上 下
68 / 106

episode.55

しおりを挟む
毎週末はレイの家に行っているのだが、いつも行くのは午後なので午前中に買い物に行く事にした。

ネックレスや指輪などのアクセサリーは友達から貰ったらちょっと重いかなと思ったので髪飾りをあげる事にした。

やっぱり魔法石がついたものがいいかなと思い専門店に行ってみた。

たくさんのアクセサリーが並んでいる。
ここのお店は石の加工などもやってくれるらしい。

私はその中でボルドーっぽい色とピンクの花がついた髪飾りをアンナのプレゼントに決めた。
自分のも買おうかなと悩んでいると、店に入ってきた男性に声をかけられた。

「あれ、レイの婚約者の、えーとリオン嬢だ」
振り向くとオレンジ色で短髪のセシルが立っていた。
「あ!お久しぶりです。入学式以来ですよね?アーネット様もお買い物ですか?」
「いや、ちょっとお手伝いがあってね。たまにこの店に来てるんだ」
彼は魔法省長官の息子だから魔法関係で用事があったのだろう。

「そんなことよりそのネックレスすごいね」
セシルはこの前レイから貰ったネックレスをまじまじと見つめた。

「というよりリオン嬢自体がすごいね」
セシルは少し驚いた表情の笑いを浮かべている
(え?どういうことなんだろ)

「ネックレスにも半端ない魔法が付与されてるし、指輪にもついてるだろ?しかもリオン嬢自体にかけられてる魔法ってかけた方もかなりの魔力がいるんだよね。それを継続的にかけてるなんてすごいよ」
どうせレイがかけたんでしょと言ってセシルは笑っていた。

「そんなすごいんですね。私魔力があまりないから気づかなかったです」
私はネックレスを手に取って見た。

「それだけの魔法付与されてるって国王陛下レベルだよ。普通の貴族だったらそんなにいらないのにレイはリオン嬢のこと溺愛しすぎだね」
セシルにそんな事を言われ私は頬が少し熱くなった。

話していて少し時間が遅くなってしまったので、アンナのプレゼント分だけ購入して店を後にした。

その後すぐに家に帰り支度を済ませレイの家に向かう。
家に着き部屋に行くとレイは唐突に質問してきた。

「午前中はどこに行っていたのですか?」
(ん?んん?)
私は混乱した。

レイはニコニコしながら私の小指にはめてある指輪をコンコンと指先した。
私はハッとして指輪を見た。
(ああーそういえばこの指輪探知魔法がかけられているんだった)

「実は今日買い物に行っていたのです。アンナにプレゼントをあげようと思いまして」

レイはちょっと拗ねたような感じで私を抱き寄せてきた。
「なんで私を誘ってくれないんですか?一緒に行くのだったら着て行くドレスも送ったし、プレゼントも買ってあげたかったのに。それに一人で行かせるのは心配です」
心配されているところ悪いが私は今日サッと行って帰ってきたかったのだ。

「今日はすぐに済む用事だったので、今度ゆっくり出かけましょう」
そう言って私はレイを抱きしめた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

最悪なお見合いと、執念の再会

当麻月菜
恋愛
伯爵令嬢のリシャーナ・エデュスは学生時代に、隣国の第七王子ガルドシア・フェ・エデュアーレから告白された。 しかし彼は留学期間限定の火遊び相手を求めていただけ。つまり、真剣に悩んだあの頃の自分は黒歴史。抹消したい過去だった。 それから一年後。リシャーナはお見合いをすることになった。 相手はエルディック・アラド。侯爵家の嫡男であり、かつてリシャーナに告白をしたクズ王子のお目付け役で、黒歴史を知るただ一人の人。 最低最悪なお見合い。でも、もう片方は執念の再会ーーの始まり始まり。

傾国の聖女

恋愛
気がつくと、金髪碧眼の美形に押し倒されていた。 異世界トリップ、エロがメインの逆ハーレムです。直接的な性描写あるので苦手な方はご遠慮下さい(改題しました2023.08.15)

悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない

陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」 デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。 そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。 いつの間にかパトロンが大量発生していた。 ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?

女性の少ない異世界に生まれ変わったら

Azuki
恋愛
高校に登校している途中、道路に飛び出した子供を助ける形でトラックに轢かれてそのまま意識を失った私。 目を覚ますと、私はベッドに寝ていて、目の前にも周りにもイケメン、イケメン、イケメンだらけーーー!? なんと私は幼女に生まれ変わっており、しかもお嬢様だった!! ーーやった〜!勝ち組人生来た〜〜〜!!! そう、心の中で思いっきり歓喜していた私だけど、この世界はとんでもない世界で・・・!? これは、女性が圧倒的に少ない異世界に転生した私が、家族や周りから溺愛されながら様々な問題を解決して、更に溺愛されていく物語。

明智さんちの旦那さんたちR

明智 颯茄
恋愛
 あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。  奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。  ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。  *BL描写あり  毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。

転生したら避けてきた攻略対象にすでにロックオンされていました

みなみ抄花
恋愛
睦見 香桜(むつみ かお)は今年で19歳。 日本で普通に生まれ日本で育った少し田舎の町の娘であったが、都内の大学に無事合格し春からは学生寮で新生活がスタートするはず、だった。 引越しの前日、生まれ育った町を離れることに、少し名残惜しさを感じた香桜は、子どもの頃によく遊んだ川まで一人で歩いていた。 そこで子犬が溺れているのが目に入り、助けるためいきなり川に飛び込んでしまう。 香桜は必死の力で子犬を岸にあげるも、そこで力尽きてしまい……

処理中です...