幼馴染みとアオハル恋事情

有村千代

文字の大きさ
上 下
63 / 77

第9話 やっと隣に並べた(10)★

しおりを挟む
「俺のナカ、気持ちい?」
「……気持ちよすぎ。正直、挿れただけでもうヤバい」
「うは、なんか照れるし」
「お前は? 苦しくねえの?」
「ん、ちょびっとだけ苦しいかな。明のデカくて……はは、すげー腹いっぱい」
 苦笑を浮かべつつ、正直に打ち明ける。
 明は「馴染むまで待ってる」と言って、動かないでいてくれた。その気遣いが嬉しくて、千佳がぎゅっと抱きつけば、相手も同じように返してくれるのだった。
「明、俺のこと大事にしてくれて……あんがとな」
「どうしたんだよ、急に」
「んーん。好きだなあって思っただけ」
 ちゅっ、と軽くキスをする。明は驚いたように目を瞬かせたあとで、ふわりとした微笑みを見せてきた。
 優しげな笑顔に見惚れているうちに、逆に唇を奪われて舌を絡めとられる。
 最初は優しく交わすだけだった口づけが徐々に深くなり、やがて互いの唾液を交換しあうものへと変化していった。何度も角度を変えながら、貪るように求められて頭がぼうっとしてくる。
 ようやく解放されると、明は千佳の耳元に顔を寄せて言った。
「そろそろ、動いていい?」
 熱っぽい声音に息が詰まりそうになる。千佳が返事をすれば、ゆるゆると明の腰が動き始めた。
 明は遠慮がちに抜き挿しを繰り返し、そこから少しずつ動きを大きくしていく。次第に律動が激しくなって、肌同士がぶつかりあい、体の奥から粘着質な水音が立った。
「うあっ、あ、あン、あぁ……っ」
 それまでとは打って変わって激しい抽挿に、もはや千佳は声を抑えることができず、恥ずかしげもなく喘いでしまう。
 突かれるのも、擦られるのも気持ちがいい――明のものを包み込んでいる内壁が、ひっきりなしに収縮していた。それに呼応するかのように、明の動きも激しさを増していく。
「すげ……締まる――」
 その声にドキリとしたのも束の間、パンッと乾いた音を響かせて、明は一層強く腰を打ち付けてきた。最奥を突き上げられ、足先から脳天まで快感が電気のようにほとばしる。
「ひあっ、あ、あぁ……!?」
 千佳は大きく体を仰け反らせる。突然の強い衝撃に目の前がチカチカとして、腰の震えが止まらない。
 にも関わらず、明は腰を掴んでガクガクと揺さぶってくる。ベッドのスプリングを軋ませながら、内壁を抉るように鋭く突かれ、千佳は必死に明の体へとしがみついた。
「あっ、あ、だめ、明っ……そんなふうに、したらっ」
「嫌? それともイキそう?」
「イキそうっ――ケツだけで、イッちゃいそうだからあ……っ」
「っ、千佳……」
しおりを挟む
□おまけイラスト・漫画はコチラから
https://poipiku.com/401008/
感想 0

あなたにおすすめの小説

泣き虫な俺と泣かせたいお前

ことわ子
BL
大学生の八次直生(やつぎすなお)と伊場凛乃介(いばりんのすけ)は幼馴染で腐れ縁。 アパートも隣同士で同じ大学に通っている。 直生にはある秘密があり、嫌々ながらも凛乃介を頼る日々を送っていた。 そんなある日、直生は凛乃介のある現場に遭遇する。

Take On Me

マン太
BL
 親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。  初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。  岳とも次第に打ち解ける様になり…。    軽いノリのお話しを目指しています。  ※BLに分類していますが軽めです。  ※他サイトへも掲載しています。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

「恋みたい」

悠里
BL
親友の二人が、相手の事が好きすぎるまま、父の転勤で離れて。 離れても親友のまま、連絡をとりあって、一年。 恋みたい、と気付くのは……? 桜の雰囲気とともにお楽しみ頂けたら🌸

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

俺の好きな男は、幸せを運ぶ天使でした

たっこ
BL
【加筆修正済】  7話完結の短編です。  中学からの親友で、半年だけ恋人だった琢磨。  二度と合わないつもりで別れたのに、突然六年ぶりに会いに来た。 「優、迎えに来たぞ」  でも俺は、お前の手を取ることは出来ないんだ。絶対に。  

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

処理中です...