り込んだのだった。

「……っ、ん」

 先端同士が触れ合えば、まるでキスでもしているかのように先走りが糸を引いた。
 互いの熱や脈動を感じ取るうち、どちらからともなく手を動かし始める。最初はゆっくりだった動きが次第に速くなり、いつの間にか侑人は夢中になって快感を追っていた。

(やばいこれ、擦れて……)

 裏筋が擦れる感覚に身震いしながら、無意識のうちに自分のものを押し付けてしまう。すると、それに応えるかのように高山が力強く握り込んできた。

「侑人、腰揺れてる」
「だって、きもちい……っ」

 背中を丸めて、与えられる快楽に身を委ねる。
 次第に息が上がってきて限界が近いと見るや、高山の手つきが変わった。射精を促すようにカリ首を扱かれ、鈴口を指先でぐりぐりと弄られる。
 そのあまりの気持ちよさに侑人は身悶え、高山の首筋に顔を埋めて喘いだ。

「や、ぁ、高山さん……もう、だ、だめ……っ」
「イきそう?」
「んっ、も、出る――イく、イくうっ」

 押し寄せる快楽に抗うこともできずに、呆気なく熱を放つ。
 けれど、高山の手淫は終わらない。射精後の余韻に浸る間もなく与えられる刺激に、侑人は息を乱して震えるばかりだ。

「あっ、やだ、あっ……あぁ!」
「っ、もう少し」

 高山から吐息混じりの声がこぼれる。それから間もなくして、こちらに煽られたかのように高山の昂ぶりが熱を放った。

「……は、っ」

 二人分の白濁が混ざり合い、互いの手を汚していく。その感覚にすら感じてしまい、侑人は熱っぽく息を漏らした。

(絶対、熱上がった……)

 脱力しながら、ぼんやりと考える。
 やがて絶頂の波が引いていくと、高山がわざわざ温かい濡れタオルを作って体を拭いてくれた。

「ほら、ティッシュで拭くよりいいだろ」
「ん……」

 侑人は小さく返事をしてされるがままになる。体力を消耗したせいか、急激に眠気が襲ってきていた。

「疲れたか?」
「今ので、完全に体力持ってかれた」
「そいつは悪いことしたな」
「悪いなんて思ってないくせに」

 拗ねたように言えば、高山は苦笑を浮かべて髪をくしゃくしゃとかき回してきた。

「まあ、否定はしない。お前も気持ちよさそうにしてたしな」
「っ、もう寝る!」

 体を反転させて背を向ける。
 すると、高山が笑う気配とともにベッドが再び沈んだ。すぐに背後から抱きしめられる格好になり、くすぐったいような気恥ずかしいような気持ちを味わう。

 言うなら、今しかない。そう思った侑人は、顔を背けたまま口を開いた。

「あ……あのさ、高山さん。今年のクリスマスはこんな感じになっちゃったけど……来年、またリベンジさせてよ。次はプレゼントなんかも用意するからさ――」

 これだけは伝えておきたいと、どうにか言葉を紡ぐ。
 返事など照れくさくて聞いていられなかったので、「お、おやすみ!」と告げて知らんぷりを決め込むことにした。

 高山はしばらく黙っていたが、やがてうなじに口づけが落とされたかと思うと、耳元でそっと囁いてきた。

「ああ、楽しみにしてるよ」

 その声音はひどく穏やかだった。
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

平凡な男子高校生がイケメンに愛される日々、フェロモンって存在するのか?

mamaマリナ
BL
 どこにでもいるような平凡な男子高校生の俺だか、何故か男に好かれやすい。あることをきっかけで知り合った、イケメンエリートサラリーマンとの恋模様。  俺は、ノーマルなはずだったのに。 イケメン(エリートサラリーマン)×平凡(男子高校生)

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。

白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。 最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。 (同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!) (勘違いだよな? そうに決まってる!) 気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

ハイスペックストーカーに追われています

たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!! と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。 完結しました。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

処理中です...