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第6話 三日月のように眼を細める

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「つきあっちゃえば?」
と、友人が言う
きみは冷や汗をかいている
わたしはただ 笑っている


 仲がいい男友だちがいた。彼の友人は、「そんなに仲がいいのなら、つきあえばいい」と言った。
 本当は、つきあっていた。わたしたちは、単なる友だちではなかった。
 ただ、のか、のか、わたしにはわからなかった。

 彼は、わたしと別れないままで、べつの女性ともつきあっていた。
 よそで浮名を流しつつ、わたしを離そうとしなかった。

 わたしとつきあっていることが恥ずかしくて、隠したかったのか。最後はわたしのところへ帰ってくるつもりだったのか。
 彼の友人にからかわれるたびに、「なにもかもを暴露してやろうか」と、わたしは露悪的な気分で笑っていた。

 みじめで、苦しい恋をしていた。
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