18 / 77
第3話 男同士でヤるってどんな感じ?(6)★
しおりを挟む「何してんだよ」
「デカいチンコ見たくって……つい」
いくら何でも『触りたい』とは言えず――見たいのも本音ではあるし――、そのようなことを安易に口走ったら、勢いよく手を振り払われてしまった。どうしたら友達同士の悪ノリで済むか考えたというのに、完全に失態だった。
「……っとに、デリカシーの欠片もねえヤツ」明が背を向けながら言う。
「いや違う違うっ、そうじゃなくってさ! その、明のはヌかなくていいのかな~って。気持ちよかったし、ノリっつーかお礼にヌいてやっても……いい、みたいな?」
「そろそろ親が帰ってくんだろ。つーかお前、いつまでそんな格好でいるワケ?」
「あ……」
そういえば、まだ下着すら履いていなかった。いそいそと丸出しだったものを仕舞い、床に落ちていたズボンを拾い上げる。
明はというと、帰り支度をしているようで、こちらが視線を送っても見向きもしなかった。何やら上手くあしらわれてしまった気がする。先ほどまでの空気はどこへ行ったのか、千佳はひどく寂しい気持ちになった。
「メシくらい食ってけばいーのに。うちの母ちゃんだって、明に会いたがってたぜ?」
「おばさんには悪いけど、また今度な」
バッグと上着を手にして、明は背を向けたまま立ち上がる。仕方なく、千佳もいつものように玄関まで送ることにした。
だけども、どうしても気になることがあって、
「お前のソレ、ちゃんと前屈みで隠せよな」
靴を履いている明に、内緒話でもするかのように小声で言ってやった。
明は舌打ちをして、こちらの頭を素早く叩いてくる。
「いってえ~」
「クドい。もう治まったっつーの……じゃあな」
ぶっきらぼうに言い放ち、明は足早に去っていった。バタンとドアが閉まる音が聞こえて、家の中が一気にしんと静まり返る。
「ちぇっ、なんだよ」
千佳は不貞腐れたように呟いてから、自室へと戻った。
ベッドに目をやれば、明との行為が思い返されて、胸の奥がきゅんと疼いてしまう。その場のノリとはいえ、まさかあんなことをしてしまうとは思わなかった。
(俺も、明の触りたかったな……アイツみたいに上手くできねーだろうけど)
明の手の感触は鮮烈に残っている。あの手に扱かれて達したのだ――と、考えれば考えるほど体が熱を帯びて、居ても立っても居られなくなる。
「童貞には刺激が強すぎだって……」
ずるずると床に座り込んで、明が触れてくれたところを自分でなぞる。想像だけで興奮してしまったらしく、千佳のものは元気を取り戻していた。
(俺、ズリネタにしようとしてる――幼馴染みだってのに)
結局、この日の千佳は、事あるごとに自身を慰める羽目になった。
なかなか明のことが頭から離れなくて、眠れない夜を過ごしたのは言うまでもない。
「デカいチンコ見たくって……つい」
いくら何でも『触りたい』とは言えず――見たいのも本音ではあるし――、そのようなことを安易に口走ったら、勢いよく手を振り払われてしまった。どうしたら友達同士の悪ノリで済むか考えたというのに、完全に失態だった。
「……っとに、デリカシーの欠片もねえヤツ」明が背を向けながら言う。
「いや違う違うっ、そうじゃなくってさ! その、明のはヌかなくていいのかな~って。気持ちよかったし、ノリっつーかお礼にヌいてやっても……いい、みたいな?」
「そろそろ親が帰ってくんだろ。つーかお前、いつまでそんな格好でいるワケ?」
「あ……」
そういえば、まだ下着すら履いていなかった。いそいそと丸出しだったものを仕舞い、床に落ちていたズボンを拾い上げる。
明はというと、帰り支度をしているようで、こちらが視線を送っても見向きもしなかった。何やら上手くあしらわれてしまった気がする。先ほどまでの空気はどこへ行ったのか、千佳はひどく寂しい気持ちになった。
「メシくらい食ってけばいーのに。うちの母ちゃんだって、明に会いたがってたぜ?」
「おばさんには悪いけど、また今度な」
バッグと上着を手にして、明は背を向けたまま立ち上がる。仕方なく、千佳もいつものように玄関まで送ることにした。
だけども、どうしても気になることがあって、
「お前のソレ、ちゃんと前屈みで隠せよな」
靴を履いている明に、内緒話でもするかのように小声で言ってやった。
明は舌打ちをして、こちらの頭を素早く叩いてくる。
「いってえ~」
「クドい。もう治まったっつーの……じゃあな」
ぶっきらぼうに言い放ち、明は足早に去っていった。バタンとドアが閉まる音が聞こえて、家の中が一気にしんと静まり返る。
「ちぇっ、なんだよ」
千佳は不貞腐れたように呟いてから、自室へと戻った。
ベッドに目をやれば、明との行為が思い返されて、胸の奥がきゅんと疼いてしまう。その場のノリとはいえ、まさかあんなことをしてしまうとは思わなかった。
(俺も、明の触りたかったな……アイツみたいに上手くできねーだろうけど)
明の手の感触は鮮烈に残っている。あの手に扱かれて達したのだ――と、考えれば考えるほど体が熱を帯びて、居ても立っても居られなくなる。
「童貞には刺激が強すぎだって……」
ずるずると床に座り込んで、明が触れてくれたところを自分でなぞる。想像だけで興奮してしまったらしく、千佳のものは元気を取り戻していた。
(俺、ズリネタにしようとしてる――幼馴染みだってのに)
結局、この日の千佳は、事あるごとに自身を慰める羽目になった。
なかなか明のことが頭から離れなくて、眠れない夜を過ごしたのは言うまでもない。
12
□おまけイラスト・漫画はコチラから
https://poipiku.com/401008/
https://poipiku.com/401008/
お気に入りに追加
173
あなたにおすすめの小説

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】
彩華
BL
俺の名前は水野圭。年は25。
自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで)
だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。
凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!
凄い! 店員もイケメン!
と、実は穴場? な店を見つけたわけで。
(今度からこの店で弁当を買おう)
浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……?
「胃袋掴みたいなぁ」
その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。
******
そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?
思い出して欲しい二人
春色悠
BL
喫茶店でアルバイトをしている鷹木翠(たかぎ みどり)。ある日、喫茶店に初恋の人、白河朱鳥(しらかわ あすか)が女性を伴って入ってきた。しかも朱鳥は翠の事を覚えていない様で、幼い頃の約束をずっと覚えていた翠はショックを受ける。
そして恋心を忘れようと努力するが、昔と変わったのに変わっていない朱鳥に寧ろ、どんどん惚れてしまう。
一方朱鳥は、バッチリと翠の事を覚えていた。まさか取引先との昼食を食べに行った先で、再会すると思わず、緩む頬を引き締めて翠にかっこいい所を見せようと頑張ったが、翠は朱鳥の事を覚えていない様。それでも全く愛が冷めず、今度は本当に結婚するために翠を落としにかかる。
そんな二人の、もだもだ、じれったい、さっさとくっつけ!と、言いたくなるようなラブロマンス。

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!
灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。
何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。
仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。
思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。
みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。
※完結しました!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる