優柔不断なちょろインは求婚者からの溺愛を断れない

episode.81

その後私は王子に家まで送ってもらった。
レイに貰った指輪に探知魔法がかかってるから家にいないとバレるかなという話をしたら、今日は忙しいからそんな暇はないのではと言われた。

「リオンあなた、レイに束縛されすぎじゃないですか？その指輪私が外してあげましょうか？」
どうやら王子くらいの魔力があればかけた本人じゃなくても外せるらしい。
でも勝手に外してレイと王子が揉めても嫌なので大丈夫ですと言っておいた。
帰り際にまた来ますねと言って手の甲にキスをして帰っていった。

私は自分の部屋に入ると勢いよく机に突っ伏した。
さっきまでの事を思い出して恥ずかしくなっているのだ。

王子に私に会いたかったと自分でわざわざ言わせた事や、ガーデンを手を繋いで歩いた事、好きと言われキスされた事など1日を振り返っていた。

私は今まで王子の好意は気づかないふりをしていた。
最初にフラグが立ったような気がした時もとりあえずおいておいた。
それを認めてしまうと王子との関係が進んでしまう気がしたからだ。

でも今日自分からはっきりさせてしまった。
なんでそんな事言ってしまったのかわからないが、何故か王子の気持ちを聞きたかったのだ。
（しかもこれって完成に逆ハールートだ……）

今までは見て見ぬふりを続けていたが、私は今逆ハーレムルートに突入している。

ただゲームと違うところは、私を好きな人は今のところ3人という事。

ゲームだと満遍なく好感度を上げるが、私はそんな事をしようと思っていないので他の対象者とは特にフラグは立っていない。

ゲームでは逆ハーレムルートはハッピーエンドで終わるがここは現実世界、ハッピーエンドになるはずはない。

こんな時はメアリーにアドバイスをもらおうか。
そもそもメアリーにも聞きたい事があったのに学校ではなかなか会えないのだ。

明日校内を探してみようと思う。
偶然会えればいいのだが。