高スペックな義兄弟が出来たのですが。

ぱふぱふ

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新しく出来た兄Ⅰ side渚

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 父さんが再婚するようだ。ぶっちゃけ、好きにしてくれ、と言う感じだが。
 反対はしないし、別にどっちでもいい。

「いいと思うよ~!」

 そんな考えは顔に出さず、いつもの笑顔で祝福する。

 父さんは反対されると思ってたのか、少し戸惑っていたが、嬉しそうに微笑んだ。

 義母とも会ったが別に悪い人ではなさそうだった。というか、僕に悪い影響がなければ何でもいいのだが。

 家が嫌いな訳でも家族が嫌いな訳でもないが、早く自立して1人になりたいと思っていた。

 そんな僕にある出会いが訪れた。

──────────
 義母の隣にいる子ども。義母の反応からして、言っていた息子らしい。

 ・・・・・・息子?

 疑問と思ってもう一度よく見て見るが、どうも男・・・しかも年上には見えない。

 ・・・この人が僕の兄・・・になるんだよな。

 その人はどうやら、色々聞いていなかったようで大分焦っている。

 パッと見たところ、傲慢とかそんな感じでは無さそうだが、案外、こういうタイプは腹黒いこと考えてたりするし、油断は出来ない。

 話が盛り上がり、一緒に昼食を食べることになった。
奏多兄さんは父さんと義母と楽しそうに会話をしている。

 ・・・少し、試してみるか。

 人懐っこい元気な弟を演じて、兄さんと呼んでいいか聞いてみる。

 ・・・我ながら馴れ馴れしいな。さぁどう出るか・・・。

 だが、真紘の反応は思っていたのと大分違い、思わず一瞬フリーズした。

 照れたように嬉しいと微笑む真紘。

 その顔を見て、心臓がドクンと跳ねる。

 ・・・ッなんだ?

 ハッと気づいた時には奏多兄さんが真紘に話かけていた。
 慌てて笑顔で2人の会話に耳を傾けると
「兄さんって呼んでいいですか。」とは赤面しなが
 はにかんで聞いているのが見えた。

 な  に  こ  の  可  愛  い  生  き  物

 奏多が了承すると、また嬉しそうに微笑み、何だかバックに可愛らしい花が見えた。

 また心臓がドクンと跳ねる。

「・・・ッヤバい。」

 思わず口から出てしまい、真紘に聞かれたが誤魔化した。

 まだよく分からないこの胸の高鳴りに戸惑うが、油断は出来ないと唇を噛んで気持ちを逸らす。

 すると、真紘が一緒に住むことを聞いていなかったようで戸惑っていた。

 ・・・その事も聞いていなかったのか。もしかして、嫌、なのかな。

 そう思うと何処かが凄くズキッとする。

 ・・・ックソ。別にどうでも良いだろ。真紘が嫌と言ったって。僕には、関係、ない。

 だが、妙に気になってチラチラと真紘の返事を伺う。

 やがて、諦めたように「分かった」と頷いた。

 その返事を聞いた途端、何とも言えない喜びに包まれ、凄くはしゃいでしまった。

 もう分かった。認めよう。コイツは大丈夫だ。僕に悪い影響はない。むしろ・・・・・・。

 そう考えると、この人が兄になるのは良いかもしれないと少し嬉しくなった。

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