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第六章
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しおりを挟むこの話はきっと埒が明かないので、いつも通り仲裁に入ることにした。
「兄様、ミラ、リーシェを間に挟むのはやめていただけるかしら?」
「姉様!」
「あーシアだ」
「お嬢様…!体調は大丈夫ですか?」
「大丈夫よ」
「それは何よりです」
リーシェには少し心配をかけてしまったかな。
「姉様!聞いてください!兄様がまた!!」
「うん…それは聞いてたよ」
「そうですか!それなら話が早いです。姉様からも言ってください」
「えー…いいよもうミラだけで十分だから」
「兄様…私は別に早く婚約しろとは言いませんが、ミラの言うこともわかります。……そもそもそのだらけ過ぎる態度が駄目なのかと思いますが」
「そう?シアも同じ感じでしょ」
「私はのんびりするときと普段過ごすときはメリハリをつけてますから。兄様よりはしっかりした人に見えるのかと思いますが」
「えー……何?シアは生活改善しろって?」
「そうですね」
「はぁ………小言が増えた」
「兄様!小言とは何ですか!!せっかく姉様が助け舟を出したというのに!
」
「助け舟……かな?」
「助け舟ですよ姉様!だって、兄様がモテるとは思ってませんし何もしないで女性方がよってくるような魅力的な人間でないことは妹ながら知ってます!なら、今すぐ婚約者を探すよりまだ生活改善の方がどうにかなるというものですわ!」
「う…………」
「ミ、ミラ…」
多分だけど……。
こんなな兄様でも、妹にそういうことはっきり言われるとグサッと刺さるんじゃないかな。
「それに!普段ルディエル殿下と共にいるなら存在感ゼロですよ!……は!もしかしたら女性方に認知もされてないのでは…!姉様どうしましょう!兄様一生婚約者がみつかりませんよ!私でさえいるのに!!」
「…………」
「ミ、ミラ様…」
「ミラ……」
うん。
これ確実に刺さりまくったな。
普段は小言ばかりでこう言う駄目出しはあまりしてこなかったから。
ミラがある意味成長したのはいいことなのだけど、兄様がそのせいで刺さりまくってもはや心が瀕死状態…。
意外にもこういうこと気にする人だからな…。
「姉様どうしましょう!」
そしてミラはそれに気づく様子なし。
まぁ、ドンマイです。兄様。
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