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episode.19
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「そういえば」
サンドイッチが食べ終わり私達は食後のお茶を飲んでいる。
「実は王子の側近候補になったんですよね」
ゴフッ私はお茶をむせてしまった。
ゴホゴホ
レイは大丈夫ですかと背中をさすってくれる。
「な、なんでそんなことに。もう候補の方って4人いらっしゃいますよね?」
「父上に話をつけたらそういうことになったんです。というより側近の話したことありましたっけ?」
はて?と顎に手を当てて考えている。
「ああーえっと、お茶会で他の令嬢達が話しているのを聞きまして。皆噂話が大好きなので」
なるほどとレイは頷く。
これでレイは攻略キャラ対象になってしまった。
ヒロインが選ばないことを祈るしかないけど、運任せである事には変わりない。
私はがっかり肩を落とす。
「どうしたんです?何か落ち込むことでも?」
レイは私を下から覗き込む。
「実は学園に入学したら他の令嬢がレイに興味を持つかもと不安で…」
これはヒロインだけじゃなく他の生徒にも当てはまることだ。
よくよく考えればレイを含む攻略対象者達は、皆見目麗しい。そんな人達にヒロイン以外が近づいてこないなんて考えられない。
そんな不安そうな顔をしているとレイは私の肩をぐっと引き寄せた。
「そんな心配しなくても僕はあなた以外興味はありません。それに実は獣人て本能で相手がつがいかわかるのものみたいで、リオンと出会った時以上の衝撃はありえませんよ」
私を見てにっこり微笑んでくれる。
そう言ってもらえると安心する。
(あっそうだ!)
私はおもむろにリボンの付いた小さな包みを取り出す。
「あの、これ指輪のお礼です」
その包みをレイに手渡した。
「開けても?」
コクリと頷く。
中から出てきたのはピンクの花を刺繍したハンカチ。
実はちょっとずつ刺繍を進めていたのだ。
「ありがとうございます。こんな嬉しいプレゼントが貰えると思ってなかったです」
レイは嬉しそうな顔で私を抱きしめてきた。
いつもだったらこんな人前は恥ずかしのだが、なぜかお礼を言われて照れてしまったのでしばらくレイの腕の中にいた。
サンドイッチが食べ終わり私達は食後のお茶を飲んでいる。
「実は王子の側近候補になったんですよね」
ゴフッ私はお茶をむせてしまった。
ゴホゴホ
レイは大丈夫ですかと背中をさすってくれる。
「な、なんでそんなことに。もう候補の方って4人いらっしゃいますよね?」
「父上に話をつけたらそういうことになったんです。というより側近の話したことありましたっけ?」
はて?と顎に手を当てて考えている。
「ああーえっと、お茶会で他の令嬢達が話しているのを聞きまして。皆噂話が大好きなので」
なるほどとレイは頷く。
これでレイは攻略キャラ対象になってしまった。
ヒロインが選ばないことを祈るしかないけど、運任せである事には変わりない。
私はがっかり肩を落とす。
「どうしたんです?何か落ち込むことでも?」
レイは私を下から覗き込む。
「実は学園に入学したら他の令嬢がレイに興味を持つかもと不安で…」
これはヒロインだけじゃなく他の生徒にも当てはまることだ。
よくよく考えればレイを含む攻略対象者達は、皆見目麗しい。そんな人達にヒロイン以外が近づいてこないなんて考えられない。
そんな不安そうな顔をしているとレイは私の肩をぐっと引き寄せた。
「そんな心配しなくても僕はあなた以外興味はありません。それに実は獣人て本能で相手がつがいかわかるのものみたいで、リオンと出会った時以上の衝撃はありえませんよ」
私を見てにっこり微笑んでくれる。
そう言ってもらえると安心する。
(あっそうだ!)
私はおもむろにリボンの付いた小さな包みを取り出す。
「あの、これ指輪のお礼です」
その包みをレイに手渡した。
「開けても?」
コクリと頷く。
中から出てきたのはピンクの花を刺繍したハンカチ。
実はちょっとずつ刺繍を進めていたのだ。
「ありがとうございます。こんな嬉しいプレゼントが貰えると思ってなかったです」
レイは嬉しそうな顔で私を抱きしめてきた。
いつもだったらこんな人前は恥ずかしのだが、なぜかお礼を言われて照れてしまったのでしばらくレイの腕の中にいた。
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