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Lv5
これからの計画Ⅱ side奏多
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朝起きて、着替えて、顔を洗って、髪を整えて人の目についても恥ずかしくないような状態になってからリビングに向かう。真紘の兄たるもの、だらしない姿でいる訳にはいかない。
席につくと既に朝食を食べていた真紘がうーんと唸っていたので声をかける。どうやら俺達の学校について心配していたようだ。
・・・その様子だと義母からまた聞かされていなかったらしい。俺がそう言うと、真紘何かを察して今この場に居ない義母を想像したようでため息をついていた。
一応一緒だということを言っておくと、遠い目をしながら曖昧によろしくと言ってきた。あの義母がいると苦労しそうだな・・・と同情しつつ、俺もよろしくね?と返した。
──────────
朝食を食べ終わり、片付けをしているとふと昨日、案内を頼もうとしていた事を思い出し、真紘に大丈夫か聞いてみると迷わずに笑顔で承諾してくれた。
のは良かったのだが、どうやら渚も誘うようだ。
それを聞いて上手く返答出来なかった。
あれから渚をどうするべきか考えているものの、真紘を悲しませずに渚をどうにかするとなるとかなり難しい。あんなんでも実の弟。俺の血縁者なだけあってスペックが高い。それに他の奴らならどうにか出来るが身内だとどうも動きずらい。真紘に誤魔化す事が出来ないからだ。
どうやって渚を退けるか・・・と考えながら準備して、玄関へと向かうと既に渚が居た。
しかし会話はない。と言うか元から、真紘の家に来るまで・・・再婚するまでほとんどまともな会話をしなかった。あの時の口論は言えば奇跡である。何故なら、するとしても最小限。お互い好きでもないし、嫌いでもない。只の兄弟という関係だったからだ。だとしても、別に気まずい空間という事が起きる訳でもなかったのだが。
今は明らかに以前とは雰囲気が違う。今この場はお互い1歩も譲る気もない、ピリピリとした空気に包まれていた。
その空気は真紘が来て、「よしっ!じゃあ行こっか。」と声をかけるまで解れることはなかった。
───────────────
─────────
────
今日は始業式。真紘にとっては入学式。桜が舞散り、春の花も綺麗に咲き誇り、暖かい春の陽気である。
俺達は今、新しい学校に向かっている。控えめながらもわくわくしている真紘は見ていてすごく癒された。
・・・さっきから周りにすごく見られている。別に自分が見られる分にはどうも思わない。こういう事はよくあったし慣れている。だが、さっきから見られているのは真紘である。しかも男から。
この容姿だと絶対変態野郎に好かれそうな事は察していたが、実際に目の前で真紘が気持ちの悪い視線を浴びていると思うと見ている奴ら全員、この世から消してしまいたくなる。
俺は真紘に気持ちの悪い視線を向けている野郎共を殺気を込めながら睨みつけると、大抵の奴らは「ひっ!」と情けない声をあげて必死に目線をズラした。
本当に油断も隙もない。
渚と真紘の話に区切りがついたところで、何でこの高校に入ったのか聞いてみると、推薦だとかそう言う特別な理由はないようだった。まぁ大抵の人はそんなものか・・・と思っていると、
「と言うか兄さんは大丈夫なの?折角入った高校、転校する事になっちゃったけど・・・。」
とそわそわしながら聞かれた。その様子に可愛いと思いながら、安心させるように自分も大した理由はない事を伝えると、真紘がほっとした表情になり「そう、良かった」と柔らかく微笑んだ。
・・・連れ去ってしまいたい。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
Ⅱでは終わらなかったのでⅢまで続きます!
長いッ!もう少しだけお付き合い下さい〇┓ペコッ
席につくと既に朝食を食べていた真紘がうーんと唸っていたので声をかける。どうやら俺達の学校について心配していたようだ。
・・・その様子だと義母からまた聞かされていなかったらしい。俺がそう言うと、真紘何かを察して今この場に居ない義母を想像したようでため息をついていた。
一応一緒だということを言っておくと、遠い目をしながら曖昧によろしくと言ってきた。あの義母がいると苦労しそうだな・・・と同情しつつ、俺もよろしくね?と返した。
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朝食を食べ終わり、片付けをしているとふと昨日、案内を頼もうとしていた事を思い出し、真紘に大丈夫か聞いてみると迷わずに笑顔で承諾してくれた。
のは良かったのだが、どうやら渚も誘うようだ。
それを聞いて上手く返答出来なかった。
あれから渚をどうするべきか考えているものの、真紘を悲しませずに渚をどうにかするとなるとかなり難しい。あんなんでも実の弟。俺の血縁者なだけあってスペックが高い。それに他の奴らならどうにか出来るが身内だとどうも動きずらい。真紘に誤魔化す事が出来ないからだ。
どうやって渚を退けるか・・・と考えながら準備して、玄関へと向かうと既に渚が居た。
しかし会話はない。と言うか元から、真紘の家に来るまで・・・再婚するまでほとんどまともな会話をしなかった。あの時の口論は言えば奇跡である。何故なら、するとしても最小限。お互い好きでもないし、嫌いでもない。只の兄弟という関係だったからだ。だとしても、別に気まずい空間という事が起きる訳でもなかったのだが。
今は明らかに以前とは雰囲気が違う。今この場はお互い1歩も譲る気もない、ピリピリとした空気に包まれていた。
その空気は真紘が来て、「よしっ!じゃあ行こっか。」と声をかけるまで解れることはなかった。
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今日は始業式。真紘にとっては入学式。桜が舞散り、春の花も綺麗に咲き誇り、暖かい春の陽気である。
俺達は今、新しい学校に向かっている。控えめながらもわくわくしている真紘は見ていてすごく癒された。
・・・さっきから周りにすごく見られている。別に自分が見られる分にはどうも思わない。こういう事はよくあったし慣れている。だが、さっきから見られているのは真紘である。しかも男から。
この容姿だと絶対変態野郎に好かれそうな事は察していたが、実際に目の前で真紘が気持ちの悪い視線を浴びていると思うと見ている奴ら全員、この世から消してしまいたくなる。
俺は真紘に気持ちの悪い視線を向けている野郎共を殺気を込めながら睨みつけると、大抵の奴らは「ひっ!」と情けない声をあげて必死に目線をズラした。
本当に油断も隙もない。
渚と真紘の話に区切りがついたところで、何でこの高校に入ったのか聞いてみると、推薦だとかそう言う特別な理由はないようだった。まぁ大抵の人はそんなものか・・・と思っていると、
「と言うか兄さんは大丈夫なの?折角入った高校、転校する事になっちゃったけど・・・。」
とそわそわしながら聞かれた。その様子に可愛いと思いながら、安心させるように自分も大した理由はない事を伝えると、真紘がほっとした表情になり「そう、良かった」と柔らかく微笑んだ。
・・・連れ去ってしまいたい。
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Ⅱでは終わらなかったのでⅢまで続きます!
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