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彼の事2
しおりを挟む夕飯を終え、レオと一緒に寝室に行き、部屋に入ったとたんレオに抱きしめられた。
「え?!どうしたの?」
「桜のこと触れなくて桜不足」
「は?朝十分に触ってきたじゃない」
「足りない」
「足りなくない!そうそう、人のいるところで抱きつかないでよ!」
「むり」
「無理じゃない!恥ずかしいんだから」
私はその時のことを思い出し、顔が赤くなっていく感じがした。
「顔、赤くなって可愛い」
「可愛くな…んっ…」
私が言おうとすると、レオがキスをしてきた。
「んんんっ……」
だんだん激しいなり、舌を入れてきた。
「んっ…ふぁっ…んんっ…」
しばらくして、やっと終わった。
「はぁっ、はぁっ… 今日はしないからね」
「分かってるよ。桜が俺のこと好きになるまで我慢する。だから、起きたときと寝るときにキスさせろ」
「いやよ」
「じゃあ、昨日と同じことする」
「わ、分かった!分かったから!キスするから!」
「ん。ならいい」
レオは、満足そうな顔で微笑んだ。
その日の夜は、抵抗したが抱きしめられて寝た。
次の日の朝、起きたときには、隣にレオの姿がなく、セレナさんに聞くと、仕事に行ったと言っていた。
「桜様。お食事が終わりましたら、陛下がお呼びですので着替えてから執務室に向かいましょう」
「分かった」
食事を終え私は着替えるため部屋に戻ると、箱が置いてあった。
「こんな箱、今朝はなかったよね?」
「これは、陛下が準備されたドレスですよ」
「レオからの?」
「はい。では、このドレスに着替えましょうか」
セレナさんはそう言って、箱を開けた。
箱の中にはピンク色のドレスが入っていて、取り出してみると、スカートが少しふんわりとしていて、レースが所々に付いていた。
「あの、着方が分からないので、手伝ってもらってもいいですか?」
「勿論です。そのためにも私がいるんですよ。では、着替えてからお化粧と髪の毛を結いましょうか」
「はい。お願いします」
数分後にはすべて整い、鏡をみると別人のようになっていた。
「すごい!別人みたい!」
「桜様の元が良かったんですよ」
「いやいや!綺麗にしてくれてありがとうございます!」
「いえ、桜様を綺麗にするのは楽しかったですよ。では、執務室に向かいましょうか」
「はい」
部屋を出て廊下を歩いていると、窓から綺麗な庭園が見えた。
「わぁっ!綺麗!」
「あの、庭園はこのお城の自慢ですよ。あとで行ってみますか?」
「うん!楽しみ~!」
セレナさんと話していると執務室に着いた。
「ここが執務室ですよ」
セレナさんはそう言ってドアを叩くと、中からレオの声が聞こえた。
「誰だ?」
「セレナです。桜様をお連れしました」
「そうか!入ってきていいぞ」
「失礼します」
セレナさんがドアを開けてくれたので中に入ると、何かに抱きしめられた。
「え?!レオ?!」
「会いたかった」
レオはそう言って私の頭にこめかみを擦り付けてきた。
「ちょっと!人前で抱きつかないって言ったじゃない!」
「こいつらの前なら別にいいだろ」
「いやだ!へ?こいつら?」
私はレオ以外にはセレナさんしかいないと思っていたので、部屋を見渡すとアーサーさんがいた。
「アーサーさん!?いつからそこに!?」
「アーサーは最初からいたぞ。俺の側近だからな」
アーサーさんは私の方を向き会釈したので、私もした。
「陛下、早く仕事してください。また、溜まりますよ」
「分かってるよ。桜、すぐに終わるからそこの椅子に座って待っててくれるか?」
「分かった。だから、早く離してよ」
レオはしぶしぶといった様子で離してくれ、机に戻っていった。
「そうそう桜、ドレス似合ってる」
レオは私を見て、思い出したかのように微笑みながら言った。
「あ、ありがとう」
私は誉められて赤面しそうな顔を必死に冷まそうとした。
「そういえば、何で私のこと呼んだの?」
「お前に会いたかったのと、一緒に昼食を食べようと思ったからだ」
その言葉を聞いて、私は頬が赤くなっているのを感じた。
レオが言ったように仕事はすぐに終わった。
食堂に行くため廊下を歩いていると、さっきみた庭園が見えた。
「綺麗だな~」
「ん?ああ、庭園のことか。行ってみるか?昼食には少し早いからな」
「いいの?やった!」
私たちは、庭園に入り色んな花を見た。
見たことのある花もあったが、見たことのない花の方が多かった。
「え!?これって薔薇!?」
「そうだが、それがどうしたんだ?」
「着色とかしてないよね?」
「ああ」
「わぁ!!凄い!咲いてる!本物の青い薔薇だ!」
「何でそんなにびっくりしてるんだ?」
「日本は青い薔薇はなくて、着色したものしかったから見たことなくて」
「そうだったのか」
レオはそう言って、声を上げて笑った。
「むぅ、笑いすぎよ」
「すまん。クククッ」
「もうっ」
私がレオの笑顔を見てドキッとしたことは秘密。
その後、昼食を食べてからレオと別れた。
「午後は、部屋から出るなよ」
「??何で?」
「大事な客が来るからだ」
「分かった」
「よし。じやあな。いい子にしてろよ」
レオはそう言って私の額にキスをしてから執務室に行った。
私の胸はドキドキと煩くなっていたが、見てみぬふりをした。
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