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小瓶の中の液体
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(あれ?この人どっかで見た顔…あ!)
知らない男に密室で押し倒されいる。そんな危険極まりない状況下で私の記憶が蘇った。
「…思い出した?」
わたしの考えを見抜いたように男が言う。コクコクとわたしはうなづいた。
「か、奏(かなた)くんだよね?ひまわり診療内科の」
男はわたしの言葉を聞くとぴくっと瞼を震わせた。
「やっと思い出してくれたね」
そしてわたしが動けないよう片手でわたしの体をベッドに押さえつけながら、
ベッド脇のサイドテーブルに乗っていた透明な小瓶をもう片方の手でつかんだ。
きれいなカットが施されたその小瓶には透明な液体のようなものが入っている。
体を押さえつけられたわたしは男…いや、奏くんの動きを目で追うことしかできない。
奏くんはそんなわたしを見下ろしながら小瓶の蓋を口で開ける。そしてニッコリと笑った。
「さくらさんは僕にいろんな薬を処方してくれたね。今日はさくらさんが薬を飲む番だよ」
え、とわたしが反応する隙を与えず奏くんがわたしの口に小瓶の中身を入れようとする。
わたしはとっさにギュっと口をつぐんだ。
それを見た奏くんの目がスっと冷える。そんな奏くんを見たわたしの背筋もスっと冷えた。
押し倒された瞬間に垣間見た獰猛な瞳とも違う。凍てつくような眼差しを向けられる。
気のせいか部屋の温度も下がったように感じる。
奏くんがこわい。でもこんな得体の知れないものを絶対に飲み込むわけにはいかない。
そう思うわたしと相変わらず冷えた眼差しの奏くんはしばらくお互いを見つめ合う。
しかしふいに奏くんが小瓶の中の液体をがクイっと彼自身の口に流し込んだ。
(えっ・・・)
『ほらね、これは毒なんかじゃない。安心して飲んでね』とでも言うつもり?
それともあの液体はマジな毒で今から奏くんはのたうち回って悶え苦しみ始めるのだろうか?
わたしはこれから起こりうる状況をアレコレ予想しながら奏くんの様子をじっと伺った。
「うっ・・・」
すると奏くんが苦しそうに眉間にしわを寄せてうつむいた。
「え、だいじょうぶ・・・っっ!!」
わたしがそう言って口を開けると奏くんが突如として覆いかぶさってきた。
顔を押さえつけられわたしの口の中に熱い液体が注がれる。
知らない男に密室で押し倒されいる。そんな危険極まりない状況下で私の記憶が蘇った。
「…思い出した?」
わたしの考えを見抜いたように男が言う。コクコクとわたしはうなづいた。
「か、奏(かなた)くんだよね?ひまわり診療内科の」
男はわたしの言葉を聞くとぴくっと瞼を震わせた。
「やっと思い出してくれたね」
そしてわたしが動けないよう片手でわたしの体をベッドに押さえつけながら、
ベッド脇のサイドテーブルに乗っていた透明な小瓶をもう片方の手でつかんだ。
きれいなカットが施されたその小瓶には透明な液体のようなものが入っている。
体を押さえつけられたわたしは男…いや、奏くんの動きを目で追うことしかできない。
奏くんはそんなわたしを見下ろしながら小瓶の蓋を口で開ける。そしてニッコリと笑った。
「さくらさんは僕にいろんな薬を処方してくれたね。今日はさくらさんが薬を飲む番だよ」
え、とわたしが反応する隙を与えず奏くんがわたしの口に小瓶の中身を入れようとする。
わたしはとっさにギュっと口をつぐんだ。
それを見た奏くんの目がスっと冷える。そんな奏くんを見たわたしの背筋もスっと冷えた。
押し倒された瞬間に垣間見た獰猛な瞳とも違う。凍てつくような眼差しを向けられる。
気のせいか部屋の温度も下がったように感じる。
奏くんがこわい。でもこんな得体の知れないものを絶対に飲み込むわけにはいかない。
そう思うわたしと相変わらず冷えた眼差しの奏くんはしばらくお互いを見つめ合う。
しかしふいに奏くんが小瓶の中の液体をがクイっと彼自身の口に流し込んだ。
(えっ・・・)
『ほらね、これは毒なんかじゃない。安心して飲んでね』とでも言うつもり?
それともあの液体はマジな毒で今から奏くんはのたうち回って悶え苦しみ始めるのだろうか?
わたしはこれから起こりうる状況をアレコレ予想しながら奏くんの様子をじっと伺った。
「うっ・・・」
すると奏くんが苦しそうに眉間にしわを寄せてうつむいた。
「え、だいじょうぶ・・・っっ!!」
わたしがそう言って口を開けると奏くんが突如として覆いかぶさってきた。
顔を押さえつけられわたしの口の中に熱い液体が注がれる。
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