硝子の大瓶

しゃんゆぅ

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嫉妬

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嗚呼
悔しい悔しい
知らなかった彼の方の詩
私と似た題材の詩
彼の方の詩と比べて
私の詩の何と薄っぺらいことか
油紙にすらならないこの詩よ

悔しい悔しい
彼の方の詩の世界
なまめかしく私の眼前に現れる世界
どろりと私の胸に沈み込み
素晴らしい芳香だけを残して跡形も無く消え去る
シグ・サルアの花の蜜
有るけれど無い 花の蜜

悔しい悔しい
彼の方の世界をもっと見たい
何故私の目は二つしかないのか

悔しい悔しい
彼の方の様な詩が書きたい
誰にも評価されなくて良い
ただただ自分のために
良い香りの作品を作りたい







※シグ・サルアは上橋菜穂子先生の「精霊の守り人」に出てくるお花です。
面白いので是非
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