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番外編 アフターストーリー(4)★
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「そろそろコイツの出番かな」
言って、取り出したのはアナルバイブのパッケージである。
先日購入したばかりのそれを開封し、いそいそと乾電池を本体に差し込む。試しに電源を入れてみたら、鈍い振動音が鳴り響いた。
「うわっ、わ……それ、ほんとに使うんですかっ?」
犬塚が眉尻を下げて振り向いてくる。事前に了承は得ていたけれど、初めて見るであろうアダルトグッズには、やはり抵抗があるらしい。
アナルバイブは凸凹の連なったビーズ形状をしている。太さはそれほどでもないものの、長さがあってかなり奥の方まで届く代物だ。いかにもな見た目からして、犬塚がそうなるのも無理はない。
「大丈夫、こういったのも気持ちいいって」
不破はアナルバイブの電源を一度切って、期待に胸を膨らませつつ後孔に宛がった。ローションを追加したうえで、馴染ませるように軽く動かせば、犬塚は熱っぽさを孕んだ吐息を漏らす。
「っ、は……」
「な? 痛くしねェから力抜いてて」
なだめるように囁いて、不破は少しずつアナルバイブを押し進めていった。
裸エプロン姿というだけでも十分そそられるのに、尻を突き出させてこんなにもいかがわしいことをするだなんて。自分で提案しておいてなんだが、これは相当――「ヤバい」としか言いようのない絵面である。少し欲張りすぎたかもしれない。
「あっ、ン……せんぱいっ」
「今の拓哉、最高にエロすぎ――これどう?」
「ううっ、ぼこぼこしてんのっ……ヘンなかんじ、するう」
「ああ、このタイプは引き抜いたときがいいんだってさ」
半分ほど入ったあたりで、今度はゆっくりと引き抜いてみる。すると、即座に犬塚の口から嬌声が上がった。
「ん、あっ! あ、あっ、あぁ……ッ」
凸凹の部分が内壁や後孔を擦っていくのが堪らないのだろう。犬塚はこんな玩具ひとつでも大きく反応を見せ、ビクビクと体を震わせる。
「いい反応。このオモチャ気に入った?」
「はっ、ん……ぁ」
「はは、もうすっかり夢中か」
不破は小さく笑い、再びアナルバイブを沈めた。
先ほどより奥へと挿入してから、抜け落ちるギリギリのところまで抜き挿しすれば、喜悦の声が絶え間なく聞こえてくる。
「あっ、あ――や、んんっ」
「うんうん、たくさん気持ちいいな? これだと奥も前立腺も、一緒に刺激されていーだろ?」
「ん、んっ……いい、きもちいいっ」
不破の言葉どおり、犬塚は初めての感覚に夢中になっているようだった。
顔を覗き込めば、瞳はとろんとしていて、口元からはだらしなく唾液が糸を引いている。流し台についていた手は力が入らなくなったのか、肘をつくような形で崩れ落ちてしまっていた。
だが、そのような状態になってもなお、腰を高く上げたままで快感によがっている――なんとも淫猥な光景に、見ているこちらの方がどうにかなりそうだ。
「なあ、バイブの電源入れていい? もっと拓哉がよがってんの見てェ」
不破は甘えるような口調で言って、犬塚のうなじや背筋に口づけた。
問いかける形ではあったが、最初から答えなど聞くつもりはない。返事を待たずに電源を入れると、ブウゥンという低音とともにアナルバイブが振動し始める。
言って、取り出したのはアナルバイブのパッケージである。
先日購入したばかりのそれを開封し、いそいそと乾電池を本体に差し込む。試しに電源を入れてみたら、鈍い振動音が鳴り響いた。
「うわっ、わ……それ、ほんとに使うんですかっ?」
犬塚が眉尻を下げて振り向いてくる。事前に了承は得ていたけれど、初めて見るであろうアダルトグッズには、やはり抵抗があるらしい。
アナルバイブは凸凹の連なったビーズ形状をしている。太さはそれほどでもないものの、長さがあってかなり奥の方まで届く代物だ。いかにもな見た目からして、犬塚がそうなるのも無理はない。
「大丈夫、こういったのも気持ちいいって」
不破はアナルバイブの電源を一度切って、期待に胸を膨らませつつ後孔に宛がった。ローションを追加したうえで、馴染ませるように軽く動かせば、犬塚は熱っぽさを孕んだ吐息を漏らす。
「っ、は……」
「な? 痛くしねェから力抜いてて」
なだめるように囁いて、不破は少しずつアナルバイブを押し進めていった。
裸エプロン姿というだけでも十分そそられるのに、尻を突き出させてこんなにもいかがわしいことをするだなんて。自分で提案しておいてなんだが、これは相当――「ヤバい」としか言いようのない絵面である。少し欲張りすぎたかもしれない。
「あっ、ン……せんぱいっ」
「今の拓哉、最高にエロすぎ――これどう?」
「ううっ、ぼこぼこしてんのっ……ヘンなかんじ、するう」
「ああ、このタイプは引き抜いたときがいいんだってさ」
半分ほど入ったあたりで、今度はゆっくりと引き抜いてみる。すると、即座に犬塚の口から嬌声が上がった。
「ん、あっ! あ、あっ、あぁ……ッ」
凸凹の部分が内壁や後孔を擦っていくのが堪らないのだろう。犬塚はこんな玩具ひとつでも大きく反応を見せ、ビクビクと体を震わせる。
「いい反応。このオモチャ気に入った?」
「はっ、ん……ぁ」
「はは、もうすっかり夢中か」
不破は小さく笑い、再びアナルバイブを沈めた。
先ほどより奥へと挿入してから、抜け落ちるギリギリのところまで抜き挿しすれば、喜悦の声が絶え間なく聞こえてくる。
「あっ、あ――や、んんっ」
「うんうん、たくさん気持ちいいな? これだと奥も前立腺も、一緒に刺激されていーだろ?」
「ん、んっ……いい、きもちいいっ」
不破の言葉どおり、犬塚は初めての感覚に夢中になっているようだった。
顔を覗き込めば、瞳はとろんとしていて、口元からはだらしなく唾液が糸を引いている。流し台についていた手は力が入らなくなったのか、肘をつくような形で崩れ落ちてしまっていた。
だが、そのような状態になってもなお、腰を高く上げたままで快感によがっている――なんとも淫猥な光景に、見ているこちらの方がどうにかなりそうだ。
「なあ、バイブの電源入れていい? もっと拓哉がよがってんの見てェ」
不破は甘えるような口調で言って、犬塚のうなじや背筋に口づけた。
問いかける形ではあったが、最初から答えなど聞くつもりはない。返事を待たずに電源を入れると、ブウゥンという低音とともにアナルバイブが振動し始める。
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