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第5話 ロリータ服のヒロイン
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「女の敵は女」
されど ピンチのときに駆けつける
そなたの名も 女
大昔、わたしはロリータだった。
平日の夕方、電車に乗っていると、男性が隣(左側)に座った。
車両にはわたしとそのひとだけ。席はがらがらなのに、どうして隣に座ってきたのだろう。
痴漢だろうか。でも、なにもされていないし……考えすぎかな。
ロリータ服をじっくり見たいだけかもしれない。
もし、そうだったら、騒ぎ立てるのは気の毒だ。
そんなふうに考えて、席を移動するのも、車両を移動することもできず、じっと息をひそめていた。
すると、べつの車両からロリータの女性がやって来た。
彼女はわたしと男性を目にするなり、「ドドドドドドドドド……」と、駆け込んできた。
彼女はロッキンホースを履いていたが、俊敏だった。迷いなく、わたしの隣(右側)に座った。
彼女の勢いに、男性は恐れをなしたのか、べつの車両へと移っていった。
わたしは頭を下げ、「ありがとうございます」と、彼女にお礼を言った。
彼女は無言のまま、頭を下げた。武士のようだった。
きっと、彼女はロリータ服を着ていて、いやな目に遭ったことがあるのだろう。
わたしを案じて、助けてくれたのだろう。
彼女はMoi-même-Moitié(MALICE MIZERのManaさまのブランド)のお洋服を着ていた。真っ黒×ロイヤルブルー。
わたしはBaby, the Stars Shine Bright(下妻物語で深田恭子さんが着用したブランド)のお洋服だった。全身真っ白。
それから、わたしたちは一言も交わさずに、手を振って別れた。
夕日を背に、駆けつけてくれた彼女はとても美しかった。
されど ピンチのときに駆けつける
そなたの名も 女
大昔、わたしはロリータだった。
平日の夕方、電車に乗っていると、男性が隣(左側)に座った。
車両にはわたしとそのひとだけ。席はがらがらなのに、どうして隣に座ってきたのだろう。
痴漢だろうか。でも、なにもされていないし……考えすぎかな。
ロリータ服をじっくり見たいだけかもしれない。
もし、そうだったら、騒ぎ立てるのは気の毒だ。
そんなふうに考えて、席を移動するのも、車両を移動することもできず、じっと息をひそめていた。
すると、べつの車両からロリータの女性がやって来た。
彼女はわたしと男性を目にするなり、「ドドドドドドドドド……」と、駆け込んできた。
彼女はロッキンホースを履いていたが、俊敏だった。迷いなく、わたしの隣(右側)に座った。
彼女の勢いに、男性は恐れをなしたのか、べつの車両へと移っていった。
わたしは頭を下げ、「ありがとうございます」と、彼女にお礼を言った。
彼女は無言のまま、頭を下げた。武士のようだった。
きっと、彼女はロリータ服を着ていて、いやな目に遭ったことがあるのだろう。
わたしを案じて、助けてくれたのだろう。
彼女はMoi-même-Moitié(MALICE MIZERのManaさまのブランド)のお洋服を着ていた。真っ黒×ロイヤルブルー。
わたしはBaby, the Stars Shine Bright(下妻物語で深田恭子さんが着用したブランド)のお洋服だった。全身真っ白。
それから、わたしたちは一言も交わさずに、手を振って別れた。
夕日を背に、駆けつけてくれた彼女はとても美しかった。
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