高スペックな義兄弟が出来たのですが。

ぱふぱふ

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どうやら俺は難聴のようだ

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開いた扉の方を向くとそこに居たのは兄さんだった。兄さんは俺が起きている事に気がつくと「真紘」と名前を呼んで、近づいてきた。

「体調が悪い時って1人じゃ寂しいんじゃないかと思って来たんだけど・・・もしかしてもう寝るところだった?」

優しく微笑んでそう言い、サッと俺の額についていた冷えピタを交換した。保健室からずっとつけっぱなしだったからかな。ていうか兄さん優しいなー、暇だったからありがたい。

「ううん、ちょっと寝れなくて・・・、来てくれてありがとう兄さん。あと冷えピタも。」

俺が兄さんの方を向いてお礼を言うと、そっと俺の頭を撫でてくる。あーあれか、体調悪いと人肌が恋しくなるヤツ。

「全然大丈夫だよ。あ、でね?早く良くなる方法を調べて見たんだけどね?」

わざわざ調べてくれたんだー。もう兄さんが優しすぎて過保護過ぎて(罪悪感で)辛い。んー、早く良くなる方法って何だろう?

「1回抜くと良いらしいんだよ。」

兄さんがイケメンな顔をキリッとさせて、真面目な顔で言った。

・ ・ ・ ゑ ? 

あー、うん、俺、どうやら難聴みたいだ。やっぱり早退して良かったかもしれない。うん。

「兄さん、俺どうやら理解出来なかったみたいだ。で、兄さん何て?」

「だからね?1回抜くと良いらしいんだよ。それで真紘は体調悪いし手伝おうと思って。」

なん・・・だと・・・?いやいやいやちょっと待て!!おかしいだろ!そんなんで治るか!そしたら世界中の野郎共全員苦労してないわ!!

「ちょっと待って?そんなんで治ったら世の中苦労しないと思うんだけど?」

俺が手のひらで兄さんを制してそう言うと、兄さんが「でも試してみようよ」と少しずつ距離を詰めてくる。

「ちょっ!兄さん本気?!」

「本気だよ?俺は真紘に早く良くなって欲しいんだよ。それに最近抜いてないんじゃない?」

うっ!!いやだって家に兄さん達がいると思うとやりずらいんだよ!ちょっと待って!どんどん近づいてきた来ないで!

「で、でも俺達義兄弟だし・・・。」

「兄弟ってこういうのもするもんだよ?」

・・・・・・そうなの?いや待て!流されんな!!兄弟ではそういうことするかもしんないけど、義理じゃん!義理じゃん!(大事な事なので2回言いました)

「義理の兄弟・・・だし・・・。」

兄さんの目から逃げるように俺が目を逸らしながらそう言うと、兄さんは悲しそうな顔をした。
やめろ!罪悪感が半端ないから!!

いつの間にかついていた壁に押し付けられ、兄さんは俺の顔を自分の方へ向けて、じっと俺を見てからゆっくり口を開いた。

「俺と兄弟になりたくないの・・・?」


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