求婚者達に溺愛されすぎて死にそうです！ 〜乙女ゲーム攻略ダイアリー〜

episode.17

お風呂に入ってすっきりした。
さて、と。
乙女ゲーム攻略日記を開きながら今日の出来事を思い出す。

やっぱりパーティーにいたあのバーガンディ色の髪の毛の赤いドレスを着た令嬢はアンナだ。

アンナ・シュバルツ。
彼女は乙女ゲームSecondシリーズのヒロインだ。
まさかSecondシリーズのヒロインまで登場してくるとは。
もしオープニングが始まるとしたら私の入学と被る。
Firstシリーズの次の年がSecondシリーズの舞台。私とアンナは同学年になるという事だ。

攻略対象は視察にきた隣国の王子とその執事、王子を狙う暗殺者に、学園内に潜むスパイとアンナの義理の弟の5人だ。

皆性格の癖が強いためにアンナ自身もヒロインというよりかは悪役令嬢タイプになっている。

しかもハッピーエンドがほとんどバッドエンドみたいなもので、ゲームとしては斬新で面白かったけど、現実だったら誰も選びたくはない。

もしゲームの流れで進むのであればアンナは5人のうちの誰かを選ぶ。
そうなれば不幸になることは確実。
それがわかってて止めないのは心苦しい。

まだ友達にもなってないけど、アンナのことはよく知っている。
そっちの方もどうにかしていきたい。

しかし何故今日アンナが来ていたのかわからない。
誰か知り合いでもいたのだろうか。

それにしてもまさか私に攻撃魔法も付与していたとは。
しかも好意がある相手が触れるとお仕置き攻撃があるとか。
私を誰にも触らせたくないっていう独占欲はすごいが、そこまではやめてほしいと思った。

王子との微妙なフラグはとりあえずおいておくことにする。