39 / 106
episode.32
しおりを挟む
王子とのダンスを終えて戻ってくるとレイの姿がなかった。
どうも魔法教諭に呼ばれてしまったそうなのだ。
「殿下宜しければ飲み物をどうぞ。グランチェスタ嬢も宜しければ」
横からスッと飲み物を渡された。
「ありがとう、嬉しいわ」
私は渡された飲み物を飲み干す。
そんな真面目で知的な印象の彼は宰相の息子のアルバート・スミス。
背が高くすらっとしていてメガネがとてもよく似合うイケメンだ。
もちろん攻略対象者である。
「私も一曲お願いしたいところですが、もうお疲れだと思いますので次回お願いできますか?」
そう言うと彼は私の手の甲にキスをした。
「こらこらアルバート、レイに怒られるぞ」
王子はニヤリと笑った。
「怒るのはレイだけですか?」
アルバートは微笑を浮かべる。
お互い笑顔なのだが火花が散っているように見える。
私はワタワタしながらどうすることも出来ずにいた。
なぜか異様な空気の流れる中やっとレイが戻ってきた。
「すみません、遅くなりました。リオン大丈夫でしたか?」
私は何事もなかったかのように大丈夫とだけ答えた。
余計な事を言ってあまり心配させるのも良くない。
レイは何となく空気を察してか、もう帰りましょうと言い私の手を引いて馬車に向かった。
馬車に乗るとレイは私の肩を引き寄せた。
「今日はリオンとずっと一緒にいようと思っていたのですが、邪魔ばっか入ってしまいすみません」
レイは眉も耳の下がりシュンっとしている。
「そんな事ないです。いろいろ付き合いもありますし、今日は連れて来て頂いてありがとうございました」
私はめいいっぱいの笑顔をレイに向けた。
レイの顔が綻び、私の頭を撫でて額にキスをする。
「殿下や、アルバートに何かされていないですか?リオンは可愛いから私から離れていってしまわないか心配なんです」
レイは私の頬に手を添えて唇にキスをする。
「レイは心配しすぎです。そんなに心配しなくても私が好きなのはレイだけですよ」
私はレイの首に腕を回し口付けをした。
レイの尻尾が大きく動く。
私を抱きしめ角度を変えながら何回もキスをされた。
どうも魔法教諭に呼ばれてしまったそうなのだ。
「殿下宜しければ飲み物をどうぞ。グランチェスタ嬢も宜しければ」
横からスッと飲み物を渡された。
「ありがとう、嬉しいわ」
私は渡された飲み物を飲み干す。
そんな真面目で知的な印象の彼は宰相の息子のアルバート・スミス。
背が高くすらっとしていてメガネがとてもよく似合うイケメンだ。
もちろん攻略対象者である。
「私も一曲お願いしたいところですが、もうお疲れだと思いますので次回お願いできますか?」
そう言うと彼は私の手の甲にキスをした。
「こらこらアルバート、レイに怒られるぞ」
王子はニヤリと笑った。
「怒るのはレイだけですか?」
アルバートは微笑を浮かべる。
お互い笑顔なのだが火花が散っているように見える。
私はワタワタしながらどうすることも出来ずにいた。
なぜか異様な空気の流れる中やっとレイが戻ってきた。
「すみません、遅くなりました。リオン大丈夫でしたか?」
私は何事もなかったかのように大丈夫とだけ答えた。
余計な事を言ってあまり心配させるのも良くない。
レイは何となく空気を察してか、もう帰りましょうと言い私の手を引いて馬車に向かった。
馬車に乗るとレイは私の肩を引き寄せた。
「今日はリオンとずっと一緒にいようと思っていたのですが、邪魔ばっか入ってしまいすみません」
レイは眉も耳の下がりシュンっとしている。
「そんな事ないです。いろいろ付き合いもありますし、今日は連れて来て頂いてありがとうございました」
私はめいいっぱいの笑顔をレイに向けた。
レイの顔が綻び、私の頭を撫でて額にキスをする。
「殿下や、アルバートに何かされていないですか?リオンは可愛いから私から離れていってしまわないか心配なんです」
レイは私の頬に手を添えて唇にキスをする。
「レイは心配しすぎです。そんなに心配しなくても私が好きなのはレイだけですよ」
私はレイの首に腕を回し口付けをした。
レイの尻尾が大きく動く。
私を抱きしめ角度を変えながら何回もキスをされた。
72
お気に入りに追加
356
あなたにおすすめの小説
最悪なお見合いと、執念の再会
当麻月菜
恋愛
伯爵令嬢のリシャーナ・エデュスは学生時代に、隣国の第七王子ガルドシア・フェ・エデュアーレから告白された。
しかし彼は留学期間限定の火遊び相手を求めていただけ。つまり、真剣に悩んだあの頃の自分は黒歴史。抹消したい過去だった。
それから一年後。リシャーナはお見合いをすることになった。
相手はエルディック・アラド。侯爵家の嫡男であり、かつてリシャーナに告白をしたクズ王子のお目付け役で、黒歴史を知るただ一人の人。
最低最悪なお見合い。でも、もう片方は執念の再会ーーの始まり始まり。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
女性の少ない異世界に生まれ変わったら
Azuki
恋愛
高校に登校している途中、道路に飛び出した子供を助ける形でトラックに轢かれてそのまま意識を失った私。
目を覚ますと、私はベッドに寝ていて、目の前にも周りにもイケメン、イケメン、イケメンだらけーーー!?
なんと私は幼女に生まれ変わっており、しかもお嬢様だった!!
ーーやった〜!勝ち組人生来た〜〜〜!!!
そう、心の中で思いっきり歓喜していた私だけど、この世界はとんでもない世界で・・・!?
これは、女性が圧倒的に少ない異世界に転生した私が、家族や周りから溺愛されながら様々な問題を解決して、更に溺愛されていく物語。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
転生したら避けてきた攻略対象にすでにロックオンされていました
みなみ抄花
恋愛
睦見 香桜(むつみ かお)は今年で19歳。
日本で普通に生まれ日本で育った少し田舎の町の娘であったが、都内の大学に無事合格し春からは学生寮で新生活がスタートするはず、だった。
引越しの前日、生まれ育った町を離れることに、少し名残惜しさを感じた香桜は、子どもの頃によく遊んだ川まで一人で歩いていた。
そこで子犬が溺れているのが目に入り、助けるためいきなり川に飛び込んでしまう。
香桜は必死の力で子犬を岸にあげるも、そこで力尽きてしまい……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる