幼馴染みとアオハル恋事情

有村千代

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第3話 男同士でヤるってどんな感じ?(6)★

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「何してんだよ」
「デカいチンコ見たくって……つい」
 いくら何でも『触りたい』とは言えず――見たいのも本音ではあるし――、そのようなことを安易に口走ったら、勢いよく手を振り払われてしまった。どうしたら友達同士の悪ノリで済むか考えたというのに、完全に失態だった。
「……っとに、デリカシーの欠片もねえヤツ」明が背を向けながら言う。
「いや違う違うっ、そうじゃなくってさ! その、明のはヌかなくていいのかな~って。気持ちよかったし、ノリっつーかお礼にヌいてやっても……いい、みたいな?」
「そろそろ親が帰ってくんだろ。つーかお前、いつまでそんな格好でいるワケ?」
「あ……」
 そういえば、まだ下着すら履いていなかった。いそいそと丸出しだったものを仕舞い、床に落ちていたズボンを拾い上げる。
 明はというと、帰り支度をしているようで、こちらが視線を送っても見向きもしなかった。何やら上手くあしらわれてしまった気がする。先ほどまでの空気はどこへ行ったのか、千佳はひどく寂しい気持ちになった。
「メシくらい食ってけばいーのに。うちの母ちゃんだって、明に会いたがってたぜ?」
「おばさんには悪いけど、また今度な」
 バッグと上着を手にして、明は背を向けたまま立ち上がる。仕方なく、千佳もいつものように玄関まで送ることにした。
 だけども、どうしても気になることがあって、
「お前のソレ、ちゃんと前屈みで隠せよな」
 靴を履いている明に、内緒話でもするかのように小声で言ってやった。
 明は舌打ちをして、こちらの頭を素早く叩いてくる。
「いってえ~」
「クドい。もう治まったっつーの……じゃあな」
 ぶっきらぼうに言い放ち、明は足早に去っていった。バタンとドアが閉まる音が聞こえて、家の中が一気にしんと静まり返る。
「ちぇっ、なんだよ」
 千佳は不貞腐れたように呟いてから、自室へと戻った。
 ベッドに目をやれば、明との行為が思い返されて、胸の奥がきゅんと疼いてしまう。その場のノリとはいえ、まさかあんなことをしてしまうとは思わなかった。
(俺も、明の触りたかったな……アイツみたいに上手くできねーだろうけど)
 明の手の感触は鮮烈に残っている。あの手に扱かれて達したのだ――と、考えれば考えるほど体が熱を帯びて、居ても立っても居られなくなる。
「童貞には刺激が強すぎだって……」
 ずるずると床に座り込んで、明が触れてくれたところを自分でなぞる。想像だけで興奮してしまったらしく、千佳のものは元気を取り戻していた。
(俺、ズリネタにしようとしてる――幼馴染みだってのに)
 結局、この日の千佳は、事あるごとに自身を慰める羽目になった。
 なかなか明のことが頭から離れなくて、眠れない夜を過ごしたのは言うまでもない。
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