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同棲の始まり
奇跡の生還
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ルカが目を覚ました時、視界に飛び込んできたのは見覚えのない真っ白な天井だった。
「お兄ちゃん!?良かったぁ!!気がついた!!」
「ルカ!おい、ルカ、お前、大丈夫か??!」
次には弟のレオとショーンの顔が覗き込んできて、瞬間、レオには力一杯抱き締められた。
「もうお兄ちゃん!!心配したんだから―っっ!このまま起きなかったらどうしようかって――」
わぁっと子供のようにいきなり泣き出したレオに、ルカは最初、何事かと思ったが。
そんなルカの頭にぽんと優しくショーンの温かい手が触れて。
「良かった。本当に良かったよ、ルカ。」
今にも泣き出しそうなショーンの顔を見ていたら、ルカの方まで目頭が熱くなってしまった。
そして、ようやく理解した。
自分が生きているという事を。
それから、ルカは自分が四日間も昏睡状態であった事を聞かされた。
つまり、ルカとショーンがあのマフィアの屋敷に乗り込んでから、既に四日も経過したという事だ。
そう言われてみれば、ルカにももうずいぶん昔の事のようにも思われた。
そうして、医師による軽い検査が行われ、それらが一段落した頃。
病室にショーンと二人きりになった。
「ルカ、大丈夫か?疲れてないか?」
「ああ、平気だ。何ともねぇよ。」
笑って返せば、ショーンも安心したように微笑んで。
けれども、そんなショーンの方が顔も腕も擦り傷だらけで、左腕は包帯でぐるぐる巻きで肩から吊っているという酷い有様である。
「ショーンこそ、ケガ、大丈夫なのかよ?」
「ああ、大した事ない。左腕は撃たれたが弾も貫通してたし、すぐに傷も塞がるさ。」
「なら、いいけど。」
「今回は無茶し過ぎたよな。ま、お互い生きてて何よりだ。」
“これからはもう少し慎重に行こう”と苦笑するショーンに、ルカも同意したように肩を竦める。
すると、ショーンがやっと肩の力を抜いて、本音を漏らし始めた。
「今回はさすがにお前はダメかと思った。屋敷が完全に火に包まれた時はもう。夜通し消火活動して、海まで捜索して、それでもお前が見つからないから、オレは――」
声を震わせるショーンに、心配をかけてすまなかったとルカは心の底から詫びた。
「ごめんな、ショーン。オレも実は言うと、もうダメかと思って、イチかバチか屋敷のテラスから海に飛び込んだんだけど。奇跡ってあるんだな。案外、オレってしぶといって言うか。」
そんな風に少し冗談めかしたルカの額を、泣きそうな笑顔のショーンが人差し指でピンと弾いて。
「バーカ。お前が助からねぇワケねぇだろ?奇跡でも何でもねぇよ。」
そうして、二人で無事を実感するように抱き合った。
と、思い出したようにショーンが付け足す。
「――にしてもだ。気になる事はあるんだよな。」
不思議そうな顔をするショーンに、ルカも「ん?」と首を傾げた。
「お兄ちゃん!?良かったぁ!!気がついた!!」
「ルカ!おい、ルカ、お前、大丈夫か??!」
次には弟のレオとショーンの顔が覗き込んできて、瞬間、レオには力一杯抱き締められた。
「もうお兄ちゃん!!心配したんだから―っっ!このまま起きなかったらどうしようかって――」
わぁっと子供のようにいきなり泣き出したレオに、ルカは最初、何事かと思ったが。
そんなルカの頭にぽんと優しくショーンの温かい手が触れて。
「良かった。本当に良かったよ、ルカ。」
今にも泣き出しそうなショーンの顔を見ていたら、ルカの方まで目頭が熱くなってしまった。
そして、ようやく理解した。
自分が生きているという事を。
それから、ルカは自分が四日間も昏睡状態であった事を聞かされた。
つまり、ルカとショーンがあのマフィアの屋敷に乗り込んでから、既に四日も経過したという事だ。
そう言われてみれば、ルカにももうずいぶん昔の事のようにも思われた。
そうして、医師による軽い検査が行われ、それらが一段落した頃。
病室にショーンと二人きりになった。
「ルカ、大丈夫か?疲れてないか?」
「ああ、平気だ。何ともねぇよ。」
笑って返せば、ショーンも安心したように微笑んで。
けれども、そんなショーンの方が顔も腕も擦り傷だらけで、左腕は包帯でぐるぐる巻きで肩から吊っているという酷い有様である。
「ショーンこそ、ケガ、大丈夫なのかよ?」
「ああ、大した事ない。左腕は撃たれたが弾も貫通してたし、すぐに傷も塞がるさ。」
「なら、いいけど。」
「今回は無茶し過ぎたよな。ま、お互い生きてて何よりだ。」
“これからはもう少し慎重に行こう”と苦笑するショーンに、ルカも同意したように肩を竦める。
すると、ショーンがやっと肩の力を抜いて、本音を漏らし始めた。
「今回はさすがにお前はダメかと思った。屋敷が完全に火に包まれた時はもう。夜通し消火活動して、海まで捜索して、それでもお前が見つからないから、オレは――」
声を震わせるショーンに、心配をかけてすまなかったとルカは心の底から詫びた。
「ごめんな、ショーン。オレも実は言うと、もうダメかと思って、イチかバチか屋敷のテラスから海に飛び込んだんだけど。奇跡ってあるんだな。案外、オレってしぶといって言うか。」
そんな風に少し冗談めかしたルカの額を、泣きそうな笑顔のショーンが人差し指でピンと弾いて。
「バーカ。お前が助からねぇワケねぇだろ?奇跡でも何でもねぇよ。」
そうして、二人で無事を実感するように抱き合った。
と、思い出したようにショーンが付け足す。
「――にしてもだ。気になる事はあるんだよな。」
不思議そうな顔をするショーンに、ルカも「ん?」と首を傾げた。
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