高スペックな義兄弟が出来たのですが。

ぱふぱふ

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あ、確定なのね

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「真紘ッ!!」

勢いよく扉が開いてビックリしながら見ると、肩で息をしながら俺のことを真っ直ぐ見ている兄さんと目があった。

「に、いさん?どうしてここに・・・。」

俺がそう聞くと兄さんはゆっくりと俺に近付いてきて、答える前に驚いている俺を抱き締めてきた。

?!?!?!?! W h y な ぜ?!

「にににに兄さん?!」

俺が抵抗はしなくとも内心ではめっちゃ慌てて、何故と思いながらもとりあえずじっとしていると、兄さんがはぁーと息を吐き、俺の耳元で「心配、した・・・」と呟いた。

兄さん・・・わざわざ・・・と思いつつ、罪悪感で押し潰されそうになる。だがここまで来たらもう後には引けない。

「ごめん、心配かけて・・・。」

俺がそう言うと、もっと強く抱き締められる。・・・ちょっと待って、流石に苦しい。

「ちょっ、あの、くるし・・・、」

俺が少しもがくと、「あっごめん」と離してくれた。

「体調はもう大丈夫なの?」

兄さんに心配そうに聞かれて控えめに「大丈夫」と答えると、ほっとした表情になる。
・・・兄さんが優しすぎて泣きそう。罪悪感で。

「じゃあ今日は早退しようか。俺と一緒に帰ろう?」

兄さんがスクッと立ち上がって手を差し出してきた。あ、俺もう早退する事は確定なのね。もう、無理だわ、しょうがない早退しようと素直に手を握り返して立ち上がる。

「・・・じゃあ先生、俺真紘送って行くので。ありがとうざいました。」

「ありがとうざいました。お世話になりました。」

俺達がそう言うと先生はポカーンとしながら「は、はい・・・」と返事を返し、思い出したように早退の事が書かれた紙を渡してくる。

「では。」

紙を受け取り、保健室から出て玄関へと向かう。

歩きながらふと思い出しさたんだが、サラっと言われたけど兄さんも早退しちゃって大丈夫なのか?俺の為にわざわざ早退するとか申し訳なさ過ぎて・・・。

そう思って聞こうとしたが聞く前に「先生に許可を貰ったから大丈夫だよ」と言われた。

あ、許可貰ったのね、それなら安心・・・って何で分かったの?!エスパー?!

俺が何で?!と兄さんを凝視しているとクスクスと笑われた。解せぬ。

「何で分かったのって顔してる。真紘って顔に出やすいよね、思ってる事が分かりやすい。」

なん・・・だと・・・?そんなに出やすいのか?・・・いや、そんな事無いはず(?)・・・これはアレだ。兄さんが超人過ぎるだけだ。そうだよね?そうだと言って!!



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