高スペックな義兄弟が出来たのですが。

ぱふぱふ

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見つけたⅠ side市原

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 俺は子供の時から人の顔を伺うタイプで、正直人をあんまり信じていないひねくれた子供。でも人の事はよく見ている方だったから周りからは評判が良かった、と思う。多分。
 俺は他人と関わっていくうちに、段々と深く関わる事へと嫌悪感とかが出てきて周りと一定の距離を置いていて、親友と呼べる人なんていなかった。というか友達すら怪しい。

 そんな俺がこの高校を選んだのはなんとなくというふざけた理由である。男子校ってどんな感じなのだろうか、とふと思って、たまたま家の近くだって知って、特に行きたい理由も無いけど別に行きたい高校がある訳でもなかったから。

 まぁ無理だろ、と思って受けたらまさかの合格。それからいつの間にか時が経ち、今現在。今日は入学式である。校門をくぐり、在校生からリボンを受け取って教室に着いたところ。


 教室に緊張しながら入って自分の席に座ろうとしたら後ろに綺麗な子が座っていた。
 柔らかい風が吹き、その子の髪がフワッと舞い上がる。太陽の光に髪が反射してキラキラと輝く。その子が座っている所だけ空気が違うというか、次元が違うというか。‘’綺麗”だと思った。

 その子を見た瞬間、グッと心臓を鷲掴みされたみたいにすごく興味をそそられた。

 気付いた時にはどこからともなく出てきた勇気でその子に声をかけていた。周りからは気軽そうに話しかけているように見えるかもしれないが、実は心臓バックバクだった。

 その子と目が合ってまた心臓がギュッとなる。顔を見るとやっぱり綺麗だ。女の子と言われても納得出来てしまう。

「俺?」と聞かれ「そうそう!」と頷く。自分の名前を名乗り、その子に名前を聞いてみたら、普通に笑顔で名前を教えてくれた。名前が判明。

 こんなに他人に興味を持ったのは初めてかもしれない。何故だろうか。今、すごくドキドキする。

 あわよくば下の名前で呼んでくれないかなと思って「真紘と呼ぶ」と宣言するも俺のことは苗字で呼ぶと宣言された。残念。でも慣れてきたら呼び捨てになるかもしれないし、今後に期待。

 ・・・本当に男なのだろうか。真紘を見ても俺と同じモノがあるとは思えない。

 そう思って聞いてみると「喧嘩売ってんの?」とキレられた。そりゃそうだわ。
 

 どうやら真紘はそういう風に言われるのが嫌だったようですごく冷めた目で見てきている。褒めているんだと言ったがイマイチ納得してなさそうだ。

  少しふくれている真紘にそのまま中学校の事とか、趣味とか話していたら徐々に打ち解けてくれたようでコロコロと表情を変え、楽しそうに話してくれた。

 真紘のその表情を見ていると俺もなんだかすごく嬉しくて、顔が自然に綻ぶ。久しぶりに温かいものに触れたような、そんな気持ち。




 この気持ちは何だろうか。

 
 

 

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