上 下
62 / 77

第9話 やっと隣に並べた(9)★

しおりを挟む
「ここか?」
 探るような動きをしていた屹立が、狙いすましたように前立腺を穿つ。
「あああッ……!?」
 その瞬間、千佳は背をしならせて悶絶した。
 強すぎる快感に、ただ目を大きく見開く。反射的に締め付けてしまったせいで、中に入っているものの形をより意識せざるを得なかった。
「うあっ、それ、きもちい……ン、あぁっ」
 なおも明は小刻みに腰を振りながら、執拗にそこばかり突いてくる。
 千佳の口から上擦った声が零れ落ちて止まらない。みっともなくて抑えようとするもままならず、明が動くたびに押し出されるようにして、ひたすら声を上げ続けるのだった。
「声、裏返ってんの可愛い。顔も気持ちよさそうに蕩けさせて――千佳、エロすぎ」
「なっ、なに言って――ひあっ、あ、あ……ッ」
 こんなの可愛いワケないだろ、と返そうとしたけれど、明によって与えられる刺激のせいで上手く喋れない。
 千佳の体は快楽に従順で、明の言葉どおりに表情を蕩けさせてしまっていた。
 内壁も悦ぶように彼に纏わりついてるのがわかる。これが自分の体だなんて、信じられないものがあった。
「ナカうねってる。俺のこと離さねえみてーに吸い付いてきてんの、わかる?」
「言うなよっ! は、ハズいっ……」
「だって、本当のことだし――やべえ、マジで気持ちいいんだけど」
 明は緩やかな律動を続けながら、汗で張り付いた千佳の前髪を払ってくる。眉根を寄せたその表情は色っぽく、また妙に艶めかしく思えてならない。
「なあ、もっと奥……挿れていいか?」
 吐息交じりの掠れた声で尋ねられる。
 千佳は無言のまま、こくりと首を縦に振った。それを合図にして、明が深いところへと腰を押し進めてくる。
「あっ、あ、あぁぁ……ッ」
 明のものが内壁を掻き分けていく。内臓を押し上げられるような圧迫感が凄まじく、千佳は呼吸をすることも忘れて口をパクパクとさせた。
「千佳……ゆっくり息して」
「ん、は、あぁっ……」
 意識を持っていかれそうになって、シーツを握りしめながら荒い呼吸を繰り返す。そうやって時間をかけて挿入していき――そしてやっとの思いで、明と一つになれたのだった。
 二人は大きく息を吐いて、汗ばんだ肌を重ねる。
「俺の……千佳のナカに全部入った」
 どこか感慨深い調子で呟く明に、千佳も充足感で胸がいっぱいになった。
(明のチンコが奥まで入ってる。ちゃんと、セックスしてるんだ……)
 そう考えた途端、また無意識のうちに体内のものを締め付けてしまったようで、明が身を固くしたのがわかった。歯を食いしばって、余裕のない面持ちで睨まれる。
「っ、締め付けんなよ……イキそうになんだろ」
 直接的な言葉に、千佳は思わず笑みを零した。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】女装ロリィタ、職場バレしました

若目
BL
ふわふわ揺れるリボン、フリル、レース。 キラキラ輝くビジューやパール。 かぼちゃの馬車やガラスの靴、白馬の王子様に毒リンゴ、ハートの女王やトランプの兵隊。 ケーキにマカロン、アイシングクッキーにキャンディ。 蔦薔薇に囲まれたお城や猫脚の家具、花かんむりにピンクのドレス。 ロココにヴィクトリアン、アールデコ…… 身長180センチ体重80キロの伊伏光史郎は、そのたくましい見かけとは裏腹に、子どもの頃から「女の子らしくてかわいいもの」が大好きな25歳。 少女趣味が高じて、今となってはロリィタファッションにのめり込み、週末になると大好きなロリィタ服を着て出かけるのが習慣となっていた。 ある日、お気に入りのロリィタ服を着て友人と出かけていたところ、職場の同僚の小山直也と出くわし、声をかけられた。 自分とは体格も性格もまるっきり違う小山を苦手としている光史郎は困惑するが…… 小柄な陽キャ男子×大柄な女装男子のBLです

くまさんのマッサージ♡

はやしかわともえ
BL
ほのぼの日常。ちょっとえっちめ。 2024.03.06 閲覧、お気に入りありがとうございます。 m(_ _)m もう一本書く予定です。時間が掛かりそうなのでお気に入りして頂けると便利かと思います。よろしくお願い致します。 2024.03.10 完結しました!読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m 今月25日(3/25)のピクトスクエア様のwebイベントにてこの作品のスピンオフを頒布致します。詳細はまたお知らせ致します。 2024.03.19 https://pictsquare.net/skaojqhx7lcbwqxp8i5ul7eqkorx4foy イベントページになります。 25日0時より開始です! ※補足 サークルスペースが確定いたしました。 一次創作2: え5 にて出展させていただいてます! 2024.10.28 11/1から開催されるwebイベントにて、新作スピンオフを書いています。改めてお知らせいたします。 2024.11.01 https://pictsquare.net/4g1gw20b5ptpi85w5fmm3rsw729ifyn2 本日22時より、イベントが開催されます。 よろしければ遊びに来てください。

ずっと女の子になりたかった 男の娘の私

ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。 ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。 そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。

熱中症

こじらせた処女
BL
会社で熱中症になってしまった木野瀬 遼(きのせ りょう)(26)は、同居人で恋人でもある八瀬希一(やせ きいち)(29)に迎えに来てもらおうと電話するが…?

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

理香は俺のカノジョじゃねえ

中屋沙鳥
BL
篠原亮は料理が得意な高校3年生。受験生なのに卒業後に兄の周と結婚する予定の遠山理香に料理を教えてやらなければならなくなった。弁当を作ってやったり一緒に帰ったり…理香が18歳になるまではなぜか兄のカノジョだということはみんなに内緒にしなければならない。そのため友だちでイケメンの櫻井和樹やチャラ男の大宮司から亮が理香と付き合ってるんじゃないかと疑われてしまうことに。そうこうしているうちに和樹の様子がおかしくなって?口の悪い高校生男子の学生ライフ/男女CPあります。

男色医師

虎 正規
BL
ゲイの医者、黒河の毒牙から逃れられるか?

好きなあいつの嫉妬がすごい

カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。 ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。 教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。 「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」 ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」

処理中です...