××な君にヒロイン役は似合わない

有村千代

文字の大きさ
上 下
138 / 142
extra2

おまけSS コスプレ再び!?【後編】 ★ 

しおりを挟む
 自分が今どんな表情を浮かべているのかなんて、わかりきっている。どうしようもなくこの男のことを求めている――到底同性だとは思えないような表情に違いない。
 玲央が黙ったままでいると、雅は耳元に顔を寄せて、
「後ろ、自分でしてくれた?」
「……シャワー浴びたんだから当然だろ」
「嬉しい」
 軽くキスを交わすと、くるりと体を反転させられてうつ伏せになる。
「ローションとゴム取ってくれますか?」
「て、テメェで取れよ」
「玲央さんから渡されたいなあ」
 お断りだ、という返答が出かかって呑み込んだ。ここまできて焦らされようものなら、さすがに耐えられない――備え付けのアメニティのなかから、ローションと避妊具の包みを手に取った。
「とっととしろ、ばかっ……」
 雅は嬉しそうにクスクス笑って受け取るなり、ブルマを少しずらして秘所を露出させてくる。そっとローションを垂らして、馴染ませるように入口をやわやわと揉まれた。
「ぁ、うっ」
「あ、ちゃんと柔らかくなってる」
「いちいち言うなっての。いーから、早く、しろ……っ」
 催促したら、雅が苦笑する気配を感じた。それからベルトを外す音、避妊具のパッケージを開ける音が生々しく聞こえてくる。
「玲央さん、挿れますよ」
 そんな言葉とともに、窄まりに硬い感触が押し当てられて、ゆっくりと彼の先端が潜り込んできた。
「くっ……あ、ぁ……」
 息を吐きながら雅を受け入れる。しかし、どうにも今日は圧迫感がひどく、鈍痛に顔を歪めるばかりだった。
「ばっか……で、デカすぎだろっ! 入んないって……」
「玲央さんが、可愛い恰好で煽るからですよ」
「ンのやろっ……んっ、は……」
 それでもゆっくりと繋がりを深めて、やがてその大きな楔は玲央の体に収まった。
 ところが息をつく間もなく、
「っあ、ああぁっ……!?」
 背後から強く抱きしめられて、思い切り腰を打ち付けられる。余裕のない責め立てに玲央は困惑した。
「ちょ、いきなりっ……あぁ!」
「もう抑えが利かない。玲央さんのこと、めちゃくちゃにしたい」
「ばっ、ばかばかっ! あっ! あン、ああっ……!」
 深く激しい抽送に体を跳ねさせて、ただ喘ぐ。内壁を力強く擦られるたび、得も言われぬ快感が全身を支配して、理性も何もかも薄れていく。
 穏やかな外見とは裏腹に、玲央のことを求める雅は野性的で荒々しい。いつだって翻弄されるのはこちらの方だ。
 容赦のない突き上げに、すぐに頭の芯がぼんやりとしてきた。
「ひあっ……だめ、みやびっ、も――」
「もうイッちゃいそう?」
 コクコクと頷くと、雅の手が自身まで伸びてきた。根本をきつく握られ、滾る熱がそこで塞き止められてしまう。
「なっ、にしてっ……」
「こんなの着てるんだから出しちゃ駄目ですよ。女の子みたいにイクことできるでしょ?」
「え……み、みやびっ!?」
「ほら、頑張って? 乳首もいじってあげるから」
 雅は小さく笑うと、片手で玲央の胸元を再び弄ってくる。小さな尖りを探し当てるなり、爪を立ててカリカリと引っ掻かれた。
「んあっ、や……やあっ、あっ」
 なおも荒々しい腰使いは止まず、一番敏感な箇所を執拗に責められる。
 もう限界だというのに達することができず、行き場のない熱が膨れあがって、どうにかなってしまいそうだ。
「や、ああっ、むり、むりぃっ……みやび、たのむからぁっ」
「あれ? まだ足りない? じゃあ、耳も――」
「ひっ、ああぁ……ッ」
 耳朶を食まれて甘噛みされれば、もう堪ったものではなく、背筋がゾクゾクと震える。その震えは次第に全身へと伝わっていき、止めどなく与えられる快感が脳天を突き抜けた。
「だめ、だって、も、そんなされたらあっ!」
「ん、イッて玲央さん」
「あっあ! ン、あああぁ……ッ!」
 体を痙攣させながら強い絶頂を味わう。目の前をチカチカと星が舞い、全身から力が抜けて、玲央は崩れるようにベッドに突っ伏した。
 玲央のものは未だに昂ったままで絶頂感から抜け出せず、ぼんやりとした意識で体勢を変えて、雅の方に目を向ける。
 雅は荒い息を吐きながら避妊具を外していた。ゴムの先に溜まった白濁から、彼もまた達したことを遅れて知る。
「ちゃんと出さずにイけましたね」
 目と目が合うと、まるで小さな子供を褒めるかのように、雅が優しい声色で口にした。ところが、すぐにイタズラっぽい笑みを作って、
「俺も、すごく気持ちよくてイッちゃった。ね、玲央さん、もう一つゴム取って?」
「お前な……」
「俺が一回くらいじゃ満足しないのわかってるでしょ? それに、玲央さんだってエッチするの大好きなくせに」
「べ、別に俺はっ」
「嘘。今だって求めてる」
「………………」
 変態まがいのことを強いられ、激しく抱かれているというのに、途方もなく彼を求めてしまう自分は何なのだろう。ふと思うも、おそらく考えるだけ無駄だ。
「……好きにしろよ」
 玲央は新しい避妊具を取ってから、雅の頭を引き寄せる。そして、誘うように唇を重ねたのだった。
しおりを挟む
■同人誌版はコチラ
https://twitter.com/tiyo_arimura_/status/1583739195453222912

■この作品のイラスト・漫画まとめはコチラ
https://twitter.com/i/moments/1263670534077743106

■カップリング・キャラ投票(無期限)はコチラ
https://customform.jp/form/input/52334/
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

旦那様と僕・番外編

三冬月マヨ
BL
『旦那様と僕』の番外編。 基本的にぽかぽか。

告白ゲームの攻略対象にされたので面倒くさい奴になって嫌われることにした

雨宮里玖
BL
《あらすじ》 昼休みに乃木は、イケメン三人の話に聞き耳を立てていた。そこで「それぞれが最初にぶつかった奴を口説いて告白する。それで一番早く告白オッケーもらえた奴が勝ち」という告白ゲームをする話を聞いた。 その直後、乃木は三人のうちで一番のモテ男・早坂とぶつかってしまった。 その日の放課後から早坂は乃木にぐいぐい近づいてきて——。 早坂(18)モッテモテのイケメン帰国子女。勉強運動なんでもできる。物静か。 乃木(18)普通の高校三年生。 波田野(17)早坂の友人。 蓑島(17)早坂の友人。 石井(18)乃木の友人。

初体験

nano ひにゃ
BL
23才性体験ゼロの好一朗が、友人のすすめで年上で優しい男と付き合い始める。

キンモクセイは夏の記憶とともに

広崎之斗
BL
弟みたいで好きだった年下αに、外堀を埋められてしまい意を決して番になるまでの物語。 小山悠人は大学入学を機に上京し、それから実家には帰っていなかった。 田舎故にΩであることに対する風当たりに我慢できなかったからだ。 そして10年の月日が流れたある日、年下で幼なじみの六條純一が突然悠人の前に現われる。 純一はずっと好きだったと告白し、10年越しの想いを伝える。 しかし純一はαであり、立派に仕事もしていて、なにより見た目だって良い。 「俺になんてもったいない!」 素直になれない年下Ωと、執着系年下αを取り巻く人達との、ハッピーエンドまでの物語。 性描写のある話は【※】をつけていきます。

視線の先

茉莉花 香乃
BL
放課後、僕はあいつに声をかけられた。 「セーラー服着た写真撮らせて?」 ……からかわれてるんだ…そう思ったけど…あいつは本気だった ハッピーエンド 他サイトにも公開しています

泣き虫な俺と泣かせたいお前

ことわ子
BL
大学生の八次直生(やつぎすなお)と伊場凛乃介(いばりんのすけ)は幼馴染で腐れ縁。 アパートも隣同士で同じ大学に通っている。 直生にはある秘密があり、嫌々ながらも凛乃介を頼る日々を送っていた。 そんなある日、直生は凛乃介のある現場に遭遇する。

処理中です...