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二章第二節 一流警備兵イシハラナツイ、〈続〉借金返済の旅
■番外編.ミント・カルーディアの日記 ※ミント視点
しおりを挟む∇著 ミント・カルーディア
ゎたしの名前はミント・カルーディア。
ウルベリオン王都にある『王都ジョブズ教学院』に通う生徒です。
ゎたしの家は代々、都市間を行き来する行商人の家柄で商品として扱っているのは主に『野草』です。
かつて一財を成した先祖のハンゾー・カルーディア様は行商人でありながら一級の【鑑定士】でもあって、各地に生えている野草を鑑定しそれを煎じて現在流通している回復薬を創り上げた凄い御方です。
それでハンゾー様は平民の出でありながら貴族に迎えられて……ってゎたしの自己紹介や成り立ちはどぅでもぃいですよね。。。
ゎたしは今日から日記をつける事にしたんです。
どぅしてかっていぅと。。。
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~『ミント・カルーディアの日記』~
------------------------------------------------
パタン……
「はぁ……やっぱり日記って難しぃなぁ……文字を扱う職業の人って凄いなぁ……」
ゎたしは部屋の窓から空を眺め、書いていた日記を一度閉じてため息をつきます。
いざ筆を取って頭の中を整理してみても、それを文字にするとなると全く筆が進みません。
「……はぁ、ナツイさん………」
そぅ、ゎたしが突然日記をつけ始める理由になったその人。
ワークショップで出逢った……凄く不思議な空気感を纏っているこの街の【警備兵】さん。
名前はイシハラ・ナツイさん。
ゎたしに『お前がいてくれてよかった』って言ってくれた御方……そんな事今まで言ってくれた人いなかった。
凄く年上らしいその御方の事を考えるだけで心臓の鼓動は高鳴り、今までに経験したことなかった高揚感に身体を支配されます。
「けど……凄く綺麗な女の人を二人連れていて……彼女なのかな……ゎたしの事なんて眼中になぃよね……はぁ……」
考えてはため息をつきながらも、ナツイさんの事がずっと頭から離れません。
ワークショップでの一件以来……お見かけする事すらないけど今何処で何をしていらっしゃるのでしょうか。
きっと……これはゎたしにとって初恋……この抑えられない想いをどこかに吐き出さないと胸の中にある想いで何にも手につかない。
「………いけない、それを文にしなければ何も意味ないよね。日記を書くんだった………えーと………」
------------------------------------------
《創職暦 二二二三年 十ノ月 二十三廻日》
今日もルメット先生の授業を受けました。
ルメット先生はいつもと変わらず元気一杯でした。チュールズ君も相変わらず。。
ワークショップでの一件以来、二人ともナツイさんのことをずっと気にしているみたい。チュールズ君はあの後、両親に凄く叱られたみたいでナツイさんをずっと恨んでいるようなんです。自分のせいなのに。。
それとルメット先生。
先生はあれからナツイさんの事をなにかと聞いてきます。『あれ以来会った?』とか『見かけたら教えて』とか。。その理由は教えてくれません。ナツイさんに何か用があるのかな?
もしかしたら。。ルメット先生もナツイさんのことを。。
------------------------------------------
「…………」
ゎたしが日記をつけ始めたもう1つの理由がこのルメット先生。
きっかけはワークショップでの一件……ルメット先生がナツイさんの頼みで【魔女】という職業に変身したこと。
(ワークショップの規約書には……人々に害を為す職業……いわゆる『悪職』には就(な)れないって記載してあったのに……)
【魔女】はれっきとした悪職の一種。
ナツイさんのお連れの女の人たちが魔女に変身できなかったのはそのため。
(ルメット先生は……どうして……どうやって【魔女】になる事ができたんだろぅ……ルメット先生があの時使った技術は歴史書に記されていた【炎獄の魔女】の技術……まぎれもなく本物の魔女の技術だった……)
それからはルメット先生の事も眼で追うようになっていた。
それがどうしても気になっていたから。
「……だからゎたしは記録のためにこの日記をつける……誰の目にも触れられないょうに……これもご先祖様の血、なのかな……」
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